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本当の欧州危機はこれから?リスク回避は続く・・・

昨日は遅れ馳せながらのGW消化で1日オフラインにしておりました。申し訳ありませんでした。材料的にも乏しい週末ではありましたので、ある程度の調整フロー程度で、あとは膠着かと思いきや、引続きギリシャ絡みの懸念、格付け会社によるギリシャの格下げなどを背景にユーロが大幅安、ポンドも結局陰線引けとなり、全般的にはドルの買い戻しといった感の強い週末ではありました。NY株は100ドル弱の下落、債券利回り3.17%から再び3.15%に下落、リスクオフの状態は週明け以降も意識されるところかと思われますが、引続きマクロ動向云々以上にギリシャ動向やIMFの次期専務理事選出など、欧州絡みの懸念が市場の主流を支配しそうな雰囲気ではありますので、来週活発化する欧マクロ動向も一段と注目度が高まるかもしれません。

さて、今週を振り返りますと、米マクロは軒並み鈍化したことで米景気先行き不透明感が一段と強まったような雰囲気、FOMC議事録で明らかとなった「出口戦略の順番について広範な議論が行われた」という点については、やはり早期にそれが実施されるという可能性は随分と低いものと思われます。もちろん、Fed自体も「そのような正常化が速やかに開始されることを必ずしも意味しない」としたうえでの出口戦略議論でしたので、マーケットの反応も一過性に留まったのは事実ですが、その反応に対する反動減が出なかったことは、既に年内実施は難しいということを市場が織り込んでいたのかもしれません。

週末のマクロを軽く振り返りますと、木曜日のIJCこそ改善したものの、フィリーはエンパイヤに続き大幅鈍化、中古住宅販売も市場予想を下回りましたので、今週発表された製造業インデックスおよび住宅関連指標は総じて鈍化しており、次月初の雇用統計に関しても非常に不透明感が高まったと言えます。IJCについてBLS(米労働省)は、今週分の統計が特殊要因の影響を受けていないと発表しておりましたので、日本の震災後の部品供給の停滞を受けた自動車工場の一時閉鎖に伴う解雇等の影響はないということではありますが、4週平均は43.9万件と昨年11月来の高水準に上昇していることから、次月の雇用統計でも失業率の上昇が懸念されるところではあります。

CFTC IMM positions(May 17, 2011)
JPY:Long38,016  Short22,643
EUR:Long89,941  Short48,296
GBP:Long30,327  Short31,255
CAD:Long36,008  Short 9,717
CHF:Long24,409  Short 8,748
AUD:Long61,179  Short10,260
NZD:Long22,518  Short 9,894


※先週データはこちら

各通貨とも急激にロングが解消しているのが窺え、既にポンドは売り越しに転じるなど、引続き回避動意を背景にドルの買い戻しが進んでいることが明らかです。日本円に関しましては、先週もロングが3.6万枚でしたので、特段大きな変化は見られず、レートの水準も変わっていないと言う状況です。ただし、デイリーベースでのチャートでは、中期チャネルの上限をアップブレイクし、雲中での揉みあいとなっておりますので、当面は雲下限81円〜上限82円Midの範疇での動きとなりそうですが、震災時の安値76円からの長期サポートの下限が81円アラウンド(雲下限と同様)となりますので、その水準を下方ブレイクしてしまうと再び80円割れを意識した展開になるかもしれません。

US10Y Treasury Notes

10年債利回りです。一時は3.12%レベルまで下落後、FOMC議事録を受けて3.17%まで上昇、週末に再び下落で3.15%レベルでの推移と、今週は相当に上下ラリーしたというのが実情です。利回り水準としては2010年6月以来の水準であり、その時のドル円が86円台でしたので、やはり現状の81円台というのが随分と円高に傾斜しているのが分かりますが、要因としては米長期的緩和政策の継続以上に、ギリシャの債務再編等の懸念が強く、市場参加者の回避的センチメントが支配的になっている証左かと思われます。今後、市場のセンチメントが改善するには、ギリシャ問題の収束、株高、原油高、インフレ懸念、中銀の利上げスタンス再開と、ある程度のプロセスを踏まえる必要があり、乗り越えるべく壁が多く控えていることは念頭に置いておくべきかもしれません。

そういう意味合いでも、米マクロや米景気動向以上に、まずはギリシャの債務再編問題が収束しないことにはお話になりませんが、既にギリシャ国債がデフォルト寸前まで肉薄している以上、デフォルトに陥った際の反応と対処方法も想定しておかなければなりません。既に週末の報道でも述べられているように、償還期限が延長されればギリシャ国債はデフォルトとみなすとフィッチは警告しておりますし、それ以上に追加的な金融支援策の可能性に関しては、フィランドやドイツなどが異論を述べる可能性が高いのが実情です。追加的な支援に関しては、ギリシャ救済という意味合いではなく、他国への懸念波及の事前防止という意味合いでなされる可能性はありますが、いずれにせよ現在ギリシャ入りしているEUおよびECB、IMFの代表団がどのような結論をだすか、本来この週末に調査結果における声明を出す予定でしたが、問題が多すぎて延長とのことでしたので、相当な覚悟は必要かもしれません

この点につきましては、次回更新でまた詳しく取り上げたいと思います。

今週もありがとうございました

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