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二酸化炭素(CO2)を使って地中の原油をモミモミしてやる会社 デンブリー・リソーシズ(DNR)

デンブリー・リソーシズはCO2キャプチャ(=二酸化炭素を大気中に放出することを防ぐこと)と原油採取の生産性向上を合体させた、ユニークなビジネス・モデルの会社です。



CO2の多くは火力発電所など人工的な原因で発生します。

デンブリー・リソーシズはそのようなカタチで発生したCO2を企業から長期契約にて供給してもらい、それをパイプラインで油田地帯まで運びます。

そしてそれを地中に注入します。

地中に注入されたCO2は凝固している原油と融合し原油が(表現は不正確ですが)モミモミされ、流動化されます。

それによっていままで「取り残し」が起きていた原油もキレイにすっかり採取できるというストーリーなのです。(このような方法により原油の回収率を向上させる手法をEOR=Enhanced Oil Revoceryと呼びます。)

これまでの伝統的な手法ではこのような場合にはウォーター・インジェクション(真水注入)という手法が使われていました。

しかしこれだと貴重な真水を無駄にします。

リカバリー・レート(回収率)はウォーター・インジェクションでもCO2の注入でも殆ど変わりません。

デンブリー・リソーシズはこのような方法で過去11年間に原油生産を年率33%成長(CAGR)させてきた実績があります。

同社は発電所や工場などからCO2を貰い受けて、先ず水分を除去し、CO2を液化させた後、パイプラインで油田の近くまで運び、これを使用するときまでタンクに貯蔵します。そして油田生産が開始されるとCO2を地中に注入するわけです。このような一貫したリサイクル体制を持っている企業は同社だけです。

同社が操業している地域はメキシコ湾岸のテキサス、ルイジアナなどの地域とワイオミング、ノースダコタ、モンタナなどのロッキー山脈地域です。

現在の確認埋蔵量は約13億バレルで生産高は6.3万BOE/日です。また生産に使用されるCO2の備蓄は13.6TcfでCO2パイプラインは延長835マイルです。

さて、どれだけ環境にやさしい技術でも採算面で割に合わないのでは長続きしません。その点、CO2注入は他の方法と比べても遜色ないと言えます。

例えば去年の第3四半期は原油価格が平均すると76ドルでしたがデンブリーの1バレル当たり営業費用は37ドルでありグロスマージンは51%でした。

最近話題になっているノースダコタのバーケンにおける非伝統的石油と比較してもバーケンのIRRが36%に対し、ダンブリーのIRRは36%とほぼ同じです(原油価格80ドルを想定)。

またデンブリーは2009年におこなった一連の買収でバーケンにも橋頭保を築いています。

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