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2016年の金融市場では何が焦点となるのか

 2015年の金融市場は日米欧の金融政策の行方が金融市場にとっての大きな焦点となっていた。リスク要因として前半はギリシャ、後半は中国と原油価格の動向が注目された。それでは2016年の金融市場では何が焦点となるのであろうか。

 突発的なテールリスクに関しては予測が難しい面もあり、とりあえず予測が可能なものから見てみたい。まずFRBの金融政策に関しては年に2回から4回の利上げが行われる可能性が高い。

 FOMCの2016年の日程は1月26~27日、3月15~16日(議長会見有)、4月26日~27日、6月14~15日(会見有)、7月26~27日、9月20~21日(会見有)、11月1~2日、12月13~14日(会見有)となる。段階的に4回であれば議長会見のある3、6、9,12月。もし慎重に年2回であれば6月、12月か。テーパリングとは影響は異なると言ってもマーケットフレンドリーなペースで行うと予想され、市場への影響は限定的となろう。

 イングランド銀行も利上げのタイミングを計る年になるとみられる。ちなみに2016年のMPCは毎月開催となるが、英国議会で承認が得られれば、2016年9月以降は年8回ペースでの開催に変更される。その場合に10月のMPCは中止となる。

 ECBについては12月3日の追加緩和が予想された最低限のものであったことで、緩和余地を残しているため追加緩和の可能性はある。しかし、12月3日の市場の反応をみても中途半端な追加緩和はむしろ市場には逆効果と認識される可能性がある。追加緩和でユーロ安が期待できないとなれば、ドラギ総裁は新たな手段を講じてくる可能性もある。しかし、ドイツ出身者などとの対立をさらに深める懸念もある。ECBは2016年から政策理事会は年8回となる。

 日銀に関しては12月18日の異次元緩和の補完措置による適格担保の拡充と長期国債買入れの平均残存期間の長期化により、2016年の国債買入をより容易にさせることになる。しかし、すでに国債発行額の100%近くを買い入れることになり、さらなる大量の国債買入による追加緩和の可能性は薄い。かといって小出しの追加緩和では、ECBの追加緩和のように市場はネガティブな反応をする可能性が高い。日銀も2016年は金融政策決定会合の開催は年8回となる。

 12月の米国の利上げにより、金融市場は金融緩和に対する依存度が後退しつつあるように思われる。2016年の焦点のひとつが日米欧の中央銀行の金融政策であることは確かながら、その注目度は2015年と比較して低下してこよう。むしろ物価動向にかかわらず日銀の出口政策の行方が注視される可能性もある。

 現時点でのリスク要因となりそうなのが、原油価格の下落である。原油価格の下落傾向はまだ続くとみられる。その原因のひとつである中国などの新興国の景気拡大のピークアウト、さらに原油価格下落によるサウジアラビアなど中東の国々含めた資源国の景気への影響も危惧される。金融市場を取り巻く資金の流れがFRBの正常化と原油安により大きく変化してきており、それが一層顕著となるのが2016年となるのではなかろうか。

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