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  • 祇園
  • 2011年02月15日 19:15

China View Jan.2011〜見た目のCPIは下振れもインフレ圧力は強い

2月15日に中国国家統計局は1月の経済指標を発表した。M2及びRMB建て新規融資はPBoC。

・CPI +4.9%(YoY)
・PPI +6.6%(YoY)
・M2 +17.2%(YoY)
・RMB建て新規融資 10400億元


1月については小売売上、鉱工業生産、固定資産投資の発表は行われないようだ。

CPIについては前年比4.9%の伸びとなり、市場予想の5%台中盤の伸びからすれば下振れたものとなっている。以下は中国の物価指標の推移(出所:国家統計局)。

グラフ1

これについては中国証券報の報道で、中国のインフレ指標は食品の比重の低下が反映される見通しと伝わっており(Bloomberg 「中国の1月のCPI、食品の比重低下を反映へ−中国証券報 」より)、食品価格のウエイトが下がり、住宅や医療サービスなどといった品目のウエイトが上がっているものとみられる。それに対して市場では食品価格の上昇を考慮してCPIを予想していた向きもあり、その点で乖離が生じたようだ。以下はCPIの内訳。

表1

食品の価格は再度上昇しており、インフレの主因となっているが、他にもサービスや非食料の価格が上昇しており、価格の上昇が広範に渡っているように思われる。年で最も需要が高まる春節を控えていることも物価押し上げ効果として作用したものとみられる。今後食料品の価格については、FAOが指摘しているように旱魃の影響から冬小麦の生産が打撃を受けており今後減産が見込まれている。このことから備蓄在庫のみの供給となるため、食料品全般の価格への影響も懸念される。また、PPIが前年比で6.6%の伸びを示しており、市場の予想を上振れていることから、さらにコスト面でもインフレ圧力が強くなっている。鉱業、原材料、食料といった川上の価格だけでなく、製造品や日常用品などの川中の価格も上昇していることから、今後最終製品に価格に転嫁されるに従ってCPIがさらに上昇していくことも想定される。従って需要面だけでなく、供給面からもインフレ圧力が強いことが読み取れる。今後国際商品市況の高止まりが続く限り、輸入物価の上昇も伴うことでコストプッシュインフレの色彩も濃くなっていくことも想定される。従って政策面では、早期に利上げが行われ、いずれかの段階でさらなるRMBの高め誘導を行わなければならなくなるのだろう

マネタリー指標についてはM2及びRMB建て新規融資は市場予想を下振れる内容となっている。以下のグラフはRMB建て新規融資とM2の推移(出所:PBoC)。

グラフ2

これについては1月に預金準備率を19.5%と過去最高に引き上げていることから、一部の金融機関で貸出が抑制され始めている可能性がある。2月の指標をみていかないとトレンドが変化したのかどうかは判断が付きにくいが、今後M2並びに新規融資が抑制気味に推移していくのであれば、ある程度引き締め効果がワークしていると判断できるのかもしれない。しかし、不動産を含むストック投資が落ち着いていると判断するには早計であり、マイナス金利が拡大していることも考慮すれば、民間の資金需要は引き続き強いものとみられ、今後さらなる利上げと預金準備率の引き上げを行わざるをえないのだろう。

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