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2016年はIoTのためのMVNOが加速するか

9月の経済財政諮問会議における携帯電話の料金に関する安倍晋三首相の発言を受けて、利用者の負担を減らす方策を話し合うために10月に発足した総務省主催の有識者会は、4回の会合を経て、端末の「実質0円」や販売価格を超える「キャッシュバック」そして系列販売店に払う「販売奨励金」の制限などを盛りこむ方向で提言をまとめ、それを受けて高市早苗総務相が12月18日に料金の引き下げ策を公表するという。(10日 朝日新聞デジタル

この提言とは別の動きとして、高市早苗総務相が第4回の有識者会議で、「MVNOサービスの低廉化につながるように、加入者管理機能の開放についての事業者間協議のさらなる促進を図るということで、パブリックコメントを行いたい」との方針を示した。加入者管理機能の開放とは、MVNOが、電話番号と端末識別番号、所在地情報等を管理するデータベース(HLR/HSS)の独自運用や電話番号の発行ができるようにすることを意味する。
総務省は、「MVNOに係る電気通信事業法及び電波法の適用関係に関するガイドライン」の改定案のうち、「開放を促進すべき機能」に関して、「ICTサービス安心・安全研究会 携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」における議論を踏まえ、「開放を促進すべき機能」(案)を作成いたしました。 つきましては、同案について、本年11月28日(土)から同年12月25日(金)までの間、意見を募集します。
総務省ホームページ) 
「開放を促進すべき機能」とは、アンバンドル機能(接続料を設定すべき機能)に該当しない機能でも、一定の要件を満たす場合は、接続又は卸役務による提供が望ましいため、事業者間協議の更なる促進を図るものとして定める機能のこととされ、以下の5項目が挙げられている。
  1. 料金情報提供機能
  2. 携帯電話のEメール転送機能
  3. パケット着信機能
  4. 端末情報提供機能
  5. HLR/HSS連携機能
このガイドラインは、5月22日に公布された「電気通信事業法等の一部を改正する法律(平成27年法律第26号)」の施行(1年以内)までに整備しなければならない省令やガイドラインの一つになる。

現在、MVNOが独自の料金プランを設定できるのは、自社設備を携帯キャリアのネットワークに接続したデータ通信についてだけだ。通話料金については、電話回線ネットワークとHLR/HSSを保有する携帯キャリアから、通話料に応じた従量制の料金プランしか提供されていない。そのためMVNOは、携帯キャリアのような家族割りや定額プランを提供することができない。

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HLR/HSS連携機能の開放が実現すれば、MVNOが独自の音声通話割引サービスを提供したりするなどの自由度が拡大するだけでなく、MVNOが海外のキャリアに対応した独自のSIMを発行したり、複数のキャリアのネットワークを使い分けたりするサービスが可能となる。

この有識者会議の目的は携帯通信料金を下げることであり、会議でもIoTについてはほとんど議論されていない。しかし、HLR/HSS連携機能が開放されることによって、MVNOが独自のSIMを発行できるようになることは、日本のIoT関連事業にとっての意味は大きい。

続きは少し先になるが、12月20日頃発売の月刊Wedge 2016年1月号のWedge Reportで。MVNOのフロンティアである日本通信の福田社長と、注目が集まるクラウドMVNOのソラコムの玉川社長にもお話をお伺いした。

記事の更新はTwitter (@kyosukek)でお知らせします。お問い合わせやご相談は、contact に @ibornb.red をつけたアドレスまでメールでお寄せください。
川手恭輔(Internet Born & Bred)

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