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脅威の利回り32%を叩き出すAirbnb不動産投資の魅力とは - 日本にも押し寄せる「Airbnbの波」乗りこなし方、教えます【第1回】

外国人の旅行者がネットを介して申し込み民家に宿泊する「Airbnb」の利用者が、日本でも増えている。一方で、訪日外国人観光客の増加をビジネスチャンスと捉え、Airbnbを不動産投資の一環として活用する人も出てきている。

ワケあり物件を古民家風の旅館に改装

横浜の住宅街。車も通れないほど狭くて急な坂道を、ブラジルから来た親子3人が、重そうなトランクを押しながら上ってきた。3人はスマホを確認しながら一軒の民家の前で足を止めると、門柱にあった小箱の番号ボタンを押して中から鍵を取り出し、敷地の中へ入っていく。

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室内は和モダンテイストに仕上げてある。

民家は小高い丘の上にあり、手入れの行き届いた小さな庭の向こうには、開けた景色が広がっている。ガラガラと雨戸を開ける音がして、中から「ワオー!」と歓喜の声が聞こえた。

この平屋建ての民家は10月からAirbnb(エアービーアンドビー)として貸し出されている。Airbnbとは、宿泊施設の貸し借りをネットを通じて仲介してくれるサービス。運営元は2008年に創業したカリフォルニア州サンフランシスコにある企業だ。オーナーが住まう家屋の一室、庭に建つ離れ、民家まるごと一軒、別荘、はたまた古城までが貸しに出され、そこに泊まりたい旅行者がネットを通じて申し込む。そのネットワークは、今や世界190カ国・3万4000都市にある150万件以上に及んでいる。

ブラジル人の家族が借りたこの民家は、昨年末まで高齢の女性が1人で暮らしていたのだが、福祉施設に入居することになったので売りに出た。築年数は約60年、敷地面積は約160平米(建物は60平米)で、価格は約500万円だった。横浜市内では破格の安さだ。

しかし、急峻な階段坂の上にあり、駅からは15分ほど歩く。路地からさらに奥まったところにある旗ざお地で再建築は不可。建物の痛みは激しく、家具や生活物資が残されたままのいわゆる「わけあり物件」。これに目を付けたのが、不動産投資家の紺野健太郎氏(37歳)だった。

実質利回り32%が見込める!

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不動産投資家 紺野健太郎氏

「私は、毎月1週間ほど海外旅行をしているほどの旅好きで、Airbnbのことは以前から知っていました。ここは横浜にもほど近く、近所には雰囲気のいいカフェもあるなど環境は抜群。建物はかなり傷んでいましたが、古民家風に改装すれば外国人に喜ばれる“プチ旅館”になるのではと考えたのです」(紺野氏)

トタン張りの外壁は土壁風に、畳と障子・ふすまをすべて新調し、風呂には大きなガラス戸を入れ夜景が見えるようにした。キッチンには大きなシンクと電磁調理器を設置。物置は茶室に改造、ガラス戸や照明具は古民具店で同時代のモノを探してきて取り付けるこだわりよう。改装費用は約500万円、家具家電や諸費用にも約100万円をかけた。

「この物件に投じた費用は総額で約1100万円になります。宿泊費を1泊2万円×30日×70%稼働×運営費30%とすると、月額30万円の利益が見込めます。年間利益360万円/投資総額1100万円で、実質利回りは32%になる計算です」(紺野氏)

およそ3年半で投資額が回収できるという、不動産投資としては理想的な利回り。もちろん、それだけの宿泊客が利用してくれればの話だが、紺野氏は「勝算は十分あります」と言い切る。その根拠にあるのは、訪日外国人観光客の急激な増加と首都圏の宿泊施設不足だ。

深刻な宿泊施設不足に勝機あり

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離れとして茶室もしつらえた。

近年、訪日外国人観光客が急増しているのはご存じの通り。政府が観光立国を旗印に「ビジット・ジャパン」事業を開始した2003年に約521万人だった訪日外国人観光客は、昨年は過去最多の約1341万人まで増えてきた。今年は9月時点ですでに昨年の数字を上回り、通年では1800万人に達することが見込まれている(国は2020年までに訪日外国人観光客を2000万人とすることを目標に掲げている)。

一方で、首都圏を中心にホテル・旅館等の宿泊施設不足が深刻で、昨年のクリスマスや今年の花見のシーズンには、普段7000円程度で泊まれる都内のビジネスホテルの宿泊料が、5万円台に跳ね上がるなどして話題になった。

「海外では1部屋いくらの宿泊料金設定が主流ですが、日本は1人いくらで計算される場合がほとんどなので、家族連れやグループの旅行者にとっては宿泊費用がバカになりません。Airbnbは1泊貸切りの料金設定。私の物件には6人程度まで泊まれるので家族連れなどが利用すれば割安ですし、昔ながらの日本の民家に泊まる異文化体験もできる。需要はあると思うんです」(紺野氏)

また、株式会社リクルートライフスタイルが昨年末、過去1年以内に日本を旅行したことのある訪日上位6カ国・地域の20~59歳の男女600人を対象にした「訪日旅行者の実態調査」によると、次回宿泊したいのは「古民家など日本の古い建築物を利用した宿」29.9%、「日本人の日常生活が体験できる宿」27.7%、「農家など日本の原風景が体験できる宿」21.7%などとなっている。

紺野氏のAirbnbはまさにこうしたニーズを捉えたものと言えそうだが、民家を宿泊施設として貸し出すのはそう簡単ではない。国内では原則として「旅館業法」の規制があるし、見知らぬ外国人が出入りすることには近隣住民の理解も不可欠だ。実はAirbnbに登録されている物件の一部には、こうした法律やモラルの問題をクリアせずに運営されているものもあり、トラブルも起きている。

次回はAirbnbの普及にあたっての課題や問題点などについても見ていきたい。

紺野健太郎(こんの・けんたろう)
不動産投資家。1978年、東京都生まれ。高校を中退後、さまざまな仕事を経験。25歳のときに不動産投資で身を立てることを決意し、31歳のときに最初の物件を取得する。現在は10以上の物件を所有し、年間家賃収入は5000万円を超えている。著書として『最速でお金持ちになる絶対法則』がある。
・公式サイト http://cashflowclub.jp

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