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音楽ストリーミング「Songza」「Beats Music」終了。2015年に消えた音楽スタートアップが残した功績と影響

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ユーザーの好きなアクティビティや気分に合わせたプレイリストをレコメンドする、パーソナルラジオ型の音楽ストリーミングサービス「Songza」がサービスを終了します。サービス停止は2016年1月31日。

サービス停止はグーグルのSongza買収による統合が完了したことを意味しています。昨年夏にグーグルは、プレイリストとコンテクストに注力した音楽サービスとして、第一人者的存在のSongzaを買収、約3000万ドルを支払ったと言われています。

それ以降Songzaの機能と技術はグーグルの定額制音楽サービスGoogle Play Musicに導入され、「Concierge」などの機能として提供されています。

サービス停止に伴い、買収時に約550万人と言われたユーザーはGoogle Play Musicに移行を行うか、別のサービスに移ります。

Songza最大の特徴は、音楽のプロがキュレーターとなって、リスナーが好きな「コト」や気分、時間帯によってパーソナル化されたプレイリストで音楽を届けてくれるサービスとして知られていました。「キュレーション」や「ヒューマン・レコメンデーション」「コンテクスト・プレイリスト」は、Apple MusicやSpotifyなどの大手ストリーミングサービスも注力している要素を、いち早く組み込んだSongzaが音楽ストリーミングの分野に残した影響は無視することはできません。

グーグルは自社のGoogle PlayブランドとYouTubeブランドの両軸で音楽ストリーミングのビジネスに参入しています。この組み合わせによってグーグルは音楽、動画の配信に加えて、Songzaが提供するラジオ型型音楽ストリーミングも提供可能になったことで、配信機能の面では他社と競争できるまでに多様化させてきました。

しかしどんなに機能が充実しても、コンテンツがなければ、長期的に使ってもらうサービスにはなりません。リスナーが気になるところは、やはりコンテンツがどれだけ充実して、適切なアプローチで提供されるか、という点に議論が集まっています。特に日本のようなストリーミング後発国では、ローカルコンテンツの拡充で新規ユーザー獲得を囲い込む戦略が一つの差別化要因になっています。またアップルやSpotifyは、ビッグネーム・アーティストの新作を独占で配信する戦略で、ユーザー獲得を狙いつつマスにリーチできるマーケティング機能も実践しています。

Beats Musicをアップルが停止

アップルも、Apple Musicの原型となった定額制音楽ストリーミングサービス「Beats Music」を11月30日に停止することを発表しています。

Beats Musicはアップルが2013年にヘッドフォンメーカーBeats Electronicsと合わせて買収した音楽サービスで、音楽のプロフェッショナルによるヒト型のキュレーションとプレイリスト生成を売りとしたサービスでした。

アップルはBeats Musicの9.99ドル月額プランを利用していたユーザーに対して2016年1月16日まで、プレイリストや設定などの音楽データをApple Musicに移行させる期間を設けています。Beats MusicユーザーはApple Musicで3カ月の無料トライアルを利用することができます。

6月のサービス開始から3カ月が経過した10月に入ってアップルCEOのティム・クックは、Apple Musicが世界100カ国以上に広がり、1500万人のユーザーを獲得して、650万人が有料会員であることを明らかにしました。

買収でアップルがBeats Musicから得たものは、業界でもっとも影響力ある音楽プロデューサーの1人、ドクター・ドレーと、メジャーレーベルのトップを長年務めてきた経営者ジミー・アイオヴィン、クリエイティブを担当するナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーをアップルの社内に迎え入れることが大きくサービスの行方に影響しています。

同時にアップルはBeats Musicが提唱し実践してきた、音楽のプロによるキュレーション機能のノウハウも獲得。Apple Musicも同様に人によるキュレーションで生成されたプレイリストを売りにしています。

RdioはPandoraへ

以前はSpotifyとも競合していた、アメリカの定額制音楽ストリーミングサービス「Rdio」(アールディオ)は、11月破産申請を行い、事業を停止することが発表されました。

定額制音楽配信の「Rdio」が破産を申請し事業を終了。Pandoraが資産を7500万ドルで取得

モバイルアプリのデザインなど製品のクオリティには一定の評価が高かったRdioですが、Spotifyやその他の競合にユーザー獲得戦略で対抗できる要素が少なかったため、大きく普及することのないまま終了してしまったことは残念です。

Rdioの資産は、ネットラジオでは米国最大のPandoraが買収すると発表。この資産の中には、Rdioの技術や特許も含まれており、Pandoraはこれまでのラジオ型音楽ストリーミングに加えて、オンデマンド型の音楽ストリーミングを早ければ来年にも始める準備に向けてRdioの技術を求めていたという説があります。

PandoraもApple MusicやSpotifyが同じラジオ型のサービスを提供する以上、決め手となるビジネスモデルでライバルと競争することが必要とされてくるほど、これまで安泰だったPandoraも方向転換を求められる時代になりました。

2015年はSongza、Beats Music、Rdioの他に、Music Unlimited(ソニーはSpotifyと共同でPlayStation Musicを2015年3月に開始)、Xbox Music(Groove Musicにブランド変更)と大手企業が運営するサービス2つが消えて、方向転換を余儀なくされました。

今後の音楽ストリーミングサービスの領域における状況は、これからも新たな機能や人材、ノウハウを求めて音楽スタートアップの買収が活性化していきそうな勢いです。少し前には、アルゴリズムやレコメンデーションを強化するビッグデータ解析の企業(Echo Nest、Next Big Sound)が次々と買収されました。そして去年や今年にかけては、キュレーションやプレイリスト生成に長けたスタートアップの買収が相次いでいます。SongzaやBeats Musicなどの存在と、大手企業による買収という成功は、今後も続く流れになるに違いありません。これは、多数の音楽スタートアップにとってもビジョンに基づいた技術を追求しやすくなる良いサイクルとして、音楽業界全体に影響を与えてくれる気がします。

ビジネスモデルがフリーミアムや有料課金、広告ビジネスのいずれかにフォーカスが置かれている現在、クリエイターへのロイヤリティ分配や音楽の価値に対する議論は引き続き続いています。しかし、音楽ストリーミングの分野では、音楽スタートアップのニッチな領域に特化した技術やビジョンが今後のトレンドとなる革新を引き起こして、大手企業のプラットフォームによってそれらが大きく開花し始めています。音楽スタートアップが、今後の音楽ストリーミングの方向性を一番理解している存在と言えるかもしれません。

ソース
Google Integrates Songza Streaming Service Fully Into Play Music(Re/code)

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