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  • 祇園
  • 2011年03月11日 14:46

China View Feb.2011〜引き続きインフレに警戒・生産はまちまち

3月10日に中国国家統計局は2月の経済指標を発表した。

・鉱工業生産 +14.9%(1-2月/YoY)
・小売売上 +15.8%(1-2月/YoY)
・CPI +4.9%(YoY)
・PPI +7.2%(YoY)
・都市部固定資産投資 24.9%(1-2月/YoY)


このようなものとなった。例年中国の1-2月の経済指標は春節を挟むため、イレギュラーな数値が出されることも多い。昨日発表された貿易収支も73億ドルの赤字と予想外の貿易赤字が示された。貿易収支については輸出の伸びが急低下しているものの、輸入が上昇しており、ポジティブに解釈すれば内需の強さが示されているということもいえるが、原油などの輸入品の高騰により押し上げられた側面もあるため、一概には判断できない。

鉱工業生産に関しては、1-2月は14.9%の伸びを示した。以下は鉱工業生産の推移(出所:国家統計局)。
グラフ1

傾向としては鉄鋼生産のモメンタムが拡大しており、トータルで見れば素材産業の生産は伸びているが、加工組立産業の伸びが鈍化したということがいえる。造船や機械、あるいは設備投資関連もしくはインフラ関連などで鉄鋼需要は押し上げられているのだろう。しかし、自動車の生産にブレーキがかかっている。自動車工場が春節休暇で操業を停止していた影響を考慮しなければいけないため、3月のデータを待たなければいけない。しかし、四輪車は12月に1954千台の生産であったのに対して1-2月は1290千台であるため、モメンタムは弱まっている。この点は3月の指標でモメンタムの弱さが示されれば、自動車を中心とした加工組立産業に陰りが示されてくるものとみられ製造業PMIが示しているように足元の業況が減速している可能性がある。発電量は15.4%の伸びとなっており、暖房需要や春節などの要因を考慮しなければならないものの、鉄鋼など素材産業での操業が活発に行われていることも示唆しているため、引き続きモメンタムの確認を行っていくべきだろう。

1-2月都市部固定資産投資は前年比24.9%となり、2010年1-12月からやや加速した。以下は都市部固定資産投資の推移(出所:国家統計局)。
グラフ2

1-2月の統計では、第一次産業の投資がやや鈍化し、一方で第二次産業、第三次産業では高い投資ペースが維持されている。なお、1-2月の不動産投資については公表されていない。

CPIは前年比+4.9%となり、前月と同水準だった。以下は物価指標の推移(出所:国家統計局)。
グラフ3

CPIは予想の4.8%程度に対してやや上に振れる形となっており、当局の目標としている4%を上回っている。また、前月比では1.2%の伸びとなっており、実際には1月よりも2月の方が物価上昇の伸びは加速している。食品は11.0%の伸びとなっており、CPIを大きく押し上げており高水準となっているが、野菜等の価格が落ち着いたとの見方もあり、マイルドな上昇という形になっている。以下は消費者物価の内訳(出所:国家統計局)。
グラフ4

一方で、PPIは前年比で7.2%の伸びに加速しており、コストプッシュの圧力が強まっている。内訳を見ると、原材料が10.6%の伸びとなっており、高原状態となっているが、それ以上に製造品の上昇ピッチが速くなっており、川上の価格の高止まりが川中に波及してきている。このことからいずれ川下の消費財の価格を押し上げ、最終製品への転嫁という形になっていくことから、コスト高によるインフレ圧力はさらに高まってきているとみるべきであろう。このことから、当局としても価格統制を含めたインフレ対策に乗り出さざるをえない状況とみられ、金融政策面では利上げを含めた引き締め政策が早期に取られる可能性があり、貿易赤字が示されたことでRMB上昇ペースは緩むとの観測もあるが、インフレ対策としてのRMB柔軟化はある程度容認していかざるを得ないようにも思われる。

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