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対IS戦略の考え方

今日の横浜北部は朝から快晴です。

さて、前々回の放送(http://www.nicovideo.jp/watch/1449468379)でも触れましたが、ISの倒し方についてはまさに百家争鳴、実にさまざまな人が、実にさまざまな方策を述べております。

すでに紹介した記事は、すでに前のエントリーでも要約を掲載した「IS倒し方の1つの方法」を提案したものなのですが、その内容を簡単にいえば、

ISを倒すには現在オバマ政権がやっているような空爆だけで十分であり、あとは自ら手を下すことなく、ひたすら自滅するのを待て

というもの。

この戦略を、記事の著者たちは「封じ込めプラス」(Containment Plus)と名づけて提唱しているわけですが、この議論に関して私が感じたことは以下の3つの点です。

1つ目は、これが戦略を計画する際の考え方としての「王道」を教えていることです。

ではその「王道」とは何かというと、知り得るところから情報を最大限引き出して相手を研究するということです。

たとえば著者たちはこの記事の中で、「われわれはとかく<知らないこと>にばかり焦点を当てがちである」と述べているわけですが、彼らが逆に提案しているのは、すでに「知っていること」を洗い出すこと

わかっていることをわかっていることとして整理することは、戦略を考える上で最も大切な最初のステップです。

2つ目は、その「わかっていること」を元に、われわれの側の見方や認識を変えることを提唱していることです。

たとえば著者たちは、ISを「国家」であると捉えようとしており、そうすると彼らの忘れられがちな弱点(資金、人材、体制、3正面での戦争)が浮き彫りになるということを述べております。

たしかに「国家」として見方を変えれば、ISもそこまでミステリアスな存在ではなくなり、対抗していくためのな戦略を理性的に考えられることになります。

そして3つ目は、自ら手を下すことなく自滅に追い込むことを提唱しているという点。

こうすることによって、彼らの過激な「カリフ国」を建設する際のカギとなる「イスラム聖戦主義・過激主義」(Jihadism)という政治思想の正統性(レジティマシー)も、ISの自滅と崩壊と共に崩れ去ってしまうからです。

彼らによれば、この典型的な例がソ連であり、アメリカは図らずもソ連を冷戦末期に自滅に追い込み、それと同時に共産主義思想の正統性まで破壊したわけです。

ところがアメリカはこの時に自ら直接、ソ連・共産圏の崩壊に手を貸したわけではないので、それで冷戦後に恨まれたというわけではありません

もちろんこの「ISを封じ込めて自滅に追い込む戦略」というのは、ただ単にソ連を崩壊に追い込んだアメリカの成功体験をマネしているだけだ、という批判もできそうですが、1つの「理想的な戦略」としては合理的な考えにもとづいたものであると言えそうです。

この「封じ込めプラス」ですが、そこまでうまく実行できるかどうかは、実は誰もわかりません。なぜならクラウゼヴィッツが言うように、戦略というのはシンプルなのですが、その実行はむずかしいからです。

それが人道的なものかは別として、今回紹介したこの記事は、戦略の考え方や理論の立て方を明示している点で、とても参考になるものではないでしょうか。

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