記事

淡路島+横須賀=バーレーン

バーレーン情勢がいよいよ原油価格に影響を与え始めています。

鈍感な投資家もようやくこの島国で起こっている事の含蓄の大きさに気付きはじめているという塩梅です。

バーレーンは大きさから言えば淡路島をひとまわり大きくした程度の国で、人口も123万人しか居ません。

でもここは米国の第5艦隊の基地があるところです。

その意味では第7艦隊の基地がある横須賀と似ています。

なぜそれが重要かと言えばアラビア湾(イランではペルシャ湾という言い方をします)の安全保障のために第5艦隊の存在は重要な役割を果たしているからです。

アラビア湾の入り口はホルムズ海峡と呼ばれ、ここが封じられると世界の原油供給の20%が失われます。

イランはこの事実が持つバーゲ二ング・パワーを最大限に生かしつつ、常にアラビア湾での安全保障に対してプレッシャーをかけているのです。

バーレーンはあと10年以内に石油が枯渇します。

このため「中東の金融センター」を目指して脱石油政策を1980年代から進めてきました。しかし最近ではドバイなどの強力なライバルが登場しているので「金融センター」経済モデルの将来性には大きな疑問符が付いています。

(これはちょうど中国の登場で輸出立国を目指す日本のビジネス・モデルが足元から崩れた状況と酷似しています。つまりバーレーンという国にはもう長期で国をどう発展させてゆくかのロードマップは無いのです)

足許の財政状況は?と言えば、国民の歓心を買うためにバラマキ政策を強めており、「最後の一滴の石油」への依存は高まるばかりです。

このような台所事情なので当然、自前では国防のための軍隊を整えることは出来ないし、その意味で第5艦隊の存在はバーレーン政府にとって重要です。

しかしバーレーンの国民の7割はイランと同じシーア派であり(その昔、バーレーンはペルシャ、つまりイランの一部でした)、為政者のアル・カリファ家はスンニ派なので、所謂、少数支配の構造となっているのです。

こうしたことからバーレーンはサウジアラビアに代表されるスンニ派とイランのシーア派の2つの勢力が角逐する、「代理戦争の舞台」となっていると言う事も出来るでしょう。

エジプト革命がアラブ諸国の国民に希望と興奮を与えたことは間違いありませんが、中東の各国でいま起きている民衆の蜂起が全て「民主主義が欲しい!」という純然たるキモチから沸き上がった草の根運動であるかどうかについては僕は懐疑的です。

たとえばバーレーンの場合、イランのクォズ・フォース(Quds Force=イラン革命親衛隊工作部隊)の工作員が当然潜入していると思われますし、ひょっとすると今回のデモ行進を裏で煽っている可能性もあります。

言い方を変えればエジプト革命はグーグル・エジプトのワエル・ゴーニムなどの世俗的(=つまり政教分離)な運動家が起こしたFacebook革命という性格を持っていたわけですが、ひょっとするとバーレーンの反政府運動は各国の諜報員が暗躍する前世紀的かつ古色蒼然とした、きわめて中東らしいバトルである可能性も捨てきれないのです。

ことバーレーン情勢になるとヒラリー・クリントン国務長官の談話の歯切れがむちゃくちゃ悪くなる理由はここにあります。

トピックス

ランキング

  1. 1

    橋下氏 任命拒否の教授らに苦言

    橋下徹

  2. 2

    田原氏 野党は安易な反対やめよ

    たかまつなな

  3. 3

    iPhone12かProか...売り場で苦悩

    常見陽平

  4. 4

    コロナ巡るデマ報道を医師が指摘

    名月論

  5. 5

    学術会議に深入りしない河野大臣

    早川忠孝

  6. 6

    コロナ禍も国内工場は異常な強さ

    PRESIDENT Online

  7. 7

    すすきの感染 酒飲みにうんざり

    猪野 亨

  8. 8

    感染リスク高い5つの場面に注意

    赤池 まさあき

  9. 9

    数字を捏造 都構想反対派の欺瞞

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

  10. 10

    韓国人記者に聞く日韓サッカー観

    森雅史

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。