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遠藤ふみえ・常総市議の質疑書き起こし「働いた残業代分を当然貰う権利はあるが実際の市民の声は厳しい」

茨城県常総市職員の残業代をめぐる市議会でのやりとりを報じた毎日新聞の記事(4日付)が波紋を広げている。

記事によると、水害に伴う対応で9月の残業代が100万円を超えた職員が十数人存在したことで「傍聴席の市民から大きなため息が出た」、また、これに対する遠藤ふみえ(章江)・市議会議員が一般質問で「もらう権利はあるが、全国から来たボランティアが無償で働いている中、市職員が多額の給与をもらうことに市民から疑問の声が上がっている」と発言した、としている。

これに対し、遠藤市議は自身のブログ(8日付)で、
私と常総市の総務部長の発言の一部を部分的に切り取り、読者をひきつけるような形で記事が構成されたように感じています。

私といたしましては、一般質問の主旨を適切に表現した記事ではでないと考えております。
と反論している。

では、市議会の一般質問で実際のやりとりはどのようなものだったのだろうか。遠藤市議は、今回の水害で被災した人々に対してお悔やみとお見舞いの言葉を述べた。さらに、復旧にあたりボランティアに参加した人々に対して感謝の言葉を口にしてから質疑をスタートさせている。「洪水ハザードマップ」「防災マップ」「避難所の問題」などについて質問をした後に、今回の報道の元になった職員の残業代についての質問をスタートした。以下、市議会のアーカイブをもとに書き起こしをお送りする。(当該質疑は14:30秒過ぎから。なお、可読性を考慮して発言を一部整えています)

議員に対しても市民から「給与は全部寄付しろ」の声

インターネット議会中継
遠藤ふみえ市議(以下、遠藤):災害時、災害後の職員の人事配置、労務対策、災害時の給与支給についてお答えをしていただきたいと思います。

総務部長:最初に災害時、災害後の職員の人事配置についてお答えを致します。

水害発生後、職員は防災計画に基づき、災害の対応をしましたが、今回の災害の規模が非常に大きかったため、災害直後から県外や茨城県職員、県内の市町村からの職員の派遣をいただき、各業務を支援していただく一方で、経験豊富な市役所OBを臨時職員として緊急に雇用したほか、県などに派遣している職員(5人いますけれど)、それを一時的に本市に戻して災害業務に対応してまいりました。

また、災害業務を迅速に対応するため、部、課を超えたプロジェクトチーム、災害廃棄物処理や早期回収に向けた避難所の支援にあたる対策のプロジェクトチームを設置しております。

次に労務対策につきましては、通常業務に加え、災害対応業務で各職員ともかなりの負担が生じていることもありますので、職員の被災後の心理的な負担の程度を把握するために筑波大学の協力を得て、ストレスチェックを予定するなど今後も適正な労務管理に務めてまいります。

最後に災害時の給与支給ということで、災害対応に関する時間外勤務手当ての支給額についてですが、概数で予算額2億6800万円に対し、9月、10月の2ヶ月間に支給した分としまして、合計1億4400万円の支給となっております。

10月以降の避難所勤務につきましては、平日の早朝、夜間の勤務は時差勤務、フレックスを有効に活用し、休日の勤務分については振替休暇扱いとして、時間外勤務手当の抑制に努めております。以上です。

遠藤:ありがとうございました。

実は災害時の職員の残業代というのは常総市に限ったことではなく色々な地域で、必ず問題になることです。それがやはり1億4400万円だったということで、新聞にバンと出まして、やはりこれ市民の間でかなり話題になっているので、今回質問させていただこうと思ってます。

私は9月10日の午前2時40分に市役所に入りました、呼び出しがかかって。それからずっと9月10の午後9時まで、役所で皆さんが不眠不休で本当に一所懸命働いている姿も見ておりますので、働いた残業代分を当然貰う権利があるという風にも思いますけども、実際市民の声というのはなかなか厳しいものがあります。

私たち議員に対しても「給与は全部寄付しろ」とか「賞与はカットしろ」とか必ず市民と対峙するとこういう言葉を投げかけられます。まあ本当にそれも致し方のないことだとは思っておりますけども、実際職員に対しては「やはり残業代はカットした方がいい。貰わないで頑張って欲しい。なぜならばボランティアに来てる方たちは残業代がないじゃないか。ボランティアの方たちは無償で不眠不休で働いてるじゃないか。そういう中で市の職員が残業代を貰うのはどうなのか」という厳しい意見もあることは事実です。

ですから、私は「貰うな」ということではないですけども、やはり今回の災害でどれくらいの人件費がかかっているのかということを、少し明らかにしていただきたいと思います。わかる範囲でいいので、お答えいただきたいと思います。今回残業した職員の人数、残業代として支払われた総額、最長の、一番長く働いた方の残業時間。時間外手当の平均。時給にすると、今回の残業代はどれぐらいになるのか。また、ひと月の給与が100万を超えるような職員がいたのかどうか。また、管理職に対しては、残業代はどのように手当てしたのか。以上について、わかる範囲で結構ですので、お答えください。

人事課長:まずですね、残業した職員数につきましては、全職員対応しましたが、育休者、病休者がおりますので、合計で492名となっております。

また、残業代の総額につきましては9月10日から30日までに限りますが、管理職特別勤務手当を含むと1億3000万になっております。端数はきります。

残業の最高時間数につきましては21日間で342時間の職員がおります。また、残業の平均時間につきましては、その492名の平均になりますが、139.2時間になります。あと管理職につきましては、管理職特別勤務手当がございますが、その平均としましては11万8666円になります。あとですね、100万円以上を超える職員、これはですね、給料と時間外手当の合計になりますが、管理職は平均が少なくなりますので、主に主査兼係長の職員になりますが、100万円以上の職員は十数名おります。以上でございます。

遠藤:はい、ありがとうございました。今ね、「わー」っとため息こぼれましたけど実際100万円超える職員は結構どの自治体の災害の時にも何人もいるんですね。阪神淡路大震災だったと思うんですけど1600万円くらいの給料を支給するという職員が出たという話もちょっと聞いていおります。

決して珍しいことではないのですけども、ただ私が心配してるんですけど職員の健康管理をしっかりして頂かないといけないいうこと。

もう一点はこれ社会保険料の問題なんですね。今回、災害が9月、10月と起こっていたからいいのですが、もしこれが4月、5月、6月に起こっていたらどうなるか。社会保険料というのは、4月、5月、6月の平均給与で決まってくるわけです。そうすると、ここの時点でたくさん残業してしまって、給料が通常の2倍、3倍もなってくるとその方が払わなければいけない社会保険料が物凄いが苦になるんですよ。すると、1年間、職員の方の生活を圧迫してくるようなことになる。

ですから、逆に言うと災害時で残業代を多くもらったのが、今の時期でよかったなと思うんですね。4月、5月、6月であれば1年間、社会保険料、基本給が低いのに何万も払わなければいけない。こういうことが起こります。だから、私は今、給与が凄く増えてしまった職員もいるということでため息でました。それも受け止めなくてはならない。ですから、逆にどうでしょう。選挙の時に行うような特別手当制にして、やっぱり災害時の特別な給与体系、これを今後早急に検討していく必要があるのではないかと思うのですけれども。

これについて、今後どのように見直していくのか。お考えがあったらお聞かせください。

総務部長:私は詳しく、その部分はわからないのですが、当然全国の自治体等には例があることだと思いますので、そういう例を調べること。後は、組合関係とも共有したいと考えます。

遠藤:ありがとうございました。

やはり市民感情というのは、必ずこういう災害時はあります。本当に公務員というのは、「市民のための奉仕者である」というのが、市民の一番の考え方だと思いますので、その辺を少し考慮して今後の検討課題にしていただければ幸いです。

もう1点、私が役所内で24時間過ごさせてもらって見てきたのですが、職員の動員の仕方。これは一次動員、二次動員、三次動員という風にかけて、職員を招集していく。そういうやり方があるんですけれども、それについて、ちょっと説明してください。

市役所職員を動員する際は、家庭の事情などに配慮が必要


総務部長:職員の動員につきましては、市の防災計画の中に、その動員計画がございます。まず、種別としては警戒態勢、緊急体制Ⅰ、緊急体制Ⅱ、非常体制班ということで、緊急体制Ⅰで一次動員。これは課長と課長補佐。

緊急体制というのが、どういう場合かといいますと、大雨、大雪の警報が発令された時、あるいは洪水警報が発令された時、そういうときが一次動員で課長、補佐。緊急体制Ⅱというのが、局地的に大規模災害が発生した時、またはその発生が予想される時。その場合、二次動員でこれが係長クラス。市全域にわたって大規模な災害が発生、または予想される時は非常体制となりまして、これは第三次動員で全職員でございます。

で、今回の場合でけども、特に9月10日ついては、平日だったということで早期に職員が出勤すると。結果としては、そういうことになりました。後は災害の大きさが予見できなかったことと、後は災害にたいしては少ない人数よりも多い人数で対応すべきであったこと。まぁそういう理由です。

遠藤:私が思ったのは、結局一次動員、二次動員、三次動員ということで最終的に職員全部をここに召集しましたよね。それによって、職員のマイカーも全部水没してしまったわけですよ。被害が非常に、そういう意味では大きくなってしまった。残念ながら、災害対策本部の体制がきちんと整っていない段階で、下に対して命令が出ない段階で、中は右往左往していたように思えるんですね。

そういった段階で全職員を招集したことによって、私は車の部分のことだけを考えれば、職員ほぼ全員の車を水没させて使えないようにしてしまったというのは、これはちょっと残念な結果だったなと思うんですね。

今回、いろんな議員の話を聞いていると、水害の現場に職員が一人もいってなかったという、こういう話ですよ。どういう理由かというと、まず車がないんですね。水没してしまって。石下も水海道道も。職員の車使うといっても、職員の車だって全部水没ですよ。

ですから、今回の災害を機に動員の仕方も少し見直した方がいいと思いますね。それで災害の現場に近いところに住居がある職員に対しては、その災害現場での情報を逐一対策本部に報告する任務を与えるとか、そういう体制をとっておくほうが、全部ここに集めて全員が被災者になってしまうよりも、ずっと良いんじゃないかと思います。ですから、この動員の仕方というのも、災害においてもう少し工夫が必要だと感じました。

あと、もう1点、この役所の中で、ご夫婦で働いていらっしゃる方。そして、お子さんがまだ18歳未満で小さい方。もしくは一人親の家庭の方。そういう方は何人ぐらいいらっしゃいますか?

人事課長:調べたのが、常総市東部地区だけで常総市全域ではございませんが、ご夫婦で勤務されている方は10組ございます。いわゆる母子家庭の方は4組ございます。

遠藤:これは実は私も自ら経験したんですけれども、私、午前2時40分(※)にここに来た時に、娘一人だけ家に残してきちゃってるんですね。で、夜の21時まで帰れなかったんです、家に。

それを考えると、やはり一人親の家庭の方とか、夫婦共稼ぎで、見る方がいなくて、小さいお子さんを家に残してくる家庭が、もしあったとしたら、これは大変なことですよ。

市長、そういう職員の家庭状況を把握して、動員体制を組んでいただきたいと思います。 戦時中じゃないですから。「お国のために」といって、子ども家に残して、何かがあってというわけにはいかないですよ。私、実際そういう方の職員に聞いたんですよ。「子ども残しても、夫婦で動員掛けられたら行くんですか」と聞いたら、「職務が一番ですから」と言ったんですよ、これが。

これは公務員というのは凄いなと思ったのですが、そのために残されたお子さんが犠牲になったりとかしたら、大変なことですから。動員するときは、是非このことも考慮していただきたいとお思います。

どうぞその点をよろしくお願いいたします。


―遠藤市議は、その後、「防災協定」などについても質問している。

※2015年12月15日追記
当初、午後2時となっておりましたが、午前2時の誤りでした。訂正の上お詫びいたします。

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