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現状の地合いは高インフレで通貨安判断?

為替千里眼、今週も本格的に動意付いてきたような雰囲気ではありますが、昨晩のNY市場は欧州債務懸念の後退や米マクロの好転などを背景にリスク許容が拡大、ダウ平均は+180ドルと大幅高、債券市場もベアスティープで、10年利回りは+2bpの2.18%で引けております。昨日は、仏独のEFSF2兆EUR規模への拡大が基本合意したことがユーロの反転材料として捉えられ、一時1.36Midレベルまで下落していたユーロドルは既に1.37Highまで反発しているところではありますが、動意が本格化してくると同時に、欧州各国および銀行セクターへのレーティングも本格化してきたような感じで、ムーディーズはスペインのソブリン格付けを2段階引下げ、フランスに対しても一段の赤字削減が必要と警告を発するなど、案の定格付け会社によるレーティングリスクが台頭してきたといったところです。今回のスペインの格下げは既に7月時点で警告が発せられていたこともあり、インパクトとしては然程大きなものにはなりませんでしたが、イタリアも多く銀行セクターが格付けを引下げられるなど、引続き突発的なネガティブ材料には注意しておきたいところです。

さて、昨晩の米マクロから軽く振り返ってみたいと思いますが、序盤のPPIはエネルギー価格の大幅上昇を背景に前月比+0.8%と予想を大幅に上回り、コア値も+0.2%と軒並み上昇となりました。コア中間財も+0.2%と8月来のプラス、原材料も+1.0%と4ヶ月連続の上昇で、基調的なインフレバイアスが一段と強まっている証左とも取れる結果だったと言えます。その他、TICS統計は、+579億USDの買い越し、7月の96億USDから急増加しており、米国の格下げ後も民間からは米国債に対するなお堅調な需要が続いていたことが明らかになっております。タイミング的にも欧州債務問題が深刻化し、安全資産としての受け皿の役割が強まったことが背景にあるかとは思いますので、質への逃避の影響が勝っていたという状況です。その他、NAHBは+4pの18と市場予想を上回る結果(これはちょっと驚きでした)、バーナンキ議長の講演は、金融政策の先行き指針の伝達方法について「FOMCは引き続き先行き指針および金融政策の計画を巡る透明性を改善する方法を模索している」と延べ、特段目新しい材料は提供されませんでした。

EURUSD Daily
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昨日も軽く触れましたように、日々のマクロの改善により米経済の悲観論が後退しつつある状況下では、引続き23日の欧州首脳会議に向けた期待感と失望感のせめぎ合いが続くものと思われ、昨日はEFSFの拡大合意というポジティブ材料と、スペインのソブリン格下げが拮抗したところではありますので、今日もまた両サイドからのヘッドラインに左右されやすい状況が続くと思われます。ただし、ユーロドルのテクニカルでは、遅行スパンがようやく陽転し、一段の上値期待が広がりつつある状況ではありますので、下値ではしっかりとストップを置きつつ、雲下限および心理的節目となる1.40手前までの上昇を期待したいところではあります。先般のリバースH&Sも1.36まで下押しし反発しておりますので、右肩上がりの良いチャート形状になっていると思われます。23日をゴールだと捉えると、週末に掛けては引続きアップサイド寄りのバイアスが強まり、金曜日に一気にロングが解消(イベント前という意味合いで)されるシナリオを想定しておりますので、この後の欧州勢の出方をしっかりと見極めたいところかもしれません(ダウ先はマイナス圏推移ですけどね・・・)

今日の焦点はやはりNY市場でのCPIということになりますが、昨日発表された英CPIは市場予想を大きく上回る+5.2%となったにも拘らずポンドが下落したことを考慮すると、現状はインフレバイアスの強まりがネガティブに捉えられる可能性がある点には注意が必要かもしれません。売り要因が通貨や中銀に対する信任の部分に起因するのかもしれませんが、各国中銀とも緩和姿勢を強めているなかで、インフレバイアスの高まりを認識しつつも現状は足許の景況感の改善と目先の金利低下に軸足を置いていることから、米CPIに関しまして市場がどのような判断を下すのかは不透明だと認識しておきたいところです。

では、この後も頑張りましょう!

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