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アングル:原油40ドル続けば来夏にCPI‐0.5%も、注目される当局の認識

[東京 9日 ロイター] - 最近の原油価格下落を受け、日本の物価に対する影響を注視する見方が広がり出した。一部の民間機関では、原油価格が1バレル40ドルで推移すると、消費者物価指数(除く生鮮、コアCPI)が2016年夏にマイナス0.5%に下落するとの試算結果を出している。コスト削減はプラスとみるべきか、それとも背後にある世界的な需要減退を注視すべきか、政府・日銀のスタンスにも注目が集まりそうだ。

日銀が10月末に示した展望リポートは、原油価格がドバイ産で1バレル50ドルから、2018年3月までに65ドル程度まで上昇するとの前提を置き、コアCPIが16年度後半に2%に達するとの絵を描いていた。

欧米の原油先物市場の期先の価格を根拠に、原油価格は上昇を続けるとの想定だった。

しかし、原油価格は下落を続け、8日のNY市場で米国産標準油種(WTI)1月物清算値は1バレル37.51ドルと2009年2月以来、6年10カ月ぶりの安値を記録した。

原油市場動向に詳しい元日銀審議委員の中原伸之氏は「20ドルに向かって下落を続ける」と予想。米金融大手のゴールドマン・サックスは4日、原油相場は長期間の低迷が継続する公算が大きいとの見通しを公表した。

みずほ証券・シニアマーケットエコノミストの末廣徹氏は、40ドルの価格が少なくも3カ月から半年間は継続するとの前提に立ち、基調的な物価上昇の影響を考慮せずに試算すると、コアCPIは「年末から年始にかけてプラス0.3%程度まで上昇するが、16年夏にはマイナス0.5%程度まで下落する」と見込む。

元日銀理事の富士通総研エグゼクティブ・フェロー・早川英男氏は「すでに日銀内で本当に16年度後半に2%が達成できるとみている人は少ないのではないか。原油価格低迷が続けば、さらに2%の達成が難しくなる」と指摘。

そのうえで「金融政策の枠組みを持久戦に耐えられる形に早期に転換するのが重要」と語った。

日銀の黒田東彦総裁は11月19日の会見で、予想物価上昇率は全体として上昇しているとの判断を変える必要がないと表明しつつ、一部に原油価格の影響で「弱含んだもののある」と述べた。

岩田規久男副総裁は今月2日の会見で、原油価格の下落は、中長期的に経済に好影響を与え、物価を押し上げることになるとの見方を表明した。

一方、佐藤健裕審議委員は7日、原油下落は予想物価上昇率にさほどの悪影響を与えていないと感じていると述べるとともに、さらなる原油下落が予想物価上昇率に悪影響を与えるかどうか、注意が必要だとの見解を示している。

この先、原油価格がどの水準で下げ止まるのか、40ドルを割り込んだ低水準での推移がどの程度の期間にわたって継続するのかによって、世界経済や日本経済に与えるインパクトは相当に変動する。

仮に原油下落が長期化しそうだと政府・日銀が判断した場合、日本経済にとってプラスとみるのか、反対にマイナスが大きいと懸念するのか──。その判断が2016年のマクロ政策の方向性に大きな影響を与えそうだ。

(竹本能文 編集:田巻一彦)

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