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中国は「独身者の国」に-家族中心社会に変化も

 中国は急速に「独身者の国」になりつつある。

 中国民政部(日本の厚労省に相当)のデータを引用した地元メディアの報道によると、世界最大の人口を抱える同国では独身成人の数が2億人近くに上り、全人口の14.6%を占めている。この割合は1990年の6%から急上昇しているという。

 中国で独身者が急増している背景には、離婚率の上昇や晩婚化、結婚しない傾向の強まりがあると、人口統計学者らは指摘する。結婚を先延ばしする人は単身、あるいは家族と同居して満ち足りたシングルライフを築き、そこから逃れられなくなるのだ。

 中国では、独身者の割合は他国を大きく下回っている。米労働統計局(BLS)によると、米国では昨年、全人口に占める独身者の割合が50.2%に達した。英国のイングランドとウエールズでは2011年時点で51%が独身だったという。

 他国と比べて中国の割合が低いのは、中国では若者が結婚の重圧にさらされていることが一因だ。年配世代は伝統を重んじ、家族の絆を大切にする傾向が顕著で、子どもや孫に「結婚しろ」とくどくど言い聞かせる。それがあまりにもしつこいため、多くの若者は家族からの重圧を避けるため休暇中に実家に帰らないという。また、政府も圧力をかけており、27歳以上の未婚女性を「売れ残り」と呼んでいる。

 中国政府が最近廃止した「一人っ子政策」も、男女比率の不均衡や高齢化を生み出すことで結婚に対するトレンドを変化させた。

 中国の膨大な人口を考慮すれば、14.6%という数字は米国の全人口の7割近くに当たり、大きな意味を持ってくる。そして独身者の増加は、人口統計学者が警告する中国の出生率低下と同じタイミングで起こっている。

 独身者の増大は中国でいくつかの新たなトレンドを引き起こしている。年収の高い人が浪費する「シングルエコノミー」と呼ばれる現象などがそうだ。また、海外で卵子を冷凍保存し、シングルマザーになるのを目指す女性の数が増えている。そしてもちろん、中国で壮大に行われる電子商取引のイベント「独身の日」は、世界でも最大規模のショッピングデーのひとつになっている。

 中国社会は儒教の伝統と法規制の両面から、一般的に結婚した夫婦が好まれる。このため多くの独身者が社会的な汚名に対抗するためオンライン上で徒党を組み、法律が偏っていると主張している。上海市や広東省広州市などの都市では、独身者による不動産購入が禁止されている。地元メディアによると、雇用主の中には昇格や賃上げで既婚者を優遇するところもあるという。

By aurie Burkitt

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