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「夫婦は同性であるべき」という「理想」

いつもお世話になっている、『BLOGOS』で杉田水脈氏が「夫婦別姓〜賛成の人が増えているようですが。」というエントリーをなされていたので、これについて少し。

1 記事の紹介

 彼女は「選択制夫婦別姓について」いろいろな理由を述べ、反対意見を表明されております。彼女も「結婚して姓が変わりましたが」、「おめでとう、よかったね。」など「返ってきたのは祝福の言葉ばかり」だったそうで、「不便なんて一度も感じたことが」ないとしています。

 選択制になって喜ぶのは少数でしかないのだから、他の「もっと早急に取り組まなければならない課題」を処理すべきともしています。

 「他の先進国はすべて、夫婦別姓」かもしれないが、「日本には世界に誇る戸籍制度があり」「青年海外協力隊でアフリカに行っていた友人が戸籍制度があるのとないのとでは、『命の重さが違う』と、言ってい」たという意見を紹介し、「他国の真似をする必要は」ないとします。

 「結婚して姓が変わったとたん、今まで書いた論文や研究の実績がすべて消えてしまった」という意見に対しては、「結婚して姓が変わったくらいで消えてしまう実績や論文はそれだけのものだったということだと思います。残念ながら内容の問題だと」断言されておられます。

 更に選択制にすると、「両親がそれぞれ『選択して』違う苗字を名乗る家庭で、子どものアイデンティティはどうなるのか」と疑問を呈され、「むしろ離婚は増え、もっと家族崩壊は進むと考えられます」としておられます。


2 選択制

 最初に私の意見を述べておくと私は選択制に賛成です。私は基本的に価値観は多様であればあるほど良いという発想なので、当然こうなるという話です。

 同時に私は他人を説得しようなどとおこがましいことを思ったことはありません。人の価値観にはいろいろあってしかるべきなので、こういう考え方を持っている人がいることは承知しておりますし、それを否定しようとも思いません。

 実際、杉田氏も「『話を聞く』=『同調する』ではありません。」「いくら話を聞いてもやはり自分の考えは変わらないこともあります。」としておられます。


3 疑問点

 ただ、彼女の挙げた理由にいろいろ私自身は納得いかないところがあるという話です。最初の、結婚して姓が変わったことにより、「祝福の言葉ばかり」だったそうですが、結婚の報告を受けて、祝福以外の言葉を掛ける人がいるかという話で(いたらそんな知り合いを持っている人がおかしいという話です)、これが何の理由になるのか私は疑問です。

 アフリカとの命の重さの違いに戸籍制度の有無が何の関係があるのか私はさっぱり理解できません。発展途上国で命が軽いのは事実ですが(現実には重さが異なる命と平等に来る死)、戸籍をつくればその命が重くなるとでもいうのでしょうか。

 苗字が変わったことにより、「論文や研究の実績がすべて消えてしまった」ことに対する批判は私的には非情の一言です。

 確かに本当に有名な方であれば、改名してもそれを広く世間に訴える機会はあるでしょうが、残念ながら大半の人はそうではありません。

 発表の場すら限られているのが現実で、やっと獲得した機会なわけですが、それを能力不足と言うのであれば、現場を知らない強者の理論ですし、極端な話をすれば、政治(家)の自己否定にもなりかねません。

 というのがこの理屈が成り立つのであれば、貧乏は稼ぐ才能がなかったか、努力しかなかったのが原因ということになるので、生活保護などは一切必要ないという話にもなりかねません。

 それに政治家の大好きな衰退産業への補助金なども間違っても支給してはいけないということになります。


4 最後に

 私が常にこうした方々の主張として疑問に思っているのは、根底に「日本はすごい」のだから、他国の真似をする必要はないという発想があるのに、一方でそれと逆行するような態度をとっていることです。

 今回の事案であれば、離婚率の低さが日本の美徳であったので、それがおかしくなってきているというのが根本にあるかと思います。

 私的には、たかだか夫婦別姓にして位でおかしくなってしまうもの(それも1つの選択だと思っていますが)を後生大事守る必要はないと思うのですが、どうもこうした方々は違うことを考えている様です。

 おそらくこうした方は先に理念型(もしくはイデア)とでもいうべき、あるべき日本の姿というものがあってそれに適合しないものは、おかしいという発想で動いているような気がしてならないという話です。


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