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「GDPは1年半マイナスだ。アベノミクスで好循環が始まったとは言えない」岡田代表

 岡田克也代表は19日、定例記者会見を開き、臨時国会の開会要求や経済状況等について見解を述べた。

臨時国会について

 岡田代表は、「憲法53条をしっかり読み直していただきたい。国会議員の4分の1以上の要求があれば『開かなければならない』と書いてある。それにもかかわらず通常国会まで国会を開かないというのは、明確な憲法違反だ。様々な課題が山積する中で開かないというのは、国民に対して説明責任を果たしていないということ。これからも求めていきたい」と述べた。

 記者団から、具体的にどのような方法で開会を求めるのかと問われ、本日の5党幹事長の街頭演説を始め、国民に直接訴えていく考えを示し、「これは明らかな憲法違反。ぜひそれをマスコミの皆さんも伝えてほしい」と応じた。

景気の状況について

 先ごろ7~9月期のGDP速報が公表され、2期連続でマイナスだったことを踏まえ、岡田代表は、「昨年度も通年でマイナスだったので、1年半マイナスが続いていることになる。『アベノミクスで好循環が始まった』とは、とても言えない状況であることは明らかだ。そもそも国民の実感は『生活が良くなったとは思えない』というのが圧倒的だが、それが数字でも裏付けられた」と感想を述べた。

 その上で、企業の設備投資について「利益が上がっているにもかかわらず、国内での投資につながっていない」と指摘し、この点に関連して、政府・与党では法人税減税を行う財源として投資減税を止めるという話があることについて、「全く逆だと思う。もし投資を喚起するというのであれば、より強力な投資減税を行うべきだ。法人税率を一律に下げることは投資喚起につながらないばかりか、投資にも賃上げにも回らず企業の中で溜め込まれてしまうか、海外への投資に向かうだけだ」との見方を示した。さらに、法人税減税に強い意欲を示す安倍総理に対し「状況をしっかり見極めて、必要な政策なのかどうか、より効果的な政策があるのではないかということを、もう一度考え直してもらいたい。政府の中にはそうした声はあると思うが、なかなか総理に言いにくい雰囲気もあるのではないか」と苦言を呈した。

 これに関して記者団から、安倍総理は「減税したら投資もする」という経団連の言い分を真に受けているという見方もあるが、岡田代表はどう見るかと問われ「(減税したら投資するという話には)実現する手段がない。今、利益を上げている輸出関連企業が果たして国内でどれだけ投資できるか。更新投資や省エネ投資はある程度期待できると思うが、能力増投資というのがあるのか。例えば自動車産業が国内に新しい工場を作って車を作るというような予定はないと理解している。今は円安だが、どこまで続くか分からないし、今後は内需が縮むと予測される中で、能力増投資をしていくということではない。むしろ設備投資を求めるのであれば、輸出関連企業以外の内需型の企業に求めるべきで、そうした国際競争よりも国内で競争している企業にとって法人税引き下げがどれだけ意味のあることなのかということをよく考えてもらいたい。(安倍総理は)話を聞いている人が偏っているのではないか」との見方を示した。

補正予算について

 岡田代表は「3兆円規模と言われる補正の話が出てきた。中身はまだ詳細を承知していないが、最初に規模ありきではないだろう」と政府の対応を批判した。さらにその財源について「税収が見積もりよりも上回ったとなると当然のようにそれを使うとか、昨年度の剰余金の全額を活用するとかという話になるが、本来、前年度の剰余金の半分は国債の償還に充てるというがルールだ。それを無視して『余ったら使えばいい』というのでは財政規律が緩んでしまう。自民党の稲田政調会長が予算委員会で言われた『今、行革をやらずしていつやるのか』というのは、私も同感だ。財政の立て直しについてもしっかり前に進めていただかないと、この国は持たない」と危機感を示した。

 記者団から、財政健全化について民主党としての目標や手段について考え方を問われ、「2020年にプライマリーバランス黒字化を達成するという方針は変わらない。そのために行政改革を進めるということを訴えていきたい」と応じた。

その他のテーマについての記者団との質疑応答


フランスのテロ事件を受けて

 自民党幹部が共謀罪の新設について前向きな発言をしていることについては、「テロの問題と共謀罪が1対1に対応しているわけではない。われわれも共謀罪の範囲を絞り込む提案をしてきた。テロを防ぐために必要なものであれば議論の余地はあるが、テロに便乗する形で今までの主張を全部実現したいと考えているとしたら、それは違うと申し上げなければならない」と応じた。

 フランスのような事件が日本で発生した場合に対応するために、民主党として国家非常事態に関して提言する考えはあるかと問われ、「日本で同様なテロ事件が起きた時に、現行でどこまで対応できるのか、法制上もっとしっかり対応しなければならないのではないか、ということを「次の内閣」の中で議論するよう、政調会長と話した。関係部門で議論をした上で対応すべきだというところがあれば、われわれとしても提案をしていきたい」と述べ、党内での議論を指示したことを明らかにした。その上で「他方で、9・11の時に『テロとの戦い』といって人権侵害などの問題が生じたこともある。そのバランスが偏らないように目配りしながら議論しなければいけない問題でもある」と、慎重な検討が必要との見方を示した。

野党協力について

 ある有識者が「共産党に組織を乗っ取られるより、安倍総理に日本を乗っ取られている方が重大だ」と指摘していることについて、どちらの考えに近いかと問われ、「気の乗らない選択肢だ。いずれにしても、われわれは安倍政権と戦っていくことが重要だと思っている。そのような勢力がお互い必要な範囲で力を合わせていくということが大事だ」と応じた。その上で「共産党とは基本的な政策や考え方が違っており、われわれが政権を共にするということはあり得ないと考えているが、いろいろな面で協力してやっていることはある」と述べた。

 さらに「共産党との協力は民主党にとってマイナスだ」という人々の主張をどう受け止めているかと問われ、「共産党に対してある意味でのアレルギーを感じている国民がいることも事実。安倍政権が非常に右に寄ってしまった中で、普通の保守層と言われる人たちの支持も得られやすい客観的な状況がある。そういう中で、幅広く国民の支持が得られる民主党でありたい」と述べた。

 維新の党の中に統一会派を組むことに対して消極的な意見があることについてどう受け止めているかと問われ、「われわれは統一会派を一つの選択肢として示している。維新の党側が『統一会派ではよくない』ということであれば、現状のままで協力していくことになるだろう。維新の党ではこれから代表選が行われるということだから、その状況を見極めて新代表と話をすることになると思う」と述べた。

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