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【難民問題・移民問題、分けて考えて】~難民を助ける会 柳瀬房子会長に聞く~ 細川珠生

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©Japan In-depth 編集部

「細川珠生のモーニングトーク」2015年12月5日放送

「難民を助ける会」の会長を37年務めている柳瀬房子氏を迎え、世界で大きな問題となっている難民問題について聞いた。

柳瀬氏はまず、難民を助ける会の定義する難民とは「広くあまねく困難にある方」を指すことを説明。避難民、移民等も含まれる。一方、日本で受け入れる難民とは、条約上の難民を指す。

日本には、結婚や仕事、留学等で400人近いシリア人が暮らしている。そのうち、60人近くが難民の申請をしているが、日本政府が条約上の難民としているのは今のところ3名だ。しかし、「そうではなくても、例えば留学生として来ていて、卒業したから帰ろうと思っても、とても帰れる状況ではないので、特別在留の許可を与えて日本にいられるような状況になっている。」と柳瀬氏は説明し、日本政府は難民認定していなくても、きちんとした在留環境を提供していることを強調した。また、「もっと申し出があればきちんとお世話をしたい。」とも述べた。

法務省難民審査参与員として、難民の審査も担当している柳瀬氏。認定率が低い背景には、条約上の難民の条件を満たす人からの申請が少ないことがあるという。柳瀬氏は、「条約上の難民というのは、政治的に迫害を受ける、宗教的な問題がある等、国にいると迫害を受ける、迫害を受ける恐れがある、保護を受けられないという場合に難民と認定される。」と説明した。

昨年度は5000人ほど申請があったのに対し、11人が認定された。しかし、「それ以外にも100人余りを在留特別許可として日本に滞在させている。」と柳瀬氏は述べ、難民の実数だけで判断してはいけないことを示唆した。柳瀬氏は、難民認定の仕組みを作る委員もしており、以前は500人程度の申請者数だったのが、10年で10倍になったという。

一方で、そのような状況が利用されているという現実もある。日本に行って難民申請すれば働く許可が得られる。審査の間、認定されなくても日本にいることができる。「今、難民申請者を出している国々に利用されているという状況になってしまった。」と柳瀬氏は話し、簡単に難民申請をしてしまう傾向を危惧した。

深刻な労働力不足に陥っている日本。移民制度が今後大きな鍵となる。「日本人の一人一人の中で、外国人を移民として受け入れるということを考えている人が少ない。アンケートでも、移民はダメだが、一時的な庇護はした方がいいという矛盾がある。」と柳瀬氏は述べた。また、外国人との共生社会をどうやって作っていくかについて、日本政府が長期的な考えを発表していないことを指摘し、「各省庁が一緒になって検討していかなくてはならない。」と述べた。

一方、シリア人の中には少なからず、日本に関わりを持っている人もいる。アレッポ大学やダマスカス大学には日本語学科がある。「そういうところから少しでも受け入れていくべき。日本から調査に行って、第三国定住ということで受け入れることを、数は少なくてもやっていくべきだ。」と柳瀬氏は話した。

(この放送は、ラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2015年12月5日放送 を要約したものです)
「細川珠生のモーニングトーク」
ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php
細川珠生公式HP http://www.cheering.net/tamao/#
細川珠生ブログ  http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/

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