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- 2015年12月16日 12:01
イスラム軍事連合の虚構性
サウジアラビアは昨日、突如、イスラム軍事連合なるものの結成を宣言しました。
テロと戦うために世界のイスラム諸国が一致団結して戦うための連合だそうで、参加国は以下の34カ国です。
アラブ諸国(17カ国)
サウジアラビア、ヨルダン、バーレーン、スーダン、ソマリア、パレスチナ、クウェート、エジプト、カタール、UAE、レバノン、リビア、モロッコ、モーリタニア、イエメン、コモロ
非アラブ諸国(17カ国)
パキスタン、バングラデシュ、ベニン、トルコ、チャド、トーゴ、ジブチ、セネガル、シエラレオネ、ガボン、コートジボアール、モルジブ、マレーシア、ニジェール、ナイジェリア
「テロとの戦い」を掲げているので、戦う相手はイスラム国に限定されません。司令部はサウジの首都のリヤドに置かれ、そこで参加国間の調整や作戦の司令などを行うそうです。
うーん。。。
あまりにも突っ込みどころ満載すぎて、とてもこの軍事連合がリアルなものだとは信じられません。
まずそもそも、軍事連合結成!なんて言ってみたものの、当座やることはとりあえず情報収集なんだそうで、「必要があれば軍事作戦を実行する」とサウジの外相が言っていました。
各国間の情報共有は今までも行われてきましたし、「必要があれば」って既に相当必要がある状況だと思うのですが、これ以上どういう状況を想定しているんでしょうかねえ?
そしてこの加盟34カ国。
今日、サウジ資本のアラビア語ニュースチャンネルを見たら、昨日は34カ国だったのに、なぜか今日になって35カ国に増えていました。。。
ちなみに増えていたのはギニア。
この適当っぷりが、いかにもアラブです。
それにこの35カ国を見ると、イエメンやリビア、パレスチナといった、自国のことで手いっぱいな国が多数含まれています。
明らかに、とりあえず頭数を揃えて体裁だけ立派に整えてみたという、こちらも完全なるアラブ・スタイル。
しかもですよ、例えばエジプトのリアクションをみてみると、外務省の報道官が言っていたのは、「エジプトはテロとの戦いにはどんな努力も惜しまない」・・・って、いつも言ってることと同じじゃん?!
エジプトのシシ大統領は以前、アラブ連合軍を結成しよう!なんて呼びかけていたこともありました。
実際、本当にイスラム連合軍が結成されるとしたら、人的供給の面で最も期待されるのはエジプトです。
早速サウジの王様は今日エジプトを訪問し、シシに「今後5年間、エジプトへの石油供給と投資はうちにどーんと任せちゃって!」なんて言ってました。
とにかく、当座特に何もしない、というのがこのイスラム軍事同盟の現状です。
またこのイスラム軍事連合という名前が、とてつもなく気になります。
参加国には当然、イラン、イラク、シリアは含まれていません。
なぜかというと、これらはシーア派諸国だからです。
いや、よりサウジ的目線に立てば、これらはイスラム諸国ではないからです。
私なんかが説明する時には、イスラムってのは大きくスンナ派とシーア派にわけることができて・・・なんて言ったりしますが、これはあくまで傍観者的分類であり、多くのスンナ派ムスリムは世の中にシーア派というイスラムの一派が存在することをそもそも認めていません。
他方、シーア派はシーア派で自分たちが一番正しいと当然信じているわけでして。
何が言いたいかというと、これは「イスラム軍事連合」を名乗る「スンナ派軍事連合」だということです。
サウジが、とりあえず仲間とみなせる国をかきあつめ、俺が大将だからと宣言してみせたという、それだけのものにどうしても見えてしまいます。
さらに、記者会見でこの連合結成を宣言したサウジの国防相であるムハンマド・ビン・サルマーンという副皇太子ですが、一部ではこの連合結成はこの人の自己顕示欲の賜物にすぎないなんて言われてもいます。
この人は今のサウジの王様の子供で、まだ若干30歳。
副皇太子に昇格したのは今年の4月末のことです。皇太子は現在、彼の叔父にあたるムハンマド・ビン・ナーイフなのですが、王様は自分の息子であるムハンマド・ビン・サルマーンに王位を継がせるんじゃないかなんて言われてもいます。
実際彼は、この若さで副皇太子にして国防大臣、第二副首相、経済開発会議議長となんだかものすごいものをいろいろ背負わされており、本人もやる気満々のようです。
サウジのテロ対策担当はムハンマド・ビン・ナーイフのほうなのですが、彼は「俺ならイスラム世界全部まとめちゃえるぜっ!」とばかりに今回の宣言に踏み切ったというわけです。
叔父への牽制という、その意味もあるのでしょうね、きっと。
敵はダーイシュ(イスラム国)だけじゃなくて、テロ全部だ!とか言ったのもこの人です。
実際サウジ的には、イスラム国よりもイランやアサド政権のほうがよっぽど「テロ」なんでしょうし。
というわけで、イスラム軍事連合、現実性よりも虚構性のほうが色濃いというお話でした。
テロと戦うために世界のイスラム諸国が一致団結して戦うための連合だそうで、参加国は以下の34カ国です。
アラブ諸国(17カ国)
サウジアラビア、ヨルダン、バーレーン、スーダン、ソマリア、パレスチナ、クウェート、エジプト、カタール、UAE、レバノン、リビア、モロッコ、モーリタニア、イエメン、コモロ
非アラブ諸国(17カ国)
パキスタン、バングラデシュ、ベニン、トルコ、チャド、トーゴ、ジブチ、セネガル、シエラレオネ、ガボン、コートジボアール、モルジブ、マレーシア、ニジェール、ナイジェリア
「テロとの戦い」を掲げているので、戦う相手はイスラム国に限定されません。司令部はサウジの首都のリヤドに置かれ、そこで参加国間の調整や作戦の司令などを行うそうです。
うーん。。。
あまりにも突っ込みどころ満載すぎて、とてもこの軍事連合がリアルなものだとは信じられません。
まずそもそも、軍事連合結成!なんて言ってみたものの、当座やることはとりあえず情報収集なんだそうで、「必要があれば軍事作戦を実行する」とサウジの外相が言っていました。
各国間の情報共有は今までも行われてきましたし、「必要があれば」って既に相当必要がある状況だと思うのですが、これ以上どういう状況を想定しているんでしょうかねえ?
そしてこの加盟34カ国。
今日、サウジ資本のアラビア語ニュースチャンネルを見たら、昨日は34カ国だったのに、なぜか今日になって35カ国に増えていました。。。
ちなみに増えていたのはギニア。
この適当っぷりが、いかにもアラブです。
それにこの35カ国を見ると、イエメンやリビア、パレスチナといった、自国のことで手いっぱいな国が多数含まれています。
明らかに、とりあえず頭数を揃えて体裁だけ立派に整えてみたという、こちらも完全なるアラブ・スタイル。
しかもですよ、例えばエジプトのリアクションをみてみると、外務省の報道官が言っていたのは、「エジプトはテロとの戦いにはどんな努力も惜しまない」・・・って、いつも言ってることと同じじゃん?!
エジプトのシシ大統領は以前、アラブ連合軍を結成しよう!なんて呼びかけていたこともありました。
実際、本当にイスラム連合軍が結成されるとしたら、人的供給の面で最も期待されるのはエジプトです。
早速サウジの王様は今日エジプトを訪問し、シシに「今後5年間、エジプトへの石油供給と投資はうちにどーんと任せちゃって!」なんて言ってました。
とにかく、当座特に何もしない、というのがこのイスラム軍事同盟の現状です。
またこのイスラム軍事連合という名前が、とてつもなく気になります。
参加国には当然、イラン、イラク、シリアは含まれていません。
なぜかというと、これらはシーア派諸国だからです。
いや、よりサウジ的目線に立てば、これらはイスラム諸国ではないからです。
私なんかが説明する時には、イスラムってのは大きくスンナ派とシーア派にわけることができて・・・なんて言ったりしますが、これはあくまで傍観者的分類であり、多くのスンナ派ムスリムは世の中にシーア派というイスラムの一派が存在することをそもそも認めていません。
他方、シーア派はシーア派で自分たちが一番正しいと当然信じているわけでして。
何が言いたいかというと、これは「イスラム軍事連合」を名乗る「スンナ派軍事連合」だということです。
サウジが、とりあえず仲間とみなせる国をかきあつめ、俺が大将だからと宣言してみせたという、それだけのものにどうしても見えてしまいます。
さらに、記者会見でこの連合結成を宣言したサウジの国防相であるムハンマド・ビン・サルマーンという副皇太子ですが、一部ではこの連合結成はこの人の自己顕示欲の賜物にすぎないなんて言われてもいます。
この人は今のサウジの王様の子供で、まだ若干30歳。
副皇太子に昇格したのは今年の4月末のことです。皇太子は現在、彼の叔父にあたるムハンマド・ビン・ナーイフなのですが、王様は自分の息子であるムハンマド・ビン・サルマーンに王位を継がせるんじゃないかなんて言われてもいます。
実際彼は、この若さで副皇太子にして国防大臣、第二副首相、経済開発会議議長となんだかものすごいものをいろいろ背負わされており、本人もやる気満々のようです。
サウジのテロ対策担当はムハンマド・ビン・ナーイフのほうなのですが、彼は「俺ならイスラム世界全部まとめちゃえるぜっ!」とばかりに今回の宣言に踏み切ったというわけです。
叔父への牽制という、その意味もあるのでしょうね、きっと。
敵はダーイシュ(イスラム国)だけじゃなくて、テロ全部だ!とか言ったのもこの人です。
実際サウジ的には、イスラム国よりもイランやアサド政権のほうがよっぽど「テロ」なんでしょうし。
というわけで、イスラム軍事連合、現実性よりも虚構性のほうが色濃いというお話でした。



