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証券取引法を骨抜きにするゴールドマンのFacebook出資 シリコンバレーの堕落は続く

今日発表されたゴールドマン・サックスによるFacebook出資はとんでもないズルいディールです。

ニューヨーク・タイムズによるとゴールドマンは4.5億ドルをFacebookに出資し、以前からのインベスターであるロシアのデジタル・スカイ・テクノロジーズ(=Mail.RU)があと5000万ドル出資するそうです。合計5億ドルになります。

今回のディールはFacebookの時価総額を500億ドルと評価しています。

さて、今回のディールで僕が気に入らなかった部分はゴールドマンは出資するにあたってSPV(特別目的会社=ヘッジファンドのようなもの)を組成し、これを経由してFacebookに投資するという点です。

これだとSPVへの投資を99人(=だと思います)まで許せるわけですから、Facebookに投資したいと考えていた投資家は「ゴールドマンの傘の下に入ることで」このSPVファンドを経由してFacebookに投資できるわけです。

なぜこんな回りくどい方法をするかといえば非上場企業の投資家数が499を超えてしまうと株式公開をしなければいけないという米国証券取引法のルールがあり、Facebookはだんだんこの限界の数字に近付いているからです。

昔からFacebookに勤務している社員は今後、ストックオプションのべスティング(権利発生)で株を売れるようになるので、その株を買ってくれる「受け皿」が必要になります。ゴールドマンは自社のSPVを通じて「買い手を斡旋する」ことができるわけです。この「外部投資家枠」は10億ドルあると言われています。

上に書いた仕組みはFacebookが非公開企業であり続けられることを保証する「抜け道」であり、ゴールドマンはこれを提供することでFacebookにも恩を売れるし、自分のファンドを経由してFacebookに投資しようとする投資家にも貸しを作ることが出来ます。言わば「未公開株私設取引所」を店開きするのと同じです。

なおこのようなゲートキーパー(門番)的な役割を創り出すことはヘッジファンドの世界では昔からファンズ・オブ・ファンズなどがやってきたことで珍しくありません。その場合の投資対象はジョージ・ソロスのクウァンタム・ファンドのような人気の高いヘッジファンドでした。今回のディールの違う点は投資対象が人気ファンドではなくFacebookという企業だという点です。

なおSPVを経由してホットなFacebook株へのアクセスを特定の裕福層にだけ確保するというやり方はドットコム・バブル時代の「スピンデスク(=ホットなIPOを裕福層に特別に配ることで将来のビジネスを貰う約束をすること)」のやり口に酷似しています。

言うまでも無く上等な人間のやることではありません。

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