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日本の医療は周回遅れ?

僕も毎週日曜日は、「下町ロケット」を楽しみに見ていました。

個人的にはやはりロケットの話の方が夢があるなぁ、とおもっていましたが、後半のガウディ編は医療がテーマなので、そういう意味でも注目してみていました。

劇中で宿敵である椎名の言葉に、

「だから日本の医療は周回遅れなんだ」

という台詞があります。

本当に日本の医療は周回遅れなのかどうか?といいますと、ある意味でこの椎名の台詞は正しく、一方で、別の意味ではそうでもありません。

どういう意味かというと、

いわゆる最先端医療の分野では、確かに日本の医療はトップクラスとは言いがたいのが現実です。

マラソンで言うならば、先頭集団ではなく、第二集団といったところでしょう。

しかしながら、国民全員が受けている平均的な医療レベルという点では、世界トップクラスでしょう。

これは国民の平均寿命にも現われています。

つまり、日本の医療というのは、誰もが一定以上のレベルの医療が受けられるという意味では、世界トップクラスなのですが、かといって世界で最も進んだレベルの医療が受けられるのかというと、そうではない、というのが現状なのです。

まあ、周回遅れというほどひどくはないようには思いますが、確かに、先頭集団を追従している、というのが最先端医療での日本の現状のポジションかと思います。

それでも、全体に提供されている医療のレベルが高いならいいじゃないか、と思われるかもしれません。

しかし、最先端の分野でトップランナーでないことは、実は相当な損をしているのです。

また、下町ロケットの話になりますが、佐山製作所の椎名の父親の台詞に、

「トップクラスじゃだめだ、トップを目指せ」

というような台詞がありました。

それもそのはず、トップをとるということが非常に重要なのです。

なぜなら、新しい薬も新しい医療機器も、いずれもそれらは最先端の研究や医療から生まれます。

そして、それらを開発した側は特許をとることによって、十分な対価を得ることができるからです。

一方で、それらを用いた治療を使いたい側は、製品を輸入して購入するか、ライセンス料を払って製造するしかありません。

日本は医療における多くの分野において、この後者なのです。

日本で開発された医療機器や薬剤というのは少なく、欧米で開発された治療を使っているのが、ほとんどです。

僕らが出している薬も、使っている機器も、半分以上が輸入品なのです。

特に高価なものにかぎって、だいたい輸入品のような気がします。

日本人としては非常に残念なところですが、これが日本の医療の現状です。

そういう意味では医療というのは、国単位でみたときに、日本は相当な赤字だと思います。

国民全体に一定レベル以上の医療が行き届いているのは、うがった解釈をすれば、

日本が大金を払って輸入した薬剤や機器によって支えられている、といっても過言ではありません。

もちろん、国産のものもあります。

しかし、未だに輸入品が多くを占めているのが日本の医療なんですね。

医療を成長産業にという、政府の方針もあるようですが、それこそ、まさに、トップクラスではなく、トップを目指し、知財戦略を進めていかなければいけないのです。

新しい医療を開発し、しっかりと特許を守り、そして、その製品を世界に売る。

ここまでできるようにならなければ、医療を成長産業にすることは難しいでしょう。

現在、製薬会社のランキングをみてみても、日本の企業はまったく上位に食い込めておりません。

国内市場ですら、外資に占められています。

これが、「周回遅れ」という言葉の裏にある現状なのです。

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