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硬派の長期投資シリーズ 株価収益率(PER)を使うことのむずかしさ

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株式投資に際して株価収益率(PER)を使うことは極めてポピュラーです。

株価収益率とは株価を一株当り利益(EPS)で割り算したものです。

或る企業が稼ぎ出したその年の利益の何倍まで株価が買われているかを示していると言い換えても良いでしょう。

従ってこの倍率が低ければ低いほど株価は「割安」であり、逆に高ければ「割高」だと解釈するわけです。

ここまでの議論はむずかしくありません。

しかし実際に投資する際に株価収益率を援用しようとすると、とたんに一筋縄ではいかないことがわかります。
【急成長企業にはPERは使えない】
若いIPO直後の企業には「売上高は毎年倍々ゲームで増えているけど、未だ利益は出ていない」というケースが多くあります。

PERはそもそも会社の利益をベースに計算される投資尺度ですから赤字会社の場合、用をなしません。

またかろうじて黒字が出ている場合でも利益の数字が未だ小さいためにPERを計算すると200倍とかの大きな数字になってしまうことが多いのです。

【年々成長率が鈍化している株の割高・割安をPERで判断する事の困難】
また成長率が毎年落ちてきている企業の場合、どの水準を「割安だ」と判断するかは喩えて言えば波打ち際の砂浜に棒っ切れで線を引くような作業であり、妥当と思った株価水準がもっと切り下がるなどということは日常茶飯事です。

【景気に大きく左右される業種の場合】
自動車や鉄鋼など景気に業績が大きく左右される業種(=それらをシクリカル株、ないしは市況株と呼びます)の場合、PERの解釈は芸術の域に達するほど難しいです。これらの企業は損益分岐点が高いビジネス(=利益が出せるためには沢山の売上をこなさなければいけないこと)が多いので、チョットでも売上が落ちようものならとたんに赤字に転落します。

その場合、PERは使えなくなってしまうのです。

また景気が回復し、ようやくクルマや鋼材が再び売れ始めたときは赤字が黒字に転換する初期なので未だ利益は小さく、結果としてPERはものすごく大きな数字になります。

この場合、PERがものすごく大きな数字だから、その株はもう騰がらないかといえば、かならずしもそうではありません。

逆に景気のピーク近くでは自動車や鋼材の販売も絶好調になります。その場合、PERは一ケタ台になり、それらの株は極めて割安のような印象を与えてしまうわけです。

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