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子どもの貧困とアルバイト

今や日本の子どもの6人に1人は相対的貧困にあるなか、「子どもの貧困」の問題は社会的に大きなイシューとなっている。そのなかで、子どもの貧困問題の議論で見落とされているのは中高生のアルバイトについてだ。私自身もそうだったが、貧困家庭では学費や生活費を賄うためにアルバイトをせざるを得ない場合が多い。あしなが育英会の調査によると、奨学金貸与している高校生のうちアルバイト経験があるのは36.6%にのぼる。

使途は、「おこづかい」が最多の72.0%だったほか、「貯金」41.8%、「通学・部活など学校の費用」41.2%、「ケータイ代」33.9%、「家庭の生活費」25.3%、「学習塾や進学の費用」9.1%と続いた。おこづかいも家庭でもらえない分、自分で働いて稼いでいるというケースが多いであろうことは想像がつくが、学校の費用や家庭での生活費のためという割合も少なくない。

日本の多くの高校生たちがこういった現状のなかにいるにもかかわらず、多くの学校、特に普通科ではバイトが禁止されているケースが多い。遊ぶためにバイトをして、非行に走ってしまうことを懸念しているのだろうが、必要に迫られて行っている生徒を無視した制度と言わざるをえない。

私もそうだったが、校則に違反して先生に内緒でやっていると、なんだか悪いことをしているようで複雑な気持ちになる。私は野球部を途中で退部して、家計を支えるために毎日うどん屋で皿洗いやウェイターのバイトをしていたが、部活と同様にバイトでも、社会の仕組みや人間関係、効率的な仕事の仕方、忍耐し継続することの大切さなど様々なことを学ぶことができた。

高校生が取り組むアルバイトの経験が、部活やボランティアなどと比べて劣るものとは思わない。にもかかわらず、部活やボランティアは推奨され、評価されるのに、バイトは禁止され後ろめたいことに位置づけられている。私は、アルバイトの経験も部活やボランティアのように評価され、推薦やAO入試にも自己PRの材料として位置づけられるべきだと思う。そうでなければ、近年拡充されているAO入試は富裕層のための入試制度となってしまう。

もちろん、アルバイトをせずとも学業や部活動に集中できるように、貧困家庭に経済的支援をすべきだという意見もあろう。児童労働の考え方にも相反するかもしれない。しかし、すべての貧困家庭に十分に支援できるだけの財源が確保できるかどうか不透明ななか、現実としてバイトをしながら学費や生活費を賄う学生たちを、学校や社会がしっかりと認め、評価することも同時に重要であるように思う。そして、大学生のインターンのように、アルバイトを通してより有意義な社会経験、就業経験ができるようなメニューや機会を増やしていく取り組みも必要だろう。

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