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「人に迷惑をかけない」なんて綺麗事でしかない──乙武さんと多様性を掘り下げる

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異分子は組織にない魅力をもたらす財産

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私が新卒で就職したメーカーは女性採用が少なくて、いま考えるとそれは明らかに採用差別だったんですよね。男性も30くらいになると結婚、40で課長、50に部長に出世だとか、みんな同じ人生が大量生産されていて「気持ち悪いな」と感じました。

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はははは(笑)


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そんな環境で新しいアイデアやユニークな商品が生まれるはずがないですよ。結局、一人一人自由な方がもっと楽しいし生産性も上がるのではないかと思うんです。

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学校でも企業でも組織のなかに異分子がいると管理するうえで非効率的な存在だと思われがちです。一元管理したいがゆえ障壁になる存在と捉えられてしまうのですが、異分子とは、その組織にないアイデアや魅力をもたらしてくれる財産だととらえられるといいと思うんですよ。

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青野慶久。1971年生まれ。サイボウズ株式会社代表取締役社長。大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、 松下電工(現 パナソニック)を経て、1997年8月愛媛県松山市でサイボウズを設立。2005年4月代表取締役に就任(現任)。 社内のワークスタイル変革を推進し離職率を6分の1に低減するとともに、3児の父として3度の育児休暇を取得。

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なるほど。ただ、多様性を単なるカオスで終わらせないためにはビジョンが必要だと思います。 多様とはバラバラなんだから、コミュニケーションは当然面倒くさくなります。嘘があるとややこしいので公明正大であろう、自立しようということを伝えています。

みんな求めるものは違うんだから、例えば社宅などを一律に与えるのではなく、欲しいものがあればみんないってくださいということです。 「嘘をつかずに公明正大である」と「自分で欲しいものを主張できる」この二つがあればいいのではないかと、サイボウズでは実験しているんです。

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なるほど、素晴らしい取り組みですね。


小さいニーズに卓球のようにガンガン返す

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霞が関で「ゆう活」という早い時間から勤務する試験的取り組みが行われましたが、あれも微妙だなと思うんですよね。ワーク・ライフバランスを考えての施策なんでしょうけれども、けっこうワーキングマザーには不評だと聞きます。

早い時間から保育所へ子どもを預けるのがかえって大変なんだということですよね。そういう事情を知らない人が施策を立てているのかなと。私の知人もヒーヒーいっています。でも、よかれと思って“一斉に”始まるわけです。

先ほどの話で言うと、大企業が「社宅を与えれば満足でしょ?」というのと似ていますよね。「ゆう活」も、こうすれば夕方、自由に使えて満足でしょ? という一方的な押し付けが空回りしている。良かれと思って、逆に人々の首を絞めているケースもある。違いのある人がどうやったら働きやすいのか、個人個人にどれだけ柔軟に対応できるかが重要なんですよね。

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そうすると個々人のニーズを掘り起こすプロセス自体が大事になってきますね。個別の小さいニーズにまるで卓球のようにガンガン返していくイメージですね。

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そういう意味で、インターネットに大きな可能性を感じています。アナログの世界で、一人一人個別のニーズに対応するのは大変だったのですが、コンピュータには、その非効率を最小限にできる可能性があります。モバイルワークが可能なのはインターネットが登場したからですし。なぜこれだけ設備環境が整ったのに社会全体としてなかなか変わらないのか不思議なくらいです。

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18年間ソフトウェアを提供して気づいたのは、ツールを渡しただけでは変わらないということです。結局使う人が変わらないと、ツールが置き換わるだけで本質的には変わらない。

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物理的なものだけでなく、マインドも変わらないといけない。だから青野さんと小室淑恵さん(株式会社ワーク・ライフバランス代表)がセットで動いたら最強だと思うんですよね。小室さんが働き方を提示して、青野さんがそれを可能にするツールを提供する。ベストパートナーだと思うんですよ。結局、「社員が見えないところで仕事なんかするはずがない」といった固定概念が改善されないと、この問題はなかなか進まない。

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ツールとマインドは両輪ですね。サイボウズのカンファレンスでも小室さんに登壇していただき「ツールを入れただけでは駄目よ」ってガンガン言ってもらっています。

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