記事

神戸震災借り上げ住宅被災者――追い出し「合法化」図る

阪神・淡路大震災の被災者が暮らす借り上げ住宅からの追い出しを巡って紛糾が続く兵庫県神戸市で、今度は市営住宅条例の改定で転居強要を「合法化」し、加速する動きが表面化して緊迫の度を増している。

今夏の条例改定(案)への意見募集(パブコメ)で、短期間に殺到した800件近い反対意見を無視して、9月議会で可決。さらに、詳細を規定する施行規則への意見表明も考慮せず、来年1月1日付で施行に持ち込む構えだ。

神戸市では、(1)満85歳以上(2)要介護3~5(3)重度障害者――などに該当する移転困難者に、継続入居を認めるための改定、という。だが、この基準は話し合いで決めたものではなく、一方的で、「希望者全員の継続入居」を求める住民側の不満は大きい。

また、移転先を予約すれば、最長5年間の移転猶予を認める「完全予約制」も、「小規模か高倍率の団地を予約する時は、3カ所以上の申し込みを求める」とあっては、「確実に転居に追い込むための罠」と、不信感が噴出。さらには、転居方針に従わなければ「借り上げに要した費用を請求する」など、高齢・低所得者が圧倒的な入居者への恫喝・脅迫的な内容も盛り込まれている。

神戸市の借り上げ住宅は当初、3852戸。建設が需要に追いつかないため、UR(都市再生機構、旧日本住宅公団)や民間にも協力を要請して、その建設分を借り上げ、市営住宅として運営してきた。当時の民法では、20年以上の契約ができなかったため、再契約などで対応し、“恒久住宅”として運営するのが基本方針だった。だが、5年ほど前、第2次市営住宅マネジメント計画で公営住宅の削減方針に転じ、追い出しを推進。9月末現在で2066戸まで減らし、空室分の“カラ家賃”をも支払いつつ、転居強要の暴走を続けている。

(たどころあきはる・ジャーナリスト、11月27日号)

あわせて読みたい

「阪神・淡路大震災」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    「2021年になって未だに?」 NHKきっかけに日本のFAX文化が世界に 海外からは驚きの声

    BLOGOS しらべる部

    07月29日 17:14

  2. 2

    都の感染者が3865人のからくり 検査数が増えれば陽性者数も増える

    諌山裕

    07月30日 13:07

  3. 3

    不気味に大人しい小池百合子知事、目線の先にあるものは…?ワクチンの集中要請と追加経済対策を急げ

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

    07月30日 08:12

  4. 4

    五輪で弁当4000食廃棄にショック 河野大臣も驚きのけぞる

    柚木道義

    07月30日 10:28

  5. 5

    もう、オリンピック・ムードに浸り続けるのは無理なんじゃないかな

    早川忠孝

    07月30日 08:37

  6. 6

    感染爆発の震源地 選手村のPCR検査は極めてズサンだった 

    田中龍作

    07月30日 09:14

  7. 7

    ニュースの見過ぎで疲れた人にすすめたい「ニュース・ダイエット」

    御田寺圭

    07月30日 10:35

  8. 8

    「ここまでのコロナ対策が失敗だったと認めた方がよいのではないか」杉尾秀哉議員

    立憲民主党

    07月29日 19:13

  9. 9

    コロナ感染急拡大で日本医師会が緊急声明、全国への宣言検討を

    ロイター

    07月29日 20:40

  10. 10

    列車内での飲酒について、JR北海道から回答「お客様に強制することは大変難しい」

    猪野 亨

    07月29日 10:28

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。