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【パリ発】 アベ政権が学ぶ 「デモ集会の禁止」

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国民統合の場でもある共和国広場には献花台ができた。花とロウソクの灯が絶えない。=20日午後8時頃(日本時間21日午前4時頃)、パリ市内 写真:筆者=

 シャルルドゴール空港からパリ中心部に向かう列車には、ピストルを携えた警備員が配備されていた。

 列車はなかなか発車しなかった。隣駅で不審物が発見されたというのだ。

 結局、危険物ではないことが判明し、列車は約15分遅れて発車した。ターミナル駅では警備員がアラブ系の利用客を尋問していた。

 公共交通機関がテロに敏感になっている様子がうかがえる。

 フランス議会は21日、国家非常事態宣言の有効期間をこれまでの12日間から3ヵ月間に延長することを決めた。デモ集会の類はこの間、禁止となる。フランスが世界に誇る「表現の自由」よりも、治安維持が優先されるのだ。

 オランド政権は、これを機に通信傍受法の強化などを図る方針だ。憲法改正も狙う。

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空港からパリ中心部に向かう列車には拳銃を腰に下げた警備員が乗り込む。=20日午後8時頃(日本時間21日午前4時頃)、写真:筆者=

 女神像前に献花に訪れていた女性(40代)は、何を尋ねても「ショックで何と言ってよいのか分からない」と口を押えた。

 地元ジャーナリストによれば「パリ市民の大方は彼女と同様だ」という。いわゆるショックドクトリンである。

 自民党の新憲法草案・第9章では、内閣総理大臣は、緊急事態を宣言することができる。「外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱」があった場合だが、判断するのは首相だ。

 日本でテロらしき事件が起きれば、マスコミが煽り、ショックドクトリンをもたらす。

 そこで首相が「非常事態」を宣言すれば、デモ集会はフランスのように開催できなくなるのである。当然のように表現の自由も制約される。通信傍受法(盗聴法)の強化も容易だ。

 安倍官邸は息を凝らしてオランド政権の対応を見守っている。「学べるものはすべて学ぼう」と。

  ~終わり~



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