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1.30、100円割れまで達成感は醸成されない?

為替千里眼、言うまでもなくギリシャ懸念再燃で金融市場はボロボロ・・・っと言っても過言ではありませんが、昨晩のNY株はISMの好結果にも関わらず260ドル弱の大幅下落、S&Pは約1年ぶりの安値更新、VIXは8月8日の48%に迫る勢いで上昇いたしました。市場の逃避的な動きから米債も大きく上昇しブルフラット、10年利回りは前日比-16bpの1.76%まで低下しております。為替市場は円とドルが選好されるなか、ギリシャのデフォルト懸念を背景としたユーロ売りにより、ユーロドルは8ヶ月ぶりの安値となる1.31Mid付近まで下落、ドル円も長期金利の低下を背景に76円Midまで下押しした影響もあり、ユーロ円は一時100円台を記録するなど、いよいよ心理的節目となる1.30、そして対円での100円というのが現実味を帯びてきたような感じです。昨晩は、ユーログループ会合が開催されているにも関わらず、ギリシャ救済に関する具体的な進捗が見られなかったことが嫌気されましたが、既にユーログループ内でも相当に軋轢が生じており、第6トランシェの実行が一段と不透明になってきた感は否定できません。

さて、昨晩も軽く触れましたが、引続きギリシャの財政目標未達が足枷となっており、第6トランシェ実行の判断がなされる予定となっている10/13のユーロ圏緊急財務相会合までに、ギリシャはトロイカが要求する公務員給与の20%削減などの追加措置をなんとしてでも遂行しなければならない状況にあります。ギリシャ地元紙によると、2011 年と2012 年の追加的な財政赤字削減策は総額66億EUR規模に達する見込みで、重要な財政措置として、現在の公務員約3万人が2011年末までに「予備労働者」に指定された上で、40%の賃金引き下げが行われ、新たな配置先が決まらなければ1年後にレイオフされる予定だそうで、後回しにされてきた公務員に対するメスがようやく入る模様です。少し驚いたのが、この「予備労働者」のうち2万人が60歳以上の職員を予定しているそうで、まぁ日本で言う嘱託みたいなものかもしれませんが、それにしても60歳以上の職員が2万人以上って・・・、この改革ピッチの遅さが余計に周縁国による救済判断を鈍らせているといっても過言ではありません。

すっかりと欧州問題に影を潜めてしまっている米サイドですが、昨晩は注目されたISM製造業が、予想50.3に対して結果51.6と大健闘、構成項目も新規受注こそ横ばいではありましたが、生産指数は+2.6pの51.2、雇用指数も+2.0pの53.8と改善が目立ちましたので、それなりに評価ができるところではあります。その他、自動車販売台数に関しても市場予想を大きく上回り4月以来の高水準、建設支出も予想-0.2%に対して結果+1.4%と、公共部門の伸びが全体を押し上げる良い結果ではありました。今晩は、バーナンキ議長による両院合同での議会証言が争点となりますが、金融政策に対する言及がなされるか否か、失業率の高止まりに対して今後どのような方策を検討しているのか、などの認識を示すかどうかに注目したいと思います。とは言え、ツイストオペ直後、雇用統計直前ということもありますので、積極的にポジションを傾けるといった状況ではないかもしれません。

今日の東京でのRBAレートは予想通りの現状据置き、声明分でも成長鈍化に対するリスクや世界経済の不透明感こそ指摘されておりましたが、現状のキャッシュレートは依然適切、基調的なインフレは年初から加速しつつあるという認識を示し、他国中銀のような積極的な緩和方針の選択肢はないと判断できる内容ではありました。プライスそのものは金融市場全般的な回避動意を背景に、逆に下落してしまったイメージの方が強いのですが、現状の欧州問題といった外部要因が非常に強く影響を受けておりますので、この問題がある程度落ち着きを取り戻せば、他通貨をアウトパフォームすると見ております。この後の展開につきましては、やはり引続きユーロの軟調展開、ユーロ円の100円割れリスクも指摘されるなか、本邦サイドからの対ユーロでの介入がなされるか否か、と言う点もまた争点になりつつあります。

安住財務相からは、しきりに極度の円高水準に対する不快感が示されておりますが、実際に介入したとしても欧州問題の根本が解決しなければ再び反落になるでしょうし、現状の円高水準以上に深刻な状況に陥っているのがギリシャ問題であり、ないしは欧州債務問題でありますので、この状況下で積極的に介入ができるかどうかは懐疑的で、例えば日経平均の大幅安などを伴わない限りは、なかなか対ユーロにせよ対ドルにせよ実弾介入というのは難しいのではないかと思います。ということで、引続きユーロは1.30までは戻りに徹したいと思います(笑)

では、午後も頑張りましょう!

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