記事
- 2011年03月05日 00:27
2月雇用統計ポイント〜ほぼインライン
3月5日に米雇用統計が発表された。
Non Farm Payroll +192K
Total Private +222K
Unemployment Rate(U-3) 8.9%
Average weekly hours 34.2h
Average hourly earnings $22.87(MoM:+0.0%)
U-6 15.9%
以下が各種指標のグラフ(出所:米労働省)
(1)NFPとUnemployment Rate(非農業部門雇用者数と失業率)
[画像]
(2)Private Payroll(民間雇用者数)
[画像]
(3)Wage = Average Hourly Earnings * Average Weekly Hours(週次あたり平均賃金=時間あたり賃金*週間平均労働時間)
[画像]
(4)Number Unemployed for 27 Weeks & over(27週以降の失業者数=長期失業者)
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(5)Civilian Labor Force(労働人口)
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(6)Participation Rate(労働参加率)
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以下ポイント
■ESTABLISHMENT SURVEY
・Nonfarm Payrollの+192Kは市場予想の+199Kに対してほぼインライン。一方で12月は+152K、1月は+63Kに上方修正されており、この点ではポジティブではなかったかと思われる。2月の雇用では前月大きく雇用を減らしていた建設業が+33K、運輸倉庫業が+22Kとなっており、大雪により雇用が減っていたセクターで反動増の展開となった。
・製造工業(Manufacturing)は+33Kとなっており、前月の+53K(1月速報の+49Kより上方修正)からはやや雇用増加幅が縮小したものの、製造業では高水準の雇用をキープしている。今後も設備稼働率が上昇していけば製造業の雇用は高い水準でキープしていく可能性もある。建設業は前述のとおり1月の大雪の反動増であり、業況改善による雇用増かどうかは3月以降のデータを待ってみる必要がある。
・サービス業では卸売業で+11.7K、前述のとおり運輸倉庫業で+22.0K、専門職(Professional and business services)で+47Kとなっており、このあたりが全体の民間雇用の増加を牽引している。小売業は2月に減少しているが、1月の雇用増の反動だろう。Temporary help services(一時職)は+15.5K、Health care and social assistance(ヘルスケア・ソーシャルアシスタンス)で+36.2Kということになっており、相変わらず一時的な職業の増加も多い。但し、ベージュブックでは一時職から正社員に切り替える動きが指摘されており、今後は正社員職の増加が民間雇用増加のメインとなるのだろう。
・政府部門はトータルで-30K。内訳は連邦政府で0K、州政府で-12K、地方政府で-18Kとなっている。地方レベルでは財政危機により雇用を削減している動きが昨年から見られているが、全体の非農業部門の雇用に対して大きく足を引っ張っている。2011年の米国の成長率を考える際もこの政府部門はネガティブとして作用する可能性が大きいため、今後の推移には注意が必要である。
・時間あたり平均賃金は22.87ドル、週間平均労働時間は34.2hとなっており、週間あたり賃金は前月から34セント増加の782.15ドル。以下は時間あたり平均賃金の推移(出所:米労働省)。
[画像]
賃金の伸びは極めて緩慢であることから、今後コモディティ高による川上から最終製品にまで価格転嫁が波及してきた場合、消費者マインドを悪化させる可能性がある。また、投入コスト上昇から、賃金など他のコストをさらに抑制する動きも出てくるため賃金そのものも上昇しにくい。
■HOUSEHOLD SURVEY
・失業率は8.9%となり、2009年4月以来の水準である。失業率はUnemployed(失業者) / Civilian labor force(労働人口)で求めるが、2月は労働人口が増えていた以上に失業者が減ったため失業率が低下した(Unemployed:-190K、Civilian labor force:+60K)。
[画像]
このため、最もポジティブなパターンでの失業率の低下ではある。しかし、労働参加率(Participation Rate)は過去25年来で最低の64.2%となっており、労働参加率の低下によって失業率が低下しているというトレンドを変えるには至っていない。今後、景気回復により労働参加意欲が戻ったとして、毎月労働参加率が0.1ポイント上昇していく場合、現状の失業率をキープしていくには238K/Mの雇用増が必要である。なお、労働参加率が過去25年平均の66.1%であった場合、就業者比率(Employment-population ratio)が本日発表の58.4%であれば、失業率は11.6%となる。
・長期失業率は217K減少の5.993Mとなった。長期失業者が6.000Mを割ったのは2009年11月以来。失業者全体に占める長期失業者の割合は42.2%となり、1月の43.8%から低下している。長期失業者が減少傾向であるのは雇用状況が回復している事を示唆しているが、一方でブランクに伴うスキル喪失など雇用のミスマッチも大きな問題として残っているため、過去の平均レベルにまで戻るには非常に時間が掛かるのだろう。
■マーケットへの影響
・現状Fedの関心事は雇用からインフレにシフトしているため、原油などコモディティの動向とそれにラグを置いて最終製品に波及(転嫁)していく動きを注視していくものと思われる。しかし、民間雇用の増加というのはそれなりにポジティブに捉えられる可能性もある。<
Non Farm Payroll +192K
Total Private +222K
Unemployment Rate(U-3) 8.9%
Average weekly hours 34.2h
Average hourly earnings $22.87(MoM:+0.0%)
U-6 15.9%
以下が各種指標のグラフ(出所:米労働省)
(1)NFPとUnemployment Rate(非農業部門雇用者数と失業率)
[画像]
(2)Private Payroll(民間雇用者数)
[画像]
(3)Wage = Average Hourly Earnings * Average Weekly Hours(週次あたり平均賃金=時間あたり賃金*週間平均労働時間)
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(4)Number Unemployed for 27 Weeks & over(27週以降の失業者数=長期失業者)
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(5)Civilian Labor Force(労働人口)
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(6)Participation Rate(労働参加率)
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以下ポイント
■ESTABLISHMENT SURVEY
・Nonfarm Payrollの+192Kは市場予想の+199Kに対してほぼインライン。一方で12月は+152K、1月は+63Kに上方修正されており、この点ではポジティブではなかったかと思われる。2月の雇用では前月大きく雇用を減らしていた建設業が+33K、運輸倉庫業が+22Kとなっており、大雪により雇用が減っていたセクターで反動増の展開となった。
・製造工業(Manufacturing)は+33Kとなっており、前月の+53K(1月速報の+49Kより上方修正)からはやや雇用増加幅が縮小したものの、製造業では高水準の雇用をキープしている。今後も設備稼働率が上昇していけば製造業の雇用は高い水準でキープしていく可能性もある。建設業は前述のとおり1月の大雪の反動増であり、業況改善による雇用増かどうかは3月以降のデータを待ってみる必要がある。
・サービス業では卸売業で+11.7K、前述のとおり運輸倉庫業で+22.0K、専門職(Professional and business services)で+47Kとなっており、このあたりが全体の民間雇用の増加を牽引している。小売業は2月に減少しているが、1月の雇用増の反動だろう。Temporary help services(一時職)は+15.5K、Health care and social assistance(ヘルスケア・ソーシャルアシスタンス)で+36.2Kということになっており、相変わらず一時的な職業の増加も多い。但し、ベージュブックでは一時職から正社員に切り替える動きが指摘されており、今後は正社員職の増加が民間雇用増加のメインとなるのだろう。
・政府部門はトータルで-30K。内訳は連邦政府で0K、州政府で-12K、地方政府で-18Kとなっている。地方レベルでは財政危機により雇用を削減している動きが昨年から見られているが、全体の非農業部門の雇用に対して大きく足を引っ張っている。2011年の米国の成長率を考える際もこの政府部門はネガティブとして作用する可能性が大きいため、今後の推移には注意が必要である。
・時間あたり平均賃金は22.87ドル、週間平均労働時間は34.2hとなっており、週間あたり賃金は前月から34セント増加の782.15ドル。以下は時間あたり平均賃金の推移(出所:米労働省)。
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賃金の伸びは極めて緩慢であることから、今後コモディティ高による川上から最終製品にまで価格転嫁が波及してきた場合、消費者マインドを悪化させる可能性がある。また、投入コスト上昇から、賃金など他のコストをさらに抑制する動きも出てくるため賃金そのものも上昇しにくい。
■HOUSEHOLD SURVEY
・失業率は8.9%となり、2009年4月以来の水準である。失業率はUnemployed(失業者) / Civilian labor force(労働人口)で求めるが、2月は労働人口が増えていた以上に失業者が減ったため失業率が低下した(Unemployed:-190K、Civilian labor force:+60K)。
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このため、最もポジティブなパターンでの失業率の低下ではある。しかし、労働参加率(Participation Rate)は過去25年来で最低の64.2%となっており、労働参加率の低下によって失業率が低下しているというトレンドを変えるには至っていない。今後、景気回復により労働参加意欲が戻ったとして、毎月労働参加率が0.1ポイント上昇していく場合、現状の失業率をキープしていくには238K/Mの雇用増が必要である。なお、労働参加率が過去25年平均の66.1%であった場合、就業者比率(Employment-population ratio)が本日発表の58.4%であれば、失業率は11.6%となる。
・長期失業率は217K減少の5.993Mとなった。長期失業者が6.000Mを割ったのは2009年11月以来。失業者全体に占める長期失業者の割合は42.2%となり、1月の43.8%から低下している。長期失業者が減少傾向であるのは雇用状況が回復している事を示唆しているが、一方でブランクに伴うスキル喪失など雇用のミスマッチも大きな問題として残っているため、過去の平均レベルにまで戻るには非常に時間が掛かるのだろう。
■マーケットへの影響
・現状Fedの関心事は雇用からインフレにシフトしているため、原油などコモディティの動向とそれにラグを置いて最終製品に波及(転嫁)していく動きを注視していくものと思われる。しかし、民間雇用の増加というのはそれなりにポジティブに捉えられる可能性もある。<



