記事

週初から大荒れの予感?/今週の主要材料と展望

為替千里眼、この週末はオスロでの大規模テロ事件や中国での高速鉄道追突事故など、市場のセンチメントを大きく後退させるかのような事件事故が多発いたしましたが、一方の米債務上限引上げ協議に関しても引続き難航しているのが実情で、政府側の歳入目処が立たないと合意できないというスタンスが共和党サイドを頑な態度に膠着させているのが実情であります。市場では、米債格下げとなれば年金や機関投資家などから大量の売りが出て、金融市場はパニックに陥るといった懸念が徐々に強まっているようですが、そもそも年金や基金等は格付け条件を付与して販売しているケースが殆どなので、その最高格付けを失うことで売りが出るのは当然なことで、なんとしても格下げだけは回避しなければならないということは市場参加者の多くが周知していることでもあります。

本日は日曜恒例の今週の主要材料と展望のお話となりますが、株式市場は米企業の好決算期待などを背景にブリッシュな見方もある一方、為替の方は上述の米債務上限引上げ問題に加え、ギリシャ救済に関する格付け会社の動向、そして次回レビューとなる9月までにギリシャが中期財政計画(MTFS)の内容を厳守しているかどうかの見極めがポイントとなってくると思われますので、まだまだ足許の地合いは脆いと見ておいたほうが無難かもしれません。ギリシャ救済に関しましては前回の更新でも取り上げましたが、大方の決定事項としては1ギリシャの資金不足1090億EURの融資、2融資金利も3.5%まで引き下げ、3融資満期の最低15年・最長30年の延長、4民間部門の関与(PSIと呼ぶようです)による約370億EUR規模の参加、などが挙げられます。この決定はギリシャのみならずアイルランドやポルトガルにも適用されるという面においては、市場の予想した内容を上回る決定事項であるが故に、短期的には安定を取り戻す可能性はありますが、PSIに関する詳細や現状は方向性が決まったのみの段階であるため、問題の完全克服には時間が掛かるという点は念頭に置いておくべきかと思います。

【7月25日(月)】
・豪PPI
・英NW-HPI
※BOJ白川総裁、講演(11時30分)

【7月26日(火)】
・NZ貿易収支
・独Gfk-CC
・英GDP2Q-Flash
・米C/S-HPI
・米リッチモンドFed
・米CB消費者信頼感
・米新築住宅販売
※RBAスティーブンス総裁、講演(12時05分)
※米2年債入札(26時:350億USD)
※Fedホーニグ総裁、講演(27時:景気見通しと金融政策について)

【7月27日(水)】
・豪CPI
・スイスKOF-LI
・米ベージュブック
※ECBパラモ理事、講演(16時)
※米5年債入札(26時:350億USD)

【7月28日(木)】
・RBNZレートアナウンス
・本邦リテール
・独雇用統計
・欧州委員会サーベイ
・欧消費者信頼感
・米IJC
・米PHSI
※Fedラッカー総裁、講演(25時45分)
※米7年債入札(26時:290億USD)
※Fedウィリアムズ総裁、講演(27時30分)

【7月29日(金)】
・本邦雇用統計
・本邦CPI
・本邦鉱工業生産
・英住宅ローン承認
・欧HICP
・加GDP5月
・米GDP2Q-Flash
・米GDPデフレータ2Q-Flash
・米コアPCE2Q-Flash
・米シカゴPMI-Flash
・米U-Mich-Flash
※Fedロックハート総裁、講演(27時15分:金融政策について)
※Fedブラード総裁、講演(27時15分:金融政策について)


週初のマクロ面では、火曜日の英GDP2Q、水曜日の豪CPIが大きなイベントとなりそうです。英金融政策に関しましては、6月の議事録において従来どおりの投票内容ではあったものの、資産買取枠の増額が必要になる可能性があるとの指摘がなされポンドは大きく軟化し、市場による初回利上げ時期予想に関しても今年8月から来年の2月程度に先送りされました。ただ、MPCはそれほど緩和拡大について積極的に考え始めているかどうかは微妙で、6月はCPIそのものが若干鈍化したものの、7月のMPC議事録ではインフレ見通しを再び引上げており、Fed同様当面は足許の景気動向を見ながら様子見したいというのが実情ではあります。ただ、MPCそのものは個人消費が不振だという認識、そして2Q成長率が鈍化見通しだっということが既にconsになりつつありますので、そういう観点からも火曜日のGDPは特に重要で、インフレ動向以上にGDPの下振れはネガティブに反応する可能性が高そうですので、その点は注意しておきたいところです。

水曜日の豪CPIに関しましては、足許のマクロが鈍化傾向にあるなか、市場はRBAの利下げを俄かに織り込みつつあり、RBAそのものの政策スタンス以上に中国の景気動向、欧米金融政策動向などに左右されやすい展開が続いております。市場の一部は9月利上げなどを予想している向きもあり、利下げそのものを本当に織り込みつつあるのかは些か不透明ではありますが、今週のCPIの結果次第ではその9月利上げに具体性が帯びるのか、年末にかけての利下げに現実味が帯びるのかの分水嶺に立たされているような状況でもありますので、個人的にはアップサイド寄りの展開をイメージしておりますが、その点は少々流動的な部分でもありますので、柔軟に対応しておきたいところ。オージードルはこれまでのレンジ上限1.08を上抜きつつありますので、5月の高値1.10を試すかのような足型となっておりますが、既にモメンタムもOBゾーンとなりますので、再び1.07アラウンドまで押し戻されるリスクも想定しながら、引続き押し目狙いというスタンスで良いのかもしれません。

少々長くなってしまいましたので、他の材料に関しては日々の更新で取り上げたいと思いますが、今週は米債務上限引上げ問題を背景に週初から荒れ模様となる可能性がありますので、特に材料のない月曜日動向には振り回されないよう、短期的なトレードに終始しておくのが無難なように思えます。

では、今週もよろしくお願いします。

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    BLOGOSサービス終了のお知らせ

    BLOGOS編集部

    03月31日 16:00

  2. 2

    なぜ日本からは韓国の姿が理解しにくいのか 識者が語る日韓関係の行方

    島村優

    03月31日 15:41

  3. 3

    「いまの正義」だけが語られるネット社会とウェブ言論の未来

    御田寺圭

    03月31日 10:09

  4. 4

    カーオーディオの文化史 〜ドライブミュージックを支えた、技術の結晶たち〜

    速水健朗

    03月30日 16:30

  5. 5

    BLOGOS執筆を通じて垣間見たリーマンショック後10年の企業経営

    大関暁夫

    03月31日 08:27

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。