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耕作放棄地の税金を1.8倍?ん、これは懲罰的課税制度のはしりではなかろうか

課税をこんな風に特定の政策実現の手段に使っていいのだろうか、という疑問に駆られている。

課税は、納税者の担税力を考慮しながら、所得再分配と公共の福祉実現のための財源確保のためになるべく公平、公正に行われるべきものであると思っているのだが、耕作放棄地をなくすために耕作放棄地に係る固定資産税を1.8倍にしよう、などと言われると、即効性はあるだろうがずいぶん乱暴な議論だな、と思わないでもない。

耕作放棄地になってしまうというのは、多分その土地からの収益がないか、所有者にとって利用価値がない土地だということだろうから、そういう経済価値にない資産に余計に重い税金を課すというのは少々おかしくないか、という懸念である。
これがいいということになったら、次はゴミ屋敷や空き家、未利用地の税金も高くしてもいいではないか、ということになりそうな気がする。

租税理論からは少々逸脱しているように見えるが、果たしてどうだろうか。
何だか、特定の資産保有者に対する狙い撃ち課税も許されるということになりそうだ。

耕作放棄地の所有者の税金を重くする。
ゴミ屋のア所有者の税金を重くする。
空き家の所有者の税金を重くする。
未利用地の所有者の税金を重くする。

こういうことをどんどんやっていくと、結婚を奨励するために結婚しない人の税金を重くする、女性の労働力を活用するために働かない女性の税金を重くする、高齢者の就業を促進するために働けるのに働かないお年寄りの税金を重くする、などということにもなりかねない。

ご冗談でしょう、と怒られるかも知れないが、特定の政策目標実現のために課税制度を利用するということはこんなものだ。

こういうことを考え出す人には悪意はないのだろうが、世の中には独身税の創設を唱える人もいるくらいだから、特定の政策目標を実現するために課税制度を活用することには少し慎重になった方がいいだろう、というのが私の率直な感想である。

私だったら、課税強化よりは、耕作放棄地の公的機関による買取制度や耕作放棄地の売買斡旋制度の創設やこれに伴うADR制度の導入などを提案するところである。

まあ、農水省がどんなことを考えていても、財務省や総務省がウンと言わなければこういう話は前へ進まないだろうから、霞が関や永田町でこれからどんな議論が行われていくのか注目していこうと思っているところである。

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