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今回の雇用統計の内訳と今後のFed政策方針

みなさん、こんにちは!

為替千里眼画像を見る、昨晩の雇用統計は結局不参戦に終わってしまいましたが、指標結果以上の市場反応となったような雰囲気で、ドル円は一時85円手前と震災直後の安値から既に9.0円程度の反発、ストレートはさすがのドル買いの流れで発表直後は大きく軟化いたしましたが、その後はセンチメント改善を背景に着実に切り返し、各通貨とも軒並み急反発となって引けております。株価の方は思った以上に上がりませんでしたが、それでもNYダウで+60ドル弱、週明けの東京市場でも「雇用統計の好結果」を背景とした積極的なリスクテイクが見られそうで、久々に清々しい週末を迎えられたのではないかと思います。今回の雇用統計に関しては、言うまでもなく米労働市場が着実に改善していることが改めて確認されたわけですが、ハト派第一人者であるNY連銀のダドリー総裁は「景気刺激を解除する理由は何もない」と、相変わらずの強固な緩和姿勢を崩しませんでした画像を見るので、この辺が来週以降どのように作用するのか、予断を持たずに取り組みたいところです。

さて今回は、昨晩発表の雇用統計について内容をしっかりと精査しておきたいと思いますが、結果につきましてはご周知のとおり、NFPが市場予想+19.0万人に対して+21.6万人、失業率が予想+8.9%に対して結果+8.8%と、市場予想を概ね上回る好結果となりました。今回はWファーゴの予想がドンピシャで当たっていた点が一番のサプライズではありましたが(笑)、NFPに関しましては過去2か月分も+0.7万人の上方修正がされており、ADPとの乖離も徐々に収斂してきているのが実情、NFPの民間雇用者数は+23.0万人、政府部門は-1.4万人という結果でした。

画像を見る業種別内訳の確認



昨日の更新でも各セクター別の基調的な部分をお話いたしましたが、まずはじめに財生産セクターでは、鉱業が+1.5万人、建設業が-0.1万人、製造業が+1.7万人と鉱業の伸びが顕著となりました。建設は悪天候によって減少した1月の-2.0万人を2月の+3.7万人でカバーしておりますので、今回の-0.1万人は特段意識する必要はないかと思いますが、製造業につきましては、2011年1月の+5.3万人をピークに、2月が+3.2万人、3月が+1.7万人、製造関連のマクロ指標の伸びもややピークアウト感がありますので、次月以降も雇用者数が伸びるかどうかは不透明な情勢になりつつあると思われます。

サービスセクターに関しましては、総計+19.9万人と06年11月以来の高水準となりましたが、専門業の伸びが前月の+4.4万人から+7.8万人と急加速しておりましたので、次月の反動減が少々気になるところではありますが、全体的な回復基調の強さが損なわれている訳ではありません。内訳を見ますと、卸売は+1.4万人と前月からフラット、小売が前月の-0.8万人から+1.8万人に改善、運輸倉庫は+0.0、情報+0.4万人、金融+0.6万人とこのセクターは相変わらずの低調で、昨晩もお伝えしたとおり大幅な変化は今後も期待できないところです。

今回一番大きな伸びを示したのが先述の専門・企業サービスセクターで+7.8万人、労働市場の先行性を占う人材派遣は+2.9万人と前月の+2.3万人と基調的な強さはさほど変わらず、教育医療も前月の+4.1万人から+4.5万人へ上昇、宿泊娯楽が+3.7万人と前月の+4.8万人同等に非常に健闘したのではないかと思います。政府部門に関しては、地方政府を中心に引続き人員削減の流れが続いており、今月も-1.4万人と5ヶ月連続での減少となっております。

画像を見る失業率の改善について



今回の失業率は+8.828%と前月の8.922%から一段と改善いたしました。注目の労働参加率は+64.2%で推移しておりますので、失業率の改善が就職活動を諦めたことによる求職者の減少が背景ではないという点は特筆すべきで、実際に3月の失業者数は-13.1万人と減少する一方、就業者数は23.0万人とそれを上回るペースにとなっている点は素直に評価すべきポイントかと思います。この労働参加率の低下は、昨年11月から今年1月にかけて、64.5%から64.2%まで低下しておりましたので、これまでの失業率の低下は、労働参加率の低下に因るところが大きかったわけですが、3月データはその労働参加率は変わっておりませんので、素直に労働市場が改善している証拠でもあります。チャレンジャーレイオフでも示されていたように、俗に言う解雇などの非自発的失業者の割合は、59.8%と4ヶ月連続で改善している点は、企業の人員整理も一巡し始めている証左でもあります。

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ただ、今回の雇用統計での唯一のマイナスポイントが、バーナンキ議長が一番気にしている長期失業者の増加についてで、今月も平均失業期間は、2月の37.1週間から39.0週間に一段と長期化、27週以上の長期失業者の割合が、失業者全体に対して45.5%に上昇(前月は43.9%)するなど、今後一段の失業率低下にとっては、この長期失業者に対する対応が課題になることは明らかで、Fedの適正失業率水準となる5〜6%台へ低下させるためには、従来どおり金融政策面で急激に引き締めに転じる可能性は低いと見ておいた方が無難かと思われます。

Fed主要メンバーの多くがハト派スタンス(バーナンキ議長をはじめ、イエレン副議長、ダドリーNY連銀総裁)である以上、引続き市場の早期利上げ期待と、Fedの緩和姿勢との兼ね合いがドルの方向性を示すと思われますが、週明け4日にはバーナンキ議長の講演が控えているだけに、今回の雇用統計の結果を受けたQE2に対する見解などが争点となりそうな雰囲気です。

夜に今週のおさらいを更新したいと思います。

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