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買収で抗鬱剤市場での地位を固めるフォレスト・ラボラトリーズ(FRX)

米国の抗鬱剤市場は処方箋数で年間2億プリスクリプションという巨大市場であり、米国の薬品業界にとって重要なセグメントです。このため多くの製薬会社が激しく競争しています。

フォレスト・ラボラトリーズ(ティッカー:FRX)は時価総額約90億ドルですから薬品会社の中では小型の部類に入ります。

しかし「セレクサ」、「レクサプロ」などのヒット薬で抗鬱剤の市場では一定の存在感を持っています。

問題は現在の主力薬である「レクサプロ」が同社の売上高の60%を占めており、それが2012年にパテント切れになってしまうという点です。

さらにアルツハイマー型認知症の薬、「ナメンダ」の米国における独占販売権が2015年に切れます。「ナメンダ」はフォレストの総売上高の30%を占めています。

つまり同社の売上の実に90%を上記の2つの薬に依存しており、そのいずれもが近く独占権を失うという状況に直面しているわけです。

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これが足元の業績が良いにもかかわらず、PERで僅か7.9倍程度のバリュエーションで取引されている理由です。

フォレストは新薬のパイプラインを充実させるために2月22日にクリニカル・データ(ティッカー:CLDA)を12億ドルで買収すると発表しました。

クリニカル・データは1月にFDAから抗鬱剤「バイブリッド」の承認が下りたばかりです。

この買収はクリニカル・データにとっても、フォレストにとっても理に適ったM&Aだと思います。
なぜなら新薬をマーケティングしてゆくためには自社の営業隊が必要であり、クリニカル・データには自前でおおきな営業組織を賄うだけの財務力が無いからです。

一方、フォレストは「セレクサ」や「レクサプロ」で培った営業組織や販路があるわけですが、近く主力薬がパテント切れになるので、急いで売る商品を手当てする必要があったからです。

今回の買収でフォレストは手元キャッシュ30億ドルのうち約半分を使いきってしまうことになります。(同社は無借金経営です。)

従って、現在進行している自社株買い戻しプログラムが途中でストップするのではないか(=会社側は今後も続けると言っています)という懸念が出たり、2012年にかけてのダイリューション(=EPSが悪くなること→約65¢程度下がります)を嫌気する投資家も居ます。

しかし同社にとっては「売るものがなくなる」というのっぴきならない状態を回避するために今回の買収はどうしても成功させなければいけないプロジェクトだし、これによってフォレストの将来の不確実性は大幅に下がるものと考えられます。

同社は抗鬱剤をきちんとマーケティングしてゆくというトラック・レコードは凄く良いので、今回もきっと「バイブリッド」を上手く軌道に乗せることは可能だと思います。

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