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なぜ新聞だけなのか

きょう(12月15日)の自民党税制調査会で怒りを込めて、こう発言しました。

 元新聞記者だからこそ言いたいことがあります。消費税を10%に引き上げる際の軽減税率の対象について、食品とともに新聞が入っていますが、理屈が分かりません。新聞は「低所得者の日々の生活における必需品」であり、その購読料の負担は逆進的(低所得者に相対的に重い負担)だとの説明がありました。

 では軽減税率の対象となっていない電気やガス、水道は生活必需品ではないのでしょうか。衣類も布団も生きていくのに必要です。「新聞を通じて活字文化の保護をしなければならない」という意見もありますが、ではなぜ有料の新聞電子版は対象ではないのでしょうか。活字文化を持ち出すのであればノートや鉛筆、筆だって対象にした方がいいかもしれません。

 このように言い出したらキリがないから、いろんな意見があるかもしれないけれど食品だけを対象にすると政治決着したのだと認識しています。食品以外はすべて認められず、新聞の消費税だけが軽減されることに多くの国民の理解が得られるのでしょうか。

 これは新聞業界にとってもいいことではないはずです。「新聞は政治力を使って軽減税率をごり押しした」と批判されれば、新聞への信頼に傷がつきます。

 私は約9年記者をしました。多くの記者は日夜、体力をすり減らして必死で取材し、記事を書いています。政治家にとって都合のいい記事ばかりではありません。「偏っているんじゃないか」「見方が間違っている」と感じる時もあります。しかし、新聞が政治権力と距離をおき、信ずるところを自由に報道しているからこそ、国民・読者から一定の信頼を得ているのだと思います。「新聞は国から税金をまけてもらっている」と後ろ指を指されて一番辛い思いをするのは現場の記者です。

 これはあくまで元新聞記者たる私の意見です。国民の多くの方が「ぜひ新聞の軽減税率をやるべきだ」と言うのなら、対象に含めていいと思います。しかし、国民の関心が食品の軽減税率の線引きに集中している時にドタバタと決めるべきでありません。「書籍・雑誌」の扱いが「引き続き検討」となっているのであれば、新聞についても引き続き検討すべきはないでしょうか。

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