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国産ジェット初飛行

航空機産業を日本の新たな基幹産業に育てていきたい。

国産初の小型ジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」が11日、初飛行に成功した。国産旅客機の開発は、プロペラ機の「YS11」以来、約半世紀ぶりだ。日本の航空機産業の発展に向け、大きな期待がかかる。

MRJは座席数が70~90席で、地方都市間の近距離運航に適している。従来機より20%以上も燃費が良く、騒音や排出ガスも少ない環境に優しい機体で、客室を広く快適にしたのが特長だ。

世界の民間航空機市場は、アジア地域での急拡大が見込まれており、MRJのような小型機は今後20年間で約5000機の新規需要があるという。MRJを開発した三菱航空機は、このうちの半分を取り込みたいと意欲的だが、初飛行の成功は受注拡大の弾みになるに違いない。

航空機の部品数は小型機でも100万点を超え、約3万点の自動車に比べると、その多さが際立つ。産業としてのすそ野が広く、中小企業を含めた波及効果は大きい。日本が誇る「ものづくり」の底力を発揮し、日本経済のけん引役にしていきたい。

だが、実用化への道のりは始まったばかりだ。今後2500時間もの飛行試験が必要で、厳しい審査をクリアしなければならない。MRJの初飛行は、度重なる設計変更で当初計画から4年も遅れた。2017年に予定される納入開始まで時間の余裕はないが、課題を順調に乗り越えていかなければならない。

また、国産機とはいってもMRJの部品の国産比率は3割程度にとどまる。国内産業として発展させるには、技術開発や部品メーカーの育成に力を入れるべきだろう。

機体の補修や整備のためのサポート体制の充実も大きな課題だ。かつてのYS11は、こうした体制の不備が撤退につながった要因の一つとされる。同じ轍を踏まないために、十分なサポート体制を構築する必要がある。

MRJの受注を伸ばすためには、政府によるトップセールスが欠かせない。「メード・イン・ジャパン」ならではの安全性や性能の高さをアピールし、積極的に後押ししてもらいたい。

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