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奨学金 無理ない返済へ「所得連動型」を

月々の返済額が所得に応じて決定できる。そのような奨学金制度の実現をめざし、文部科学省の有識者会議が検討を進めている。

議論されている制度は、「所得連動返還型」といわれ、奨学金利用者の経済的負担や不安感を軽減し、安心して進学できる環境づくりが狙いだ。公明党の学生局が学生たちの声を踏まえ、安倍晋三首相に導入を提言したもので、早期実施が望まれる。

公明が提唱する新制度は、卒業後に毎月、定額を返す現行制度と異なり、年収が一定金額に達した段階から返還してもらう。その後も、収入に連動した無理のない範囲で、返済額が決められるのが特徴だ。収入の把握は、来年1月から始まる社会保障と税の共通番号(マイナンバー)制度を活用する。

本人の経済状況に応じた弾力的な仕組みといえよう。

対象は、日本学生支援機構の奨学金になる予定だ。現在も、同機構の無利子の奨学金に限って、年収300万円以下なら返済を先送りできる仕組みはある。しかし、300万円を超えると固定された金額で毎月の返済が始まるので、一気に負担がのしかかっていく。万が一、支払えない場合は延滞金が発生する。

実際、年収の伸び悩みや非正規雇用者の増加などによって、3カ月以上延滞している返済者は17万人を超す(2014年度末)。また、3カ月以上延滞すると個人信用情報機関に氏名が登録され、クレジットカードの使用に支障をきたし、日常生活に影響が及ぶ。

このため、公明党学生局が各地で開催している学生との懇談会でも、自分が社会人になってから延滞に陥らないか不安を訴える奨学生がいる。

ここはぜひ新しい制度で延滞を減らしていきたい。

有識者会議は今年度末をめどに取りまとめ作業を終えるが、検討テーマは少なくない。返済を開始する最低所得金額や返済金の最低下限月額の設定をはじめ、さまざまな課題はあろうが、この制度を既に採用している英国やオーストラリアなどの取り組みは大いに参考になるはずだ。

奨学金は教育の機会均等に大きな役割を果たす。学生が利用しやすい制度の実現に知恵を出してほしい。

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