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  • 祇園
  • 2011年04月04日 08:17

Global Market Weekly Focus 4.4-8

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先週のマーケットにおいては、重要指標が相次ぎ材料視された。3月の雇用統計においては非農業部門雇用者数が+216Kとなっており、これまでのところ順調な雇用回復が示されている。また、ISM製造業景気指数についてもPMIは前月からやや低下したものの、61.2と高水準をキープしている。以下はISM製造業景気指数の推移(出所:ISM)

グラフ1

しかし、雇用統計にしてもISM製造業景気指数についても今後不透明感がある。雇用統計については4月1日のエントリでも述べたが、ISM製造業景気指数においても気がかりな面がある。それは、在庫が低水準であるということである。在庫指数は2010年2月の水準であり、以下はISM製造業先行指数である在庫/新規受注レシオと生産の推移(出所:ISM)。

グラフ2

通常であれば、このレシオが低水準であるので、出荷と在庫のバランスが良好で、生産が拡大していくことを示唆しているが、東日本大震災の影響によってグローバルレベルでのサプライチェーンがダメージが受けている状況において、在庫の少なさが供給能力の低下を引き起こす可能性があることから、今後の生産動向にも影響する懸念が出ている。すでに米国では日系メーカーを始めとして減産の動きが出ており、今後の部品調達の動向次第では生産のモメンタムが一時的に低下する可能性もある。この点については、企業の購買担当者からも、
What will be the impact to the U.S. supply chain after the devastation caused by the Japan earthquake?"

日本の地震によって引き起こされた破壊は米国のサプライチェーンにとって何のインパクトがあるのだろう。

としており、懸念表明が出されている。また、価格指数は85.0に上昇しており、2008年7月以来の水準である。このことから米国の企業においてもインフレ期待が上昇しており、コスト高により価格転嫁を強いられている構図もみえてきている今後の米経済においては日本の東日本大震災の影響やリビア情勢などに起因するエネルギー価格の上昇などといったリスクも意識されていくものと思われる。
今週については各国金融政策の動向に焦点が当たる。

■ECB理事会
今週最もマーケットで意識されているのは7日に行われるECB理事会である。先月のECB理事会において、トリシェ総裁は、物価について
Strong vigilance is warranted with a view to containing upside risks to price stability.

強い警戒(を持って見極めること)は、物価安定のアップサイドリスクを含む見方を保証する。

としており、物価上昇懸念を強いトーンで表明した。この"Strong vigilance"というキーフレーズは今後2カ月以内に利上げを行うサインとしてマーケットでは意識されており、今回利上げが行われるかどうかが最大のポイントであろう。先週の31日に発表されたユーロ圏消費者物価(HICP)においても、市場予想を大きく上回る前年比+2.6%となったことで、ECBの政策目標とするところの+2%程度からさらに乖離していることから、利上げに踏み切る可能性は一段と高くなったと言える。以下はユーロ圏HICP(出所:EUROSTAT)。
グラフ3

また、短期金利の動向においても、4月1日のEURIBORからみても1カ月以内の利上げはほぼ織り込んでいるし、夏ごろの追加利上げについても織り込み始めている。以下はEURIBORのイールドカーブ(出所:EURIBOR)。
グラフ4

追加利上げについてはユーロ圏のインフレの動向次第といえるが、原油など一次産品の高止まりが長期化すればそのような行動の可能性も十分にある。いずれにしても7日のトリシェ総裁の発言に注目が集まろう。

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