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- 2011年10月15日 21:32
利上げ目処は失業率7.5%? 来年も無理っぽい・・・
為替千里眼、改めて今週も1週間お疲れ様でした。今週はお仕事の関係でなかなかマーケットを見れなかったのが実情ではありますが、一時期の回避動意一色の地合いは、EFSFの各国批准完了をきっかけに急激に改善し、また株式市場も米企業の好決算を背景に大幅反発、懸念された米マクロも一応堅調さを保っていることから、これまでの円買いドル買い債券買いに対するアンワインドを背景にストレートが大幅高、週末のNYダウも+170ドル弱と週明けの東京市場での展開に期待を持たせる結果となりました。依然として欧州銀行セクターへの懸念こそ残っておりますが、週末は欧州債務危機への対応に対する期待感を背景にユーロドルは1.39付近まで急上昇、23日に延期された欧州首脳会議での危機対策に対する具体的な内容で合意がなされるとの期待感がユーロやその他リスクセンチメントを下支えしているような状況です。もちろん、その期待感が肩透かしに終わるリスクこそありますが、依然としてブリッシュな地合いが継続しているのが実情です。
これまで積み上がったユーロショートを考慮しても、ショートカバーの一環と見る向きも依然として多いところではありますが、その他米リテールが7ヶ月ぶりの高水準となるなど、地合い全体が改善に向かっていることから、ユーロドルは心理的節目となる1.40手前までは上昇する可能性を残しており、週明けこそ急上昇に対する調整下落に見舞われる可能性こそありますが、既に8月末の高値1.45起点の下落リトレースメントの半値水準1.38Midは一応クリアしておりますので、やはり61.8%レベルとなる1.40がターゲットとして視野入りしているものと思われます。一方のドル円に関しましては、コアレンジを77円〜77円Midに切り上げてはいるものの上値は依然として重く、10年利回りこそ上昇しているものの、なかなか上値を伸ばせないといった感じです。テクニカル面でも均衡表の雲下限にCapされている状況で、遅行スパンも価格にレジストされている状態、週明け以降はその価格のレジストも急激に切り下がってくることから、そのリスクを前提に対円通貨の取引には留意したいところかもしれません。
CFTC IMM positions(October 11, 2011)
JPY:Long54,190 Short19,071
EUR:Long17,040 Short90,835
GBP:Long15,391 Short77,363
CAD:Long23,922 Short48,835
CHF:Long 5,233 Short 5,220
AUD:Long37,196 Short26,443
NZD:Long12,075 Short 5,237
※先週データはこちら
IMMポジションです。ご周知のとおり欧州ショートは大きく解消されていると思いますので、週末の時点では数値以上にショートは減少しているものと思われます。スイスはSNBによる対ユーロでの下限設定以降、完全に蚊帳の外になってしまったような感じですが、相変わらずリスクテイクの様相は見えておらず、オージーなどの高ベータのロングは依然として萎縮状態ではありますので、まだ完全にリスクオンの地合いとなっているとの判断は時期尚早かもしれません。とは言え、地合いの改善を背景にショートカバーは継続しているところではありますので、戻りの目処を付けつつもその水準から叩くのか、さらなる上値期待を背景に追従するのか、しっかりと見極めたいところかと思います。
US10Y Treasury Notes
リンク先を見る
10年債利回りです。11日の更新でも取り上げましたように、Wボトムのネックラインを明確に越えてきていることで、8月末の水準2.30%付近までの上昇が見込まれるところ、さらに半値戻し水準となる2.45%付近までの上げ余地は残していると思われます。今週は、FOMC議事録においてQE3の検討もなされたとの議事要旨が公表されたにも関わらず、債券市場は軟調に推移したことから、現状の利回り高騰は米金融政策方針からくる債券需要ではなく、単に欧州債務危機を背景とした安全資産に対する需要だったことが窺え、その欧州債務危機の後退が債券売りに直結したことで、QE3実施への可能性を打ち消したと判断できます。
その今週発表されたFOMC議事録によると、FFレートを据え置く条件付きの約束に対して、より多くの指針を提供することについて協議していたことが明らかとなっております。こうすることで政策の透明性の向上を図ろうとしている訳で、ECB(トリシェ総裁と言った方が相応しいかもしれませんが)による「Strong vigilance(強い警戒)」が、次回会合での利上げサインになっているのと同様に、Fedが具体的な指針を提供し、その指針に従ってFFレートを決めていくというものです。現在でもPCEデフレーター上昇率の中心値を+1.7〜2.0%としており、また失業率も5.2〜5.5%程度を中心値に捉えておりますが、現在の経済状況ではあまりそのベンチマークも機能しておらず、失業率は高いままなのにインフレ期待が上昇し、市場が近い将来の利上げを予想してしまうことなどに懸念を抱いているのかもしれません。
これについてハト派のエヴァンス総裁は「中期インフレ率が+3.0%を下回っている状態で、かつ失業率が7.5%または7.0%へ低下するまでFFレートの据え置きにコミットする」との提案を行ったようですが、そう考えると、Fedの利上げ開始時期は来年2012年も可能性は相当に低く、ドル円に関しましても80円以下の状態が当面続く可能性が示唆されるところではあります。目先、デイリーベースのレジストが77円、ウィークリーベースのレジストが81円付近に位置しており、無論時間と共にそのレジストは切り下がってきている状態ではあります。2011年も残すところ約2か月ではありますが、年末までに80円付近まで戻すことができるかどうか、来週は重要な米マクロが多く予定されている1週間でもありますので、個人的には既にチャネル下限に位置していることを考えると、年末までに80円付近への反発可能性は高いと見ておりますが、あとはQE3が再び台頭するようなマクロ環境に陥るか否か次第かと思われますので、そういう意味では来週は重要な1週間となりそうなので、しっかりとスケジュール管理をしてできるだけマーケットに携われるようにしたいところではあります。
では、今週もありがとうございました。
来週もまた頑張りましょう!
これまで積み上がったユーロショートを考慮しても、ショートカバーの一環と見る向きも依然として多いところではありますが、その他米リテールが7ヶ月ぶりの高水準となるなど、地合い全体が改善に向かっていることから、ユーロドルは心理的節目となる1.40手前までは上昇する可能性を残しており、週明けこそ急上昇に対する調整下落に見舞われる可能性こそありますが、既に8月末の高値1.45起点の下落リトレースメントの半値水準1.38Midは一応クリアしておりますので、やはり61.8%レベルとなる1.40がターゲットとして視野入りしているものと思われます。一方のドル円に関しましては、コアレンジを77円〜77円Midに切り上げてはいるものの上値は依然として重く、10年利回りこそ上昇しているものの、なかなか上値を伸ばせないといった感じです。テクニカル面でも均衡表の雲下限にCapされている状況で、遅行スパンも価格にレジストされている状態、週明け以降はその価格のレジストも急激に切り下がってくることから、そのリスクを前提に対円通貨の取引には留意したいところかもしれません。
CFTC IMM positions(October 11, 2011)
JPY:Long54,190 Short19,071
EUR:Long17,040 Short90,835
GBP:Long15,391 Short77,363
CAD:Long23,922 Short48,835
CHF:Long 5,233 Short 5,220
AUD:Long37,196 Short26,443
NZD:Long12,075 Short 5,237
※先週データはこちら
IMMポジションです。ご周知のとおり欧州ショートは大きく解消されていると思いますので、週末の時点では数値以上にショートは減少しているものと思われます。スイスはSNBによる対ユーロでの下限設定以降、完全に蚊帳の外になってしまったような感じですが、相変わらずリスクテイクの様相は見えておらず、オージーなどの高ベータのロングは依然として萎縮状態ではありますので、まだ完全にリスクオンの地合いとなっているとの判断は時期尚早かもしれません。とは言え、地合いの改善を背景にショートカバーは継続しているところではありますので、戻りの目処を付けつつもその水準から叩くのか、さらなる上値期待を背景に追従するのか、しっかりと見極めたいところかと思います。
US10Y Treasury Notes
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10年債利回りです。11日の更新でも取り上げましたように、Wボトムのネックラインを明確に越えてきていることで、8月末の水準2.30%付近までの上昇が見込まれるところ、さらに半値戻し水準となる2.45%付近までの上げ余地は残していると思われます。今週は、FOMC議事録においてQE3の検討もなされたとの議事要旨が公表されたにも関わらず、債券市場は軟調に推移したことから、現状の利回り高騰は米金融政策方針からくる債券需要ではなく、単に欧州債務危機を背景とした安全資産に対する需要だったことが窺え、その欧州債務危機の後退が債券売りに直結したことで、QE3実施への可能性を打ち消したと判断できます。
その今週発表されたFOMC議事録によると、FFレートを据え置く条件付きの約束に対して、より多くの指針を提供することについて協議していたことが明らかとなっております。こうすることで政策の透明性の向上を図ろうとしている訳で、ECB(トリシェ総裁と言った方が相応しいかもしれませんが)による「Strong vigilance(強い警戒)」が、次回会合での利上げサインになっているのと同様に、Fedが具体的な指針を提供し、その指針に従ってFFレートを決めていくというものです。現在でもPCEデフレーター上昇率の中心値を+1.7〜2.0%としており、また失業率も5.2〜5.5%程度を中心値に捉えておりますが、現在の経済状況ではあまりそのベンチマークも機能しておらず、失業率は高いままなのにインフレ期待が上昇し、市場が近い将来の利上げを予想してしまうことなどに懸念を抱いているのかもしれません。
これについてハト派のエヴァンス総裁は「中期インフレ率が+3.0%を下回っている状態で、かつ失業率が7.5%または7.0%へ低下するまでFFレートの据え置きにコミットする」との提案を行ったようですが、そう考えると、Fedの利上げ開始時期は来年2012年も可能性は相当に低く、ドル円に関しましても80円以下の状態が当面続く可能性が示唆されるところではあります。目先、デイリーベースのレジストが77円、ウィークリーベースのレジストが81円付近に位置しており、無論時間と共にそのレジストは切り下がってきている状態ではあります。2011年も残すところ約2か月ではありますが、年末までに80円付近まで戻すことができるかどうか、来週は重要な米マクロが多く予定されている1週間でもありますので、個人的には既にチャネル下限に位置していることを考えると、年末までに80円付近への反発可能性は高いと見ておりますが、あとはQE3が再び台頭するようなマクロ環境に陥るか否か次第かと思われますので、そういう意味では来週は重要な1週間となりそうなので、しっかりとスケジュール管理をしてできるだけマーケットに携われるようにしたいところではあります。
では、今週もありがとうございました。
来週もまた頑張りましょう!



