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- 2011年09月12日 10:35
China View Aug.2011〜全体的に指標は鈍化
9月12日までに7月分の中国の経済指標が発表された。以下は国家統計局が公表した各指標。M2及び新規融資はPBOC。
・鉱工業生産 +13.5%(YoY)
・小売売上 +17.0%(YoY)
・CPI +6.2%(YoY)
・PPI +7.3%(YoY)
・1-7月固定資産投資 23.6%(YoY)
・M2 +13.5(YoY)
・RMB建て新規融資 5485億元
鉱工業生産については前年同期比+13.5%となり、伸びが鈍化した。以下は鉱工業生産の推移である(出所:国家統計局)。
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8月の鉱工業生産については、自動車及び四輪車の生産が7月よりも増加している。7月の乗用車生産は777千台であったが、8月は824千台となり、自動車生産も7月の1318千台から8月は1450千台と増加を見せている。このことから自動車生産は前月から持ち直したといえる。四輪車生産は日本のサプライチェーン障害により今年の4・5月に前月比マイナスとなり、7月にもマイナスとなったが、8月に前年比9.5%の伸びとなっていることから、底堅く推移しているということになろう。メーカーによる値下げ効果で乗用車販売台数が3カ月連続で前月を上回っており、その影響が出ていることも想定できる。但し、8月の中国の貿易収支は177.6億ドルの黒字と輸出が減る中で輸入が増加してきている。このことから世界的に景気が減速している中で、海外需要が下振れることは留意であり、値下げ効果による国内の自動車購入だけでどの程度下支えしていけるかがポイントとなってこよう。また鉄鋼製品についても7月に75.7百万メトリックトンから8月は77.0百万メトリックトンに伸びており、引き続き鉄鋼生産は高水準である。一方でセメントについては7月の183.1百万メトリックトンから8月は182.4百万メトリックトンに減速しており、一部インフラ投資の一巡感などが影響しているものとみられる。発電量は7月と同水準の4260億キロワット時と高水準となっており、夏場の電力需要が押し上げに寄与しているものとみられる。
1-8月の都市部固定資産投資は前年同期比23.6%となっており、1-7月から伸び率が鈍化した。以下は都市部固定資産投資の推移(出所:国家統計局)。
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1-8月の固定資産投資においては、前月以上に鉄道建設が急減速している。伸び率は前年比で-15.5%となった。「京滬線」プロジェクトが一巡し、鉄道事故により一部プロジェクトの進捗に影響が出ている可能性も指摘できる。中国の経済紙である「経済観察報」は、高速鉄道事故後、高速鉄道などの重点鉄道プロジェクトの新規着工が4区間で延期されていると報じている(読売新聞記事「中国、重点鉄道の新規着工4区間で延期」参照)。このことから鉄道インフラ投資が落ち込んだ結果固定資産投資全体も減速したとみることができる。一方で製鉄や精錬などの投資は活発となっており、第2次産業の投資の伸びを支えている。一方で通信の投資の伸びが減速しており、これが第3次産業の伸びを減速させた可能性もある。いずれにしても中国の投資活動はここにきてやや減速気味に推移してきていることは確かだろう。
8月のCPIは6.2%の伸びとなり、インフレはやや減速した。以下は物価指標の推移である(出所:国家統計局)。
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前月でも0.3%の伸びとなり、前月比で見た伸び率もやや減速している。
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減速の大きな要因は食料価格の伸びがピークを越えたことが要因となっている。6・7月に前年比57%の伸びを示した豚肉の価格について、8月は45.5%の伸びに抑えられてきたことから、食料インフレが緩和されてきたことが背景にあるものとみられる。またサービス価格についても減速している(6月は4%の伸びだったのに対して8月は3.4%の伸びに留まる)ことも踏まえるとインフレ圧力についても総じて緩和されてきている。但し、住宅については前年比2.8%の伸びに加速してきていることから、住宅ブームについてはまだ継続しているとみることも出来る。生産者物価をみても、生産財について7月の8.4%の伸びから8月は8.0%の伸びに減速してきており、原材料についても7月の12.1%の伸びから8月は11.6%の伸びになっている。このことから川上の価格の落ち着きもあり、今後もインフレ圧力は次第に緩和されていくものとみられる。
マネタリー指標では、M2が前年比13.5%の伸び、RMB建て新規融資は5485億元となっている。
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M2についてはリーマンショック時を下回る伸び率となっており、新規融資についても7月に比べ増加しているものの依然として安定したレベルで推移していると見ることも出来る。このことは年前半に預金準備率操作を中心に金融を引き締めてきた効果が出てきているものと判断できる。インフレもピークを打ったとの見方も出来ることから、金融政策についても柔軟な対応が出来やすくなった。つまり、インフレが高水準にある現段階では難しいものの、今後景気が悪化するようであればやや金融緩和にシフトすることも可能である。世界経済の動向次第ということにもなろうが、貸出やマネーの流通量の伸びが安定化してきていることから、今後は金融政策を中立的にし、政策の機動性を高めていくのではないかとみられる。
・鉱工業生産 +13.5%(YoY)
・小売売上 +17.0%(YoY)
・CPI +6.2%(YoY)
・PPI +7.3%(YoY)
・1-7月固定資産投資 23.6%(YoY)
・M2 +13.5(YoY)
・RMB建て新規融資 5485億元
鉱工業生産については前年同期比+13.5%となり、伸びが鈍化した。以下は鉱工業生産の推移である(出所:国家統計局)。
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8月の鉱工業生産については、自動車及び四輪車の生産が7月よりも増加している。7月の乗用車生産は777千台であったが、8月は824千台となり、自動車生産も7月の1318千台から8月は1450千台と増加を見せている。このことから自動車生産は前月から持ち直したといえる。四輪車生産は日本のサプライチェーン障害により今年の4・5月に前月比マイナスとなり、7月にもマイナスとなったが、8月に前年比9.5%の伸びとなっていることから、底堅く推移しているということになろう。メーカーによる値下げ効果で乗用車販売台数が3カ月連続で前月を上回っており、その影響が出ていることも想定できる。但し、8月の中国の貿易収支は177.6億ドルの黒字と輸出が減る中で輸入が増加してきている。このことから世界的に景気が減速している中で、海外需要が下振れることは留意であり、値下げ効果による国内の自動車購入だけでどの程度下支えしていけるかがポイントとなってこよう。また鉄鋼製品についても7月に75.7百万メトリックトンから8月は77.0百万メトリックトンに伸びており、引き続き鉄鋼生産は高水準である。一方でセメントについては7月の183.1百万メトリックトンから8月は182.4百万メトリックトンに減速しており、一部インフラ投資の一巡感などが影響しているものとみられる。発電量は7月と同水準の4260億キロワット時と高水準となっており、夏場の電力需要が押し上げに寄与しているものとみられる。
1-8月の都市部固定資産投資は前年同期比23.6%となっており、1-7月から伸び率が鈍化した。以下は都市部固定資産投資の推移(出所:国家統計局)。
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1-8月の固定資産投資においては、前月以上に鉄道建設が急減速している。伸び率は前年比で-15.5%となった。「京滬線」プロジェクトが一巡し、鉄道事故により一部プロジェクトの進捗に影響が出ている可能性も指摘できる。中国の経済紙である「経済観察報」は、高速鉄道事故後、高速鉄道などの重点鉄道プロジェクトの新規着工が4区間で延期されていると報じている(読売新聞記事「中国、重点鉄道の新規着工4区間で延期」参照)。このことから鉄道インフラ投資が落ち込んだ結果固定資産投資全体も減速したとみることができる。一方で製鉄や精錬などの投資は活発となっており、第2次産業の投資の伸びを支えている。一方で通信の投資の伸びが減速しており、これが第3次産業の伸びを減速させた可能性もある。いずれにしても中国の投資活動はここにきてやや減速気味に推移してきていることは確かだろう。
8月のCPIは6.2%の伸びとなり、インフレはやや減速した。以下は物価指標の推移である(出所:国家統計局)。
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前月でも0.3%の伸びとなり、前月比で見た伸び率もやや減速している。
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減速の大きな要因は食料価格の伸びがピークを越えたことが要因となっている。6・7月に前年比57%の伸びを示した豚肉の価格について、8月は45.5%の伸びに抑えられてきたことから、食料インフレが緩和されてきたことが背景にあるものとみられる。またサービス価格についても減速している(6月は4%の伸びだったのに対して8月は3.4%の伸びに留まる)ことも踏まえるとインフレ圧力についても総じて緩和されてきている。但し、住宅については前年比2.8%の伸びに加速してきていることから、住宅ブームについてはまだ継続しているとみることも出来る。生産者物価をみても、生産財について7月の8.4%の伸びから8月は8.0%の伸びに減速してきており、原材料についても7月の12.1%の伸びから8月は11.6%の伸びになっている。このことから川上の価格の落ち着きもあり、今後もインフレ圧力は次第に緩和されていくものとみられる。
マネタリー指標では、M2が前年比13.5%の伸び、RMB建て新規融資は5485億元となっている。
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M2についてはリーマンショック時を下回る伸び率となっており、新規融資についても7月に比べ増加しているものの依然として安定したレベルで推移していると見ることも出来る。このことは年前半に預金準備率操作を中心に金融を引き締めてきた効果が出てきているものと判断できる。インフレもピークを打ったとの見方も出来ることから、金融政策についても柔軟な対応が出来やすくなった。つまり、インフレが高水準にある現段階では難しいものの、今後景気が悪化するようであればやや金融緩和にシフトすることも可能である。世界経済の動向次第ということにもなろうが、貸出やマネーの流通量の伸びが安定化してきていることから、今後は金融政策を中立的にし、政策の機動性を高めていくのではないかとみられる。



