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シニアの新定義

先日あるところで「シニアが幸せに暮らせる方法」なる講演をしたのですが、その際、改めて思ったのが元気なシニアとそうでないグループであります。元気なグループはどんどん外に出ていきますが、そうではない人たちは家にこもりがち、そんなピクチャーが見えてきます。ある程度の歳になると体にガタが来てそれを理由に出るのが億劫になるのですが、周りが誘い出すと仕方なく重い腰を上げる、それが続けば腰はだんだん軽くなる、そんな気がいたしました。

私が今、ビジネスディールしているあるカナダ人の大物は御年80ウン歳であります。が、かくしゃくとし、北米中で強い影響力を駆使しながらいつの間にか信じられないほど大きなビジネス規模に成長してました。彼とは25年来の付き合いですが、かつて何度もビジネスの話は流れています。が、今回はついに握手をするかもしれません。そう思ったのは彼の仕事に対するあくなきパッションに意気投合したからでしょうか?それほどの「大物」なのに最後に秘書をつけたのは1991年でそれ以降はなんでも自分でやる主義。先日も彼のオフィスに伺った時、「世界一のコーヒーを作ってあげよう」と豆をその場で挽いてもらったエスプレッソコーヒーは元カフェのオーナーである私をも唸らせました。

先日、シアトルからやってきたこちらも昔からの友人が開口一番に報告してくれたのが「新しい店を出しました」。その彼は74歳。彼のビジネスパートナーも74歳。その歳になれば普通、いつ店を閉めようか、という方がほとんどだと思いますが、この方々は新規オープンしているんです。私には衝撃的事実でしたが、衝撃はそれにとどまりませんでした。奥様がご一緒だったのですが、奥様もそれに刺激されてか、「私も新しいアイディアの店をやります」とおっしゃるのです。奥様の年齢は存じ上げませんが、いわゆるシニアの常識を完全に覆したと言ってもよいでしょう。

日経ビジネスに日野原重明氏の連載が始まりました。氏は既に104歳、でも今でも聖路加国際病院名誉院長であります。その氏の「新老人の会」は60歳未満がサポート会員、74歳までが「ジュニア会員」で正規の会員は75歳からだそうです。かつて定年が55歳や60歳だった時代から平均寿命が延びるとともにシニアになれる歳も当然伸びていることがうかがえます。日野原氏のこの定義からすれば少なくとも75歳まではシニアではないわけでバリバリに活動できるはずなのです。医者がそういう定義をするのですからそう信じるべきです。ちなみに日野原氏の記事の横に何気なく書いてある「今週のことば」がまた素晴らしいのです。「新しく始めるということを忘れてしまわないならば老年というのは一つの素晴らしい事柄である」(マルティン ブーバー)と。

日経電子版に「定年後起業にも通じるジョブズ氏の金言」という記事があります。このポイントはサラリーマンの夢の実現は定年後にあり、ということに読めます。会社勤めでは自分のやりたいこと、意思は組織の中で実現できないことがほとんどでしょう。その夢を定年してから追求してはどうか、ということなのです。年金ももらえる歳だからこそ、起業したビジネスが特段すぐに儲からなくてもよいと考えればなるほど、定年起業は日本の社会にはもってこいの発想だと思います。

私は自分が講演した中でシニアが元気であるためにはコミュニケーションをより深め、参加する意識を高めることが必要と述べました。人と接することはより高い刺激が生まれ、何かやってやろうという気にさせるのです。なかなか一人ではできない、だけど仲間がいるということはとても大事なのです。元気なシニアの増加は病院通いの減少で社会保険料の減少にもつながり、社会貢献をすることにすらなるのです。

シニアが「昔の杵柄」をもう一度思い出してやってみる、それをビジネスにしてもよいし、昭和の良き時代を復活させてもよい、若い人に伝承してもよい、いろいろあると思います。また世の中はどんどん変わってきています。「もうついていけない」と言わずに最先端を行ってやるぐらいの勢いが欲しいところです。

こう言っては何ですが、歳をとると寝る力が無くなるので夜中に目を覚ます方はかなり多いようです。それを利用してでしょうか、夜中にいろいろ作業する話を聞いたり、明け方発のパソコンの長いメールを頂戴したりすることがしばしばあります。寝られない苦痛をポジティブに転換する例だと思います。夜中は静かでいいよ、とメールに書いてあると「楽しそうだな」と思わず笑ってしまうのです。シニアの社会も前向きになれば幸せだと思いませんか。

では今日はこのぐらいで。

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