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  • 飯山陽

パリ同時多発テロでイスラム国犯行声明

13日夜に発生したパリの同時多発テロで、イスラム国が犯行声明を出しました。

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しかし長い・・・。今まで私がみたこの形式の犯行声明文の中で、最長です。

音声声明も出されましたが、この声明文を読み上げていただけで、新しい要素はありません。

ただ、例の「カリーバン、カリーバン」がやっぱりBGMで使われていました。。。ロシア機の時の声明でも「カリーバン、カリーバン」でしたし、やっぱりここ一番!って時にはこのナシードなんでしょうね。。。

この犯行声明の概要は、

・ターゲットは詳細に選定した
・実行したのは若い8人のイスラム国戦士、全員自爆ベルトとライフルで武装し、攻撃した後自爆して果てた
・攻撃は、フランスのイスラム国への空爆、フランスによる預言者ムハンマドの冒涜などへの報復
・フランスはイスラム国攻撃リストの筆頭
・今後も攻撃は続く

というものです。

犯行声明を分析すると、ポイントは以下の5点になります。

(1)攻撃がフランスによるイスラム国空爆だけではなく、フランスが預言者ムハンマドを侮辱したことへの報復だとされている点

イスラム国の犯行声明は、私たちのような「敵」にだけにむけられて出されているわけではありません。「味方」「仲間」の共感を得るために出すという目的もあります。

この攻撃について、できるだけ多くの人に「よくやった!」と思ってもらうことが大事なのです。

そこで「預言者ムハンマドの侮辱」、というフレーズがきいてくるわけです。なぜなら、預言者ムハンマドの風刺画問題は過激派にかぎらず、世界16億人のムスリムの多くの心を痛めた問題だからです。

「預言者を侮辱した復讐だ!」と言えば、多くのムスリムは納得する!・・・と彼らはふんだわけです。

うまいですね。。。

またこのことは、なぜパリばかりがターゲットにされるのか?という疑問への答えでもあります。

パリがターゲットにされる第一の理由は、パリにイスラム過激派仲間が多くいるからです。仲間がいないと、こんな計画的な犯行はできません。

そして第二の理由は、風刺画問題です。イスラム国に空爆をしていて、かつ風刺画を描いてイスラムをバカにしている(と彼らが考えている)国は、フランスしかありません。

(2)入念に計画を立てて作戦を実行したとうかがえる点

声明文では、「詳細に選定された場所を攻撃した」とわざわざ言っています。パリのなかでも人が多く集まり、警備が手薄で狙いやすいところを、「詳細に選定」したのでしょう。

2015年1月のシャルリーエブド襲撃事件以降、パリの警備は確かに強化されました。8月にパリに行きましたが、昨年のパリとは違っていました。

・・・でも俺たちこんなすごいことできるんだぜ、と言うことです。

バタクランの犯人のうち1人は治安当局にマークされていたフランス人、もう1人はシリアのパスポートを持ち、さらにもう1人はエジプトのパスポートを持っていたとのことですが、実行犯の他にかなり多くの協力者がいたということが容易に予想されます。

ですから今後のテロ発生の可能性も、非常に高いと言えます。

また実行犯8人はみな自爆ベルトをし、7人は実際に自爆したとのことですから、おそらく実行前に遺言ビデオを撮っているはずです。おそらく今後、イスラム国はいやーなかたちでそれらを出してくるでしょう

(3)オランドがいたスタジアムの外で自爆している点

イスラム過激派はいつも、「悪いのは市民じゃなくて政治家」という言い方をします。

今回も同じで、フランス市民が悪いってわけじゃないんだけど、フランス市民が選んだオランドがバカだからこういうことになるんだよ、というメッセージです。

今回の声明でも「フランスの愚か者、すなわちフランソワ・オランド」なんて書いています。

また、俺たちはオランドの動きもつかんでいるぞ、殺ろうと思えば殺れるんだぞ、というメッセージでもあるのでしょう。

(4)パリが淫蕩と悪の象徴とされている点

声明では、パリは淫蕩と悪の都、なんて書かれています。

今回はライブ会場やサッカー場、バーなどが狙われましたが、音楽もサッカーも酒も全てイスラム的にはハラーム(禁止されたもの)です。

こうしたハラーム・スポットを攻撃することで、敵に対しても味方に対しても、神は音楽やサッカーや酒をお許しにならない、というイスラム国イデオロギーを見せつける意味があるのでしょう。

(5)この攻撃は最初の一撃、とされている点

これは大切なことですが、今回のテロは、「モスルが陥落しようが、ラッカが陥落しようが、イスラム過激派テロは永遠に続く」、というステキすぎる未来を予言するものだと言えます。

ロシアの空爆以降、シリアとイラクではイスラム国の劣勢が続き、イラクではモスルの陥落も夢ではないというところまで来ています。

そのタイミングでこのテロが発生したということは、

「シリアとイラクでイスラム国がたとえ消滅しても、イスラム国遺伝子はすでに世界中に散らばってしまったからもう回収不可能だよ」

というメッセージだと読み取れます。

今回の犯行声明の冒頭でも『コーラン』が引用されています。

彼らは『コーラン』さえあれば、それに立脚していくらでもテロすることができます。

『コーラン』は世界16億のイスラム教徒にとって、まごうことなき「神の言葉」だと信じられている超アンタッチャブルで神聖な存在です。

そしてその『コーラン』は、彼らをテロへと掻き立てるようなフレーズであふれています。

つまりシリアとイラクでイスラム国が崩壊しようが、バグダーディーが死のうが、もう関係ないフェイズまで来てしまった。。。ということでしょう。

いやー、本当に怖いです。

イスラム国はこれまでも散々フランスを脅迫するメッセージを出していて、「パリの街中でお前たちを斬首してやる」とか、「パリを死体で埋め尽くしてやる」とか、言ってたわけですよ。

しかも、「神に誓って」と言いながら。

イスラム教徒が「神に誓って」と言ったら、それは絶対、という意味なのです。もちろん、日常的に「いや、マジだって〜」という程度の意味でも使うのですが、イスラム国の「神に誓って」はかなり本気です。

今日のパリはまさに、彼らが言った通りの地獄絵図でした。。。本当に怖い。

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