記事
  • 祇園
  • 2011年02月25日 11:39

定点観測〜日本の物価指標

2月25日に1月の全国消費者物価ならびに2月の東京都区部消費者物価が出された。全国CPIについては総合指数が99.4(2005年基準)で前年比±0%、生鮮食品除くコアは99.0となり前年比で-0.2%となった。コアコアCPIは96.9となり、前年比で-0.6%となった。以下がCPIの推移(出所:総務省)
グラフ1

コア指数については、石油製品などの上昇が大きく、CPIの押し上げにつながっているものの、生鮮食品除く食料や家庭用耐久財、教養娯楽用耐久財(テレビ)などが押し下げの寄与となっている。このことから、エネルギーを除けば、消費の段階において一次産品価格高騰の影響は受けていないことがわかる。

一方で、同日発表された日銀による製造業部門別投入価格は110.7となり前年比38.5%、産出価格は102.5となり前年比12.8%となっている。

・CGPI(総合、原材料、中間財、最終財)の推移(出所:BOJ)
グラフ2

・製造業部門別投入価格・産出価格の推移(出所:BOJ)
グラフ3

このような企業物価をみると、コモディティ高に伴う原材料費の高騰によって投入コストは押し上げられているものの、需給ギャップが依然として残っていることから最終消費財には転嫁できない構図がさらに強まっている。以下のグラフはCGPI-CPIスプレッドの推移(YoYベース、出所:総務省、日銀)
グラフ4

先日原油が100ドルを超え、コストプッシュの色合いが濃くなっているが、川下ほど価格抑制の圧力が強まっていることから、企業にとってはマージン確保が一層難しくなっていく傾向が見て取れる。消費者物価からはまだその傾向はみえていないが、仮に企業物価指数の素原材料が2007年のレベル、すなわち140を超える段階では、企業側も原料価格が高騰により価格転嫁せざるをえない状況が予想される。このため、CPIこそプラスに浮上するが、消費者の消費意欲を押し下げ需要を後退させる懸念も生じていくものと思われる。現状は135.9であり、川上の価格には警戒を持ってみておいたほうがよいかと思われる

日銀としてもこの点はアップサイドリスクと捉えながらも、「中長期的な物価安定の理解」に基づく「消費者物価指数の前年比で2%以下のプラスの領域にあり、委員の大勢は1%程度を中心」としたレベルにまで物価が上昇していかない限り現状の緩和政策の見直しは行わないものとみられる。

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    BLOGOSサービス終了のお知らせ

    BLOGOS編集部

    03月31日 16:00

  2. 2

    なぜ日本からは韓国の姿が理解しにくいのか 識者が語る日韓関係の行方

    島村優

    03月31日 15:41

  3. 3

    「いまの正義」だけが語られるネット社会とウェブ言論の未来

    御田寺圭

    03月31日 10:09

  4. 4

    カーオーディオの文化史 〜ドライブミュージックを支えた、技術の結晶たち〜

    速水健朗

    03月30日 16:30

  5. 5

    BLOGOS執筆を通じて垣間見たリーマンショック後10年の企業経営

    大関暁夫

    03月31日 08:27

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。