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  • 祇園
  • 2011年05月25日 09:38

日本マクロ定点観測〜4月貿易統計

財務省は5月25日に4月貿易収支を発表した。

輸入総額:5,619,370百万円
輸出総額:5,155,672百万円
差引:-463,698百万円


貿易収支の推移(出所:MOF)
グラフ

4月の貿易収支は4637億円の赤字となり、赤字としては3カ月ぶり、4月としては1980年以来となった。地域別では、アジアが6022億円の黒字(対中は1083億円の赤字)、北米は1142億円の黒字、欧州は415億円の黒字であった一方で、大洋州は2772億円の赤字、中東は9986億円の赤字となった。

品目別に見ると、輸入に関しては、食料品が16.1%増で+1.5ポイントの寄与、原油及び粗油は7.9%増で1.4ポイントの寄与、石油製品は62.2%増で+1.5ポイントの寄与、液化天然ガスは17.6%増で+1.0ポイントの寄与となった。一方輸出では自動車が67%減となり8.8ポイントのマイナス寄与、半導体等電子部品は19.0%減となり1.2%のマイナス寄与、鉱物性燃料は46.1%減となり0.8ポイントのマイナス寄与となった。石油製品や液化天然ガスの前年比での輸入増は、原発事故を受けて火力発電所の操業のために調達ニーズが増加したものによるものと思われる。

貿易収支が市場予想より上振れた要因としては、輸入サイドにおいては、電気機器の輸入が前月から低下していることから一部国内の耐久消費財需要が減少した可能性や、また原料品の輸入も低下していることから、生産能力に制約があることを踏まえ、一部で原料調達を見送ったことなども挙げられる。輸出サイドでは、おそらく生産活動が4月中旬から下旬にかけて再開され、3月に比べて出荷が増加してきたことによる

今後は、サプライチェーンの復旧などにより輸出が次第に再開されているものとみられる。但し、今後サプライチェーン障害が残る中、限られた部品在庫の中での生産が続くため輸出額は緩慢な回復でしかなく、一方で3-4月にも示されたように、火力発電などの燃料需要は高まっていくことも想定され、さらに今後の国際商品価格の動向次第では輸入額が増加し、赤字幅が拡大する可能性も考慮する必要があろう。また、国内需要の低下による輸入額減少というところもリスクファクターとなるだろう。

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