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経済産業省の試算への疑問(1)

経済産業省の試算によると、原子力の発電単価は1キロワット時当たり4.8〜6.2円と、風力発電の10〜14円、太陽光発電の37〜46円に比べて安いとされています。

しかし、この試算は2009年のもので、すでにデータとしては古いと言えます。太陽光発電のコストはここ2年〜3年で世界的に大きく下がってきているからです。

世界経済危機をきっかけに、2008年に欧州では太陽電池バブルが崩壊し、それに併行して中国や米国のメーカーが参入したことで、太陽電池は価格競争の時代に突入しました。特に、太陽の光が強い南欧では、太陽光発電のコストが電力料金並みに安くなってきています。

実際には、現在の太陽光発電のコストは30円台前半くらいかもしれません。日本では家庭用の電力料金は1キロワット時23円とされていますが、日本メーカーの技術力を持ってすれば、あと2年〜3年で欧州と同様に、家庭用電力料金を射程圏に捉えてくるだろうと予想されます。

太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーはまだコストが高く、原子力を完全に代替するのは難しいと、経済産業省は言います。

ところが、経済産業省は原子力のコスト試算における詳細な資料を公開していませんし、原発事故後に露見した強大な利権構造を目の当たりにすると、原子力のコストは意図的に低く計算されていると考えたほうが正しいのではないでしょうか。

なぜなら、使用済み核燃料を何万年〜何十万年も保管するコストが、実質的には計算に入っていないからです(コストとして十数兆円は計算に入っているそうですが、どう考えても足らないと思います。)

最も毒性が強いプルトニウムの半減期は24000年と言われ、無力化するには何十万年かかるのか、正確には誰もわかりません。そして、そのコストはあまりに膨大なため、誰にも計算できません。おまけに、放射性廃棄物の保管場所や保管方法も詳細には決められていません。

経済産業省は原発行政を進める上で、そういった不都合な計算は意図的に省いて国民に示してきたとしか思えません。

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