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【北海道】「民主党が目指す、支え合う社会とは」枝野幹事長が本多・道4区総支部長と遊説

 枝野幸男幹事長は19,20日の両日、北海道である後志管内の小樽市、余市町、倶知安町、黒松内町などを訪れ、本多平直・道4区総支部長とともに街頭演説や集会で地域の支持者などと交流し、これからの民主党の政策などを訴えた(写真上は余市町での演説会)。

 本多総支部長は、埼玉12区で活動し衆院議員2期を務めた後、今年9月から生まれ故郷である北海道に活動場所を移し、鉢呂義雄前衆院議員の後を引き継いで、国政復帰を目指して活動を続けている。

小樽駅前での街頭演説

小樽駅前での街頭演説

 枝野幹事長の遊説は19日夕方、寒風が吹き付ける小樽駅前での街頭演説からスタート。小樽市選出の川澄宗之介道議会議員が司会を務め、本多支部長とともに集まった約50名の支援者に街宣車から訴えた。その後、明治後期から大正時代にかけてニシン漁最盛期にこの地で巨万の富を築いた網元の邸宅で、歴史的建造物として国の登録有形文化財に指定されている「旧青山家別邸」を見学。さらに市内のカフェで小樽の企業経営者らから地場産業の課題や中小企業振興策などについて話を聞き、意見を交わした。

 翌20日、枝野幹事長は小樽市を車で出発し、後志管内の余市町、倶知安町、黒松内町の3カ所の会場で4区総支部主催の演説会に参加。本多総支部長や道連幹事長で管内選出の市橋修治道議会議員とともにマイクを握った。

 この日の集会は、本多総支部長が就任後初めて選挙区内で開く演説会で、「後志の郡部でどれだけ知ってもらえるかが勝敗を分ける」(本多総支部長)との思いで、あえて人口が集中する都市部以外から始めたもの。それぞれの地域では民主党の支援者が会場の設営や受付を担い、いずれの会場も100人を超える有権者が集まり、熱心に聞き入った。

市橋修治党北海道連幹事長

市橋修治党北海道連幹事長

 各会場で弁士のトップバッターを務めた市橋道議は、来年4月の衆院北海道5区補欠選挙で池田真紀(いけだ・まき)さんの擁立を党道連として19日に決めたことを報告し、支援を求めた。また、全道各地でこの夏から秋にかけて安保法制反対のキャラバンを展開し、札幌・大通公園での定時街宣を4週間続け、キャラバン隊が北海道内を延べ3500キロ走破したことなどを紹介。「法案成立を阻止することはできず残念だが、この問題はこれで終わったわけではない。政党や労働組合の枠を超えた大きな広がりができたので、これからも安保や憲法に関わる集会を各地で開き、大きな力が得られるように頑張っていきたい」と呼びかけた。

本多平直・北海道4区総支部長

本多平直・北海道4区総支部長

 続いて本多総支部長が登壇し、まず「今日初めて見るぞという方も多いと思うので」と前置きして、大学生時代の外国旅行や世論調査のアルバイト体験から政治家を志したことや、枝野幹事長の政策秘書として薬害エイズ事件に取り組んだこと、埼玉県選出の衆院議員として総理大臣補佐官や経産大臣政務官を務めた自らの経歴を紹介。「(落選後)再挑戦するなら(生まれ故郷の)北海道でやりたいとお願いし、この選挙区で挑戦できることになった。ここは“日本の縮図”のようなところ。北海道では全くの新人。皆さんの声をしっかりと聞いて始めたい」と意気込みを語った。「日本には今2つの大きな穴がある。“憲法というルールを破る政治”と“格差問題”。日本をおかしな方向に持って行こうとしている2つの穴、これを止めなければ日本はダメになる。まともな政治に戻していけるよう一歩一歩頑張っていきたい」と本多総支部長は抱負を力強く述べた。

 トリをつとめた枝野幹事長の演説のテーマは「民主党の目指す社会像」。「私たちがこれから目指す社会は、本来の地域、社会の営みの中で求められていることを、しっかりとお互いに支え合う社会だ。これが経済もよくする」と述べた幹事長は、教育、雇用、介護や保育、格差、1次産業政策や、目先だけの安倍政権の経済政策など多岐にわたる内容を例示。「目先だけの人気取り政治に対して、われわれの政治は地道に丁寧に説明しないとなかなか理解していただけないが、本当に大事なことをやってきた自負があるし、やっていかねばならないという決意がある」と各会場で予定時間を超えて話し、会場からの質問にも明快に答えた。

熱弁をふるう枝野幹事長

熱弁をふるう枝野幹事長

 黒松内町での演説を終えた枝野幹事長は再び倶知安町に戻って、後志地区農民連盟の忘年会に本多総支部長とともに飛び入り参加し、大歓迎を受けた。また倶知安から黒松内への途中は、外国人スキーヤーで賑わうニセコのヒラフスキー場にも立ち寄りった。この日の幹事長の走行距離は220kmを超えたが、今回の遊説の感想を枝野幹事長は演説の中でこう語った。

「幹事長をやっていると選挙応援などで県庁所在地はよく行くが、日本は都市だけでできているわけではない。国土の多くは森林だったり田畑だったり海で、それがトータルで日本だ。われわれの目指す社会をそうした地域に住んでいる皆さんにも知っていただきたい、その政策をさらに磨いていくためにも駆け足でも一度行ってみることが大事だ」「昨年、幹事長として稚内から旭川まで1泊2日で回ってみて、本州で想像する北海道とは広さの桁が違うと実感した。北海道のことは札幌を見るだけではわからない。今回の後志もそうだが、やはり来てみないとわからない」。

【枝野幹事長の演説から】(抜粋)

  • 安倍政権になって3年が経ち、確かに株価は上がった。株価対策は選挙政策としては非常にいい。株価は毎日ニュースになります。ニュースで株が上がったと聞くと、持っていなくても、そのうちいいことがあるかなあと期待する。さて3年経ってその期待はかなったでしょうか。ちなみに民主党政権は3年3カ月です。ほぼ同じ期間です。結果を出せなかったことが多かったのはわれわれも厳しく反省しなければならないが、でも安倍政権よりもよっぽどマシな仕事をしたと自信を持ってお伝えしたい。GDP(国内総生産)は、民主党政権の間には、東日本大震災もあり、ドスーンと下がりましたが、その下がった分も含めて、全体を平均すると、年率で成長は1.7%でした。決して威張れる数字ではありません。ではあれだけ民主党のことをボロクソに言っている安倍政権、よっぽど良くなったんでしょうね。いや、0.9%です。半分です。口ではいろいろなことを言ってて、株価のような目立つところは良くしましたが、しかし日本経済全体の成長はわれわれの時代の半分に落ちているんです。だから景気のいい実感がないのは当たり前なんです。
  • 介護の世界では「男の人の寿退社」があるんです。給料は安いけどやりがいのある仕事だと思って頑張っていた。でも彼女ができて、結婚しようと思ったら、この給料じゃ家庭を持つ責任持てない。で、やむなく他の、もっと給料が高く上がっていく可能性のある仕事に代わる。これで人手不足になる。こういう必要で大事な仕事で、ちゃんとその仕事を続けて、希望して相手がいれば結婚できるような給与を払いましょうよ。そうすれば否応なく、高齢化が先行している地方に職場が生まれるんです。その職場で家庭を持てる。そこでお子さんが生まれ、そこで育てられる。親御さんが介護の仕事で忙しいから保育所が必要になる、保育所の仕事でも一家を養えるような給料がもらえればそこで若者の職場が生まれるんです。こうやって現役世代がお年寄りを支えたり、次の世代を育てたりして、私たちの社会は何百年も続いてきたんでしょう? このベースをきちんとそれぞれの地域で作ること、まずこれなんです。
  • 介護や医療や子育て支援は、全部経済対策なんです、長い目で見たら。消費を増やし、安定的な雇用を増やす、これも経済対策なんです。目先のことだけ考えている人たちはこうなりません。目先の会社のもうけだけだったら、いかに安く人を雇って、いらなくなったら首にする。売り上げが一緒だったら人件費が安い方がもうけが増える。こんなことをやっているからずっと物が売れなくて、人口が減る社会になってしまう。私たちはそうではない社会を作っていきたい。
  • 安倍さんはTPP対策でも「強い農業を作る」と言っています。私たちの発想は違います。農業、林業、畜産業、酪農、全部「産業」だけではないんです。お金もうけだけではない。その部分を位置づけるというのがわれわれの一貫した考え方なのです。緑を守り、空気や水や土地の荒廃を防ぎ、地域社会を守っているじゃないですか、食の安全と食糧自給を守っているじゃないですか。お金に換えられない価値なんです。ちゃんとその仕事が継続できるように社会全体で支えていく。競争は強いところはやってくれればいい。世界相手に大もうけをしたいなら邪魔もしないし、後押しもします。しかし大事なところはお金もうけ以外の1次産業の価値をちゃんと位置づける。だから戸別所得補償政策をやったんです。昔から土地や海や山を大事にして、地域を守って、それぞれの地域でお互いに支え合ってきた、このベースをもう1回取り戻す。こういう社会を取り戻していきましょう。
  • 「さあ高齢者の皆さん、参院選挙の前に3万円ずつ配ります」って言い出しましたよね。ひどくありません? 将来にわたって年金が3万円増やせるなら、これはいい政策です。今年限り、選挙前に1回こっきり3万円もらってどうするんですか。3万円の「違法ではない買収資金」。こんな無責任で人気取りの政策は止めたいんですが、今の国会の力関係では通っちゃいます。どうか皆さん、もらえる資格のある人はもらってください。問題はもらった先です。もらった上で、こんなめちゃくちゃな政府はダメだという投票をすればいいんです。お金もらったら自民党に入れなければいけないかって、そんなことはありません。いただける人はいただいておいて、その上でお灸を据える1票を投じればいいんです。
  • もう一つひどい話。「軽減税率」という言葉にだまされないでくださいね。軽減税率というと、食料品の消費税が8%から5%に下がるとか、ゼロに下がるという印象を与えますが、違いますからね。あれは「据え置き税率」。他は8%から10%に上がるが、上げないだけ。1兆円かかる財源を何も示していない。その財源で、たとえば高齢者の皆さんの医療費の負担が上がるかもしれない、介護の負担が上がるかもしれない。そっちは出さないで、税率は抑えますという法案だけ選挙の前にだそうとしている。ひどいでしょう?。
  • やはり消費税の負担増をお願いする上では、社会保障の充実を先行させなければだめだ。これはわれわれの反省です。谷垣さん(現自民党幹事長、3党合意時の党総裁)を信じてしまったのは間違いだった。いい人なんだけど、押し切る力がない。社会保障のために上げるって約束したじゃないか。やはり「一緒にやる」じゃダメだ。社会保障を目に見える形で充実させて、これだけやりましたねって確認してから、消費税をお願いするという形でなければいけなかった。
倶知安町での演説会

倶知安町での演説会

民主党広報委員会

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