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公共事業費を削減したのは前民主党政権ではない 〜 増減の流れは旧自民党政権時からのもの・・・

 今朝の朝日新聞ネット記事によると、政府は来年度当初予算案の公共事業費を、今年度の5兆9711億円から増やす方針とのこと。

《記事要旨》
・来夏の参院選を前に、自民党から増額を求める声が高まっているため。
・安倍政権になってからの当初予算では4年連続の増額。
・「コンクリートから人へ」を掲げた民主党政権は、当初予算の公共事業費を3年で2.5兆円減。
・安倍政権は経済政策「アベノミクス」の「第2の矢」で財政出動を掲げ、増額にかじを切った。


 この記事に描かれている内容とグラフ〔資料1〕を読むと、前民主党政権が頑張って公共事業費を減らしたのに、現自民党政権が再び公共事業費を増やしている、と一瞬思い込んでしまう読者は少なくないだろう。しかし、事実はそうではない。

 公共事業費は、当初予算ベースでは平成9年度(1997年度)をピークに、補正予算も含めた全予算ベースでは平成10年度(1998年度)をピークに、概ね減少傾向にある。むしろ、2009年度からの民主党政権時では

 平成27年度(2015年度)の公共事業費は、これらピーク時と比較した場合、当初予算ベースで約4割低い水準で、全予算ベースでは約6割低い水準になっている〔資料2〕。

 いずれにせよ、公共事業費に係る視点では、前民主党政権での動向は、旧自民党から現自民党政権に至る流れの中で、当初予算ベースでは平成24年度(2012年度)を底として上昇傾向にあるが、全予算ベースでは平成23・24年度(2011・2012年度)において東日本大震災の影響もあって突出感がある。

 直近の財政健全化計画では、公共事業費について、次のように標榜されている。

①新規投資に当たっては、国際競争力強化や防災対策であっても、費用対効果を厳しく見極め、これまで以上に厳選する。②既存の社会資本の老朽化対策は、人口減少等を踏まえ、計画的かつ効率的に対応し、安全性を維持しながら、費用を抑制する。③事業実施に際して、PPP/PFIといった民間活力・民間資金や適切な受益者負担の活用、税制や規制の見直し、最新の技術的知見による効率化・生産性の向上等を通じ、公費負担を抑制。④人口減少を踏まえ、全体の公共事業関係費は増やさないことを前提に、個別の社会資本の必要性を見極め、必要不可欠な社会資本の機能を確保する。

 この中で、今後編成される2015年度補正予算案では、上記④の趣旨からすると、あと0.6兆円程度は積み増すことが容認されるのであろう。現自民党政権の公共事業費に関する姿勢は、旧自民党政権の中の旧世代の発想に近いように見える。


<資料1>
リンク先を見る
(出所:朝日新聞ネット記事


<資料2:公共事業関係費の推移>
リンク先を見る
(出所:財務省・財政制度分科会資料「社会資本整備」(2015.10.26)

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