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たぶん、これからいろんなところから野球賭博の続報は出るので

 いまのタイミングでどうのこうの論ずるのは相応しくないかもなあと思っていたら、ここで木曽崇さんが記事をぶち込んでおられました。お疲れ様でございます。

野球賭博問題:「巨人に制裁金1000万」の大アマ裁決
http://blogos.com/article/143914/

 もちろん、状況的に動きはまだまだあるため、NPBとしても当面の処置としてこの内容にしたのでしょうが、採決が甘いといわれるとそうなのだろうなと感じます。比較として、角界やJリーグの話も出ておりますし、NPBとしても現在のところ確定している事実としてみた場合の裁決であって、コミッショナーの熊崎勝彦さんも元検事の意地にかけても何かしようとするんじゃないかと思います。

 ついでに、朝日新聞も何か言ってます。まあ、そう言いたくなるのも理解できます。

野球賭博、調査の限界露呈 コミッショナー「全容まだ」
http://www.asahi.com/articles/ASHCB5TBLHCBUTQP01X.html

 野球賭博については、一時の娯楽に供するものかどうかに関わらず、アウトと考えるべきです。これは、違法だからやっちゃいけない、ということだけではなく、プロ野球に関わる者として、職業倫理上このような賭博紛いだけでなく野球そのものを賭け事の対象にしてはならないでしょうという話です。

 で、木曽さんも指摘されてますが「球団全体における『違法賭博の蔓延』」については、球界全体かどうかはともかく古い体育会系の縦の繋がりの中で雀荘や賭けゴルフが一般的に行われ続けていることについて、どう問題視し、解決に導いていくのかというのは極めて重要な部分であります。楽天イーグルスも野球賭博の報道が出た直後に全職員、全選手を対象に賭博の有無について詳細な聴き取り調査を行って、NPBに報告しています。「遊びのつもりでも、プロ野球に関わる人間は合法、非合法を問わず賭博は自制するべき」というほかありません。平たい話が、ユニフォームを着ている限り、博打うったらクビになる可能性が高いよということです。

 翻って、今回の野球賭博問題は、先日行われた山口組分裂騒動にまつわる本部ガサ入れの結果、出てきたものが影響しました。当初報道がああいう形でしたので、誤解が広がった部分はあるのでしょうが、それは本筋ではないので差し置きます。ただし、野球賭博の賭場を約盆で開帳することは、単なる賭場開帳罪(賭場開帳図利)では収まらない事案です。なぜならば、当然のように図利は必ず暴力団筋との関わりが疑われるからで、NPBが積極的に進めてきた暴力団との関係性排除の取り組みとも相反するものです。

 しかしながら、読売ジャイアンツの3選手の処分で早期に幕を引きたいNPBとは異なり、モノについてはかなり広範な賭博事例が、巨人以外の球団についても具体的な選手名つきで報じられる可能性が高くなっています。「違法賭博の蔓延」と言われるとギャンブル依存のところだけに見えますが、実際に少し枠を広げてギャンブルなどを通じた暴力団関係者との交遊全般となってくると、ちょっと洒落にならないプロ野球の歴史のパンドラの箱が開くわけです。

 折りしも、関東の球団で長年の懸案だった物件の処理のため、多額の現金の授受が行われた取引がありましたが、そこだけ切り取ると「まずいのではないか」となります。でも、プロ野球の歴史を通してみると「もっとまずいのではないか」という話になってしまうんですよね。2010年代に、1950年からの問題を処理しようと言うわけですから、それは関係者が返り血を浴びる物件になるのも仕方ないと思うわけです。

 さらには、プロ野球は興行であり、興行を潤滑に行うために古くから伝統的に行われてきたタニマチ文化のようなものもあります。そもそも、スポーツ選手とタニマチ、スポンサー、太客、金主などなどといった単語は切っても切れない関係にあります。格闘技からハードル競技、野球などプロスポーツは基本的に広告塔になりやすい世界であって、そこのタニマチ筋からちょんちょんがあると選手や関係者は何某のものを供さなければならないし、顔役が誰かと会うときに呼び出されたら二つ返事で同席するのも粋というか仁義の世界だとも言えます。

 それを、例えば選手一人ひとりの心の問題だよとして、倫理を守れと言ったところで、抗い切れない宿痾はさまざまです。選手間だけでなく球団も知っていて切れない選手や大物OBもさまざまであり、いままでは何となくいいバランスを模索し、何とかかんとか対処しながらやってきたというのが現実だろうと思います。そこへ、20代前半の若い選手が「お前、付き合いあっただろう。クビだ」といって処置することが、果たして全体の改善に繋がるものなのか、本人の問題だとして年端もいかず社会経験も乏しい選手を何人か切って幕引きをすることで本当に良くなるものなのかは、球界に関わる人間全体の問題として個々が良く考え、対処していく以外ないのではないかと考えています。

 もうこうなると、何が出てきても驚かず恐れず粛々と対処していき、信頼回復のために関係者各位がどう努力を払っていくのかというところに尽きると思います。読売はとても不運でしたが、プロ野球選手という社会人を束ね、野球を見せて興行をしている球団が、すべての選手のプライベートを管理することは不可能です。本件に関連して、ある中部の球団のオーナーが「私の目が黒いうちは、そういう問題ある人間には絶対にユニフォームを着せない」とお話されていましたが、本当にそういう覚悟で対処していく以外方法はないのだと思います。

 なお、ここに記述する内容は東北楽天ゴールデンイーグルスの組織としての考えではなく、あくまで山本一郎個人のものです。また、お前のところの副会長はどうなんだという質問には断じてお答えしかねますので、あしからずご了承ください。

 こちらからは以上です。

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