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企業は儲かっても景気が回復していない、ということ

経団連会長「景気刺激策導入を」 2期連続マイナス成長で(日本経済新聞)

 経団連の榊原定征会長は16日、7~9月期の国内総生産(GDP)速報値が年率換算で0.8%減となったことについて「2期連続のマイナスは重く受け止めなければならない。景気浮揚策が一番の課題で、なんらかの刺激策を導入する必要がある」と述べ、補正予算の編成を含め政府の政策対応を求めた。都内で記者団に語った。

上場企業、「稼ぐ力」9年ぶり最高に 16年3月期(日本経済新聞)

 上場企業の稼ぐ力が一段と高まっている。効率的に利益を生み出す力を表す売上高経常利益率は、2016年3月期に9年ぶりに過去最高を更新する見通し。利益額も2年連続で最高となりそうだ。海外景気の減速など先行きに懸念はくすぶるものの、M&A(合併・買収)や得意分野への集中を通じ採算重視の戦略に転換した効果が表れている。

 15年4~9月期決算を終えた3月期企業1530社(金融など除く)の今期見通しを集計した。経常利益率(原則連結)は6.6%と、金融危機前の07年3月期の6.5%を上回る。4~9月実績は7.1%と初めて7%を超えた。単独決算が中心だった1980~90年代は3%前後だった。

 経常利益の合計額も今通期で34兆887億円と、過去最高だった前期から6.9%増える。

 ……奇しくも上記の2つは同じ日に掲載された代物だったりします。経団連の会長が「景気刺激策導入を」と唱えた一方で、それを尻目に「上場企業の稼ぐ力が」9年ぶりの最高値を更新したことが伝えられているわけです。まぁ、そういう報道は珍しくないのかも知れません。朝日新聞などでも、「給料は上がっていない、アベノミクスはダメだ」みたいな記事のすぐ隣に「人件費増で中小企業が苦しんでいる、アベノミクスはダメだ」云々といった類が載っていたりします。紙面内部での矛盾なんて気にしていては、新聞記者など務まらないのでしょう。

 もっとも上述の場合、ある意味で朝日新聞は筋が通っていると言いますか、「結果はどうあれ結論は変えない」一貫性があるわけです。翻って日経新聞の場合はどうなのでしょうか、長くなるので引用はしませんが、末尾の方で適当に留保を付けているフシはあります。ただ、その点を差し引いてもなお経団連の要求がいかに都合の良いものであるかと示すに十分ではありそうです。確かにGDPはマイナスなのかも知れません。国全体では、そういうことです。しかし、経団連を構成しているような企業の「稼ぐ力」は全く逆なのですから。

 GDPが伸びず、平均給与の下がり続ける中、内部留保とりわけ非金融法人の預金残高は上昇を続けてきました。GDPという国全体のパイが横ばいなのに、企業が使い道を見いだせずに腐らせている金ばかりが増えているわけです。削られた労働者の取り分は内部留保に消えるばかり、ですね。「景気浮揚策が一番の課題」と言うのは、確かにそうなのでしょう。では具体的には何が必要なのか――それは稼いだ富を労働者ひいては日本国内の消費者に還元せず内部留保を積み上げるばかりの企業、及びそれを代弁する経団連を叩きのめすことではないかと思えてきます。

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