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- 2011年10月28日 07:28
定点観測〜米7-9月GDP
10月27日に米商務省BEAは7-9月GDP速報値を公表した。実質GDPは前期比年率2.5%の伸びとなり、1-3月の0.4%、4-6月の1.3%の伸びからそれぞれ加速した。以下は米国GDPの成長率とGDP寄与率の推移である(出所:BEA)。
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在庫変動を除いたベースで国内需要の動向を示す、国内最終需要は+3.2%に加速、GDPデフレータは+2.5%となった。GDPを大きく押し上げたのが個人消費であり、前期比年率2.4%の伸びとなり、GDPに対して1.72ポイントの寄与となっている。うち耐久消費財の伸びは4-6月期の-5.3%の伸びとマイナスであったが、7-9月期はその反動もあり、4.1%の伸びとなった。自動車の販売は2011年4-6月期に年率で25.5%の減少となっていたが、7-9月期には3.3%の減少となっており、東日本大震災後のサプライチェーン障害から自動車の販売が一時的に低迷したが、その影響も解消されてきている。また、サービスも前期比年率で2.4%の伸びとなっており、7-9月期の個人消費は概ね堅調だったことが示唆された。但し、実質可処分所得は1.7%減少しており、今後の動向は気にされるところである。設備投資においては、構造物投資が13.3%の伸び(0.34ポイントの寄与)、機器・ソフトウェアが17.4%(1.2ポイントの寄与)の伸びとなった。7-9月期も設備投資は成長のドライバーとなっていたことが裏付けられている。しかし、ベージュブックにもあるように、金融市場の緊張などにより、先行きの経済や需要見通しに不確実性が高まってきており、一部では設備投資計画の見直しを行なっているとの指摘もあり、今後の動向は流動的である。民間住宅投資は2.4%の伸びとなり、0.05ポイントの寄与となった。住宅投資に関しては7-9月も僅かにプラスでしかなく、回復が弱いことを示している。在庫変動はGDPを1.08ポイント押し下げる結果となった。在庫変動は2四半期で減少している。夏場の金融市場の緊張により先行き経済に不透明感が漂ったことから、在庫投資を積極的に行わなかった可能性がある。今後先行きに楽観ムードが広がれば在庫復元の動きも予想されることから、成長率を押し上げる可能性もある。輸出は4.0%の伸びであったのに対して輸入は1.9%の伸びとなり、ネット輸出入は0.22ポイントのプラス寄与となった。貿易赤字が縮小していることを受け輸出入でプラスの寄与となった。政府調達は0.0%の伸びとなり、連邦政府が0.16ポイントのプラス寄与だったのに対して地方政府が0.16ポイントのマイナス寄与となり、相殺した格好となっている。地方政府の支出については5四半期でGDPにマイナス寄与となっており、財政難から投資を抑制している動きが継続している。
コアPCE価格指数は4-6月期の2.3%の伸びから2.1%の伸びに鈍化した。4-6月期は原油高や他のコモディティ高の影響により、物価が押し上げられインフレ率も上昇したが、商品市場がピークアウトしたことでコストプッシュの圧力が緩和されたことから、PCE価格指数もモデレートなものとなった。今後も需要は引き続き鈍いものの、商品市場の動向により振らされる展開が続くものと思われる。
7-9月期のGDPは個人消費や設備投資が押し上げる形で堅調に推移していた。今後については、先行きの経済や需要見通しによって設備投資や在庫変動は影響を受けやすいものと思われる。世界経済や金融市場の動向が今後悪化するようであれば、企業の設備投資は抑制されることも想定されるし、緩和に向かうのであれば底堅い動きが継続されるものと見られる。在庫投資については、米国の個人消費などの需要動向にも左右され、消費者信頼感が落ち込んでいるうちはそう大きな反動もみられないことも考えられるが、在庫水準が低くなっており、需要見通しがアップサイドに転ずればGDPを押し上げる方向に動く。個人消費については、消費者信頼感が2009年のリセッション水準に落ち込んでいることから、決して楽観できるものではない。収入の伸びが鈍く、雇用市場も安定せず、家計のバランスシート調整も進展中であることから、力強い回復というわけではなく、あくまでも緩やかな回復が続いていくものとみられる。
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在庫変動を除いたベースで国内需要の動向を示す、国内最終需要は+3.2%に加速、GDPデフレータは+2.5%となった。GDPを大きく押し上げたのが個人消費であり、前期比年率2.4%の伸びとなり、GDPに対して1.72ポイントの寄与となっている。うち耐久消費財の伸びは4-6月期の-5.3%の伸びとマイナスであったが、7-9月期はその反動もあり、4.1%の伸びとなった。自動車の販売は2011年4-6月期に年率で25.5%の減少となっていたが、7-9月期には3.3%の減少となっており、東日本大震災後のサプライチェーン障害から自動車の販売が一時的に低迷したが、その影響も解消されてきている。また、サービスも前期比年率で2.4%の伸びとなっており、7-9月期の個人消費は概ね堅調だったことが示唆された。但し、実質可処分所得は1.7%減少しており、今後の動向は気にされるところである。設備投資においては、構造物投資が13.3%の伸び(0.34ポイントの寄与)、機器・ソフトウェアが17.4%(1.2ポイントの寄与)の伸びとなった。7-9月期も設備投資は成長のドライバーとなっていたことが裏付けられている。しかし、ベージュブックにもあるように、金融市場の緊張などにより、先行きの経済や需要見通しに不確実性が高まってきており、一部では設備投資計画の見直しを行なっているとの指摘もあり、今後の動向は流動的である。民間住宅投資は2.4%の伸びとなり、0.05ポイントの寄与となった。住宅投資に関しては7-9月も僅かにプラスでしかなく、回復が弱いことを示している。在庫変動はGDPを1.08ポイント押し下げる結果となった。在庫変動は2四半期で減少している。夏場の金融市場の緊張により先行き経済に不透明感が漂ったことから、在庫投資を積極的に行わなかった可能性がある。今後先行きに楽観ムードが広がれば在庫復元の動きも予想されることから、成長率を押し上げる可能性もある。輸出は4.0%の伸びであったのに対して輸入は1.9%の伸びとなり、ネット輸出入は0.22ポイントのプラス寄与となった。貿易赤字が縮小していることを受け輸出入でプラスの寄与となった。政府調達は0.0%の伸びとなり、連邦政府が0.16ポイントのプラス寄与だったのに対して地方政府が0.16ポイントのマイナス寄与となり、相殺した格好となっている。地方政府の支出については5四半期でGDPにマイナス寄与となっており、財政難から投資を抑制している動きが継続している。
コアPCE価格指数は4-6月期の2.3%の伸びから2.1%の伸びに鈍化した。4-6月期は原油高や他のコモディティ高の影響により、物価が押し上げられインフレ率も上昇したが、商品市場がピークアウトしたことでコストプッシュの圧力が緩和されたことから、PCE価格指数もモデレートなものとなった。今後も需要は引き続き鈍いものの、商品市場の動向により振らされる展開が続くものと思われる。
7-9月期のGDPは個人消費や設備投資が押し上げる形で堅調に推移していた。今後については、先行きの経済や需要見通しによって設備投資や在庫変動は影響を受けやすいものと思われる。世界経済や金融市場の動向が今後悪化するようであれば、企業の設備投資は抑制されることも想定されるし、緩和に向かうのであれば底堅い動きが継続されるものと見られる。在庫投資については、米国の個人消費などの需要動向にも左右され、消費者信頼感が落ち込んでいるうちはそう大きな反動もみられないことも考えられるが、在庫水準が低くなっており、需要見通しがアップサイドに転ずればGDPを押し上げる方向に動く。個人消費については、消費者信頼感が2009年のリセッション水準に落ち込んでいることから、決して楽観できるものではない。収入の伸びが鈍く、雇用市場も安定せず、家計のバランスシート調整も進展中であることから、力強い回復というわけではなく、あくまでも緩やかな回復が続いていくものとみられる。



