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選挙の争点は決まって経済・医療・教育など、いつも争点にならない文化政策って何?

選挙では様々な争点が注目されます。国政から地方選挙までその内容は様々ですが、多くの場合「文化政策」が主な争点になることはほとんどありません。

11月3日は文化の日、4日はユネスコ(UNESCO、国連教育科学文化機関)憲章記念日。両日とも文化を重んじる記念日です。これらの日にちなみ、普段注目されることの少ない文化政策に注目してみました。

文化政策って何?

ウィキペディアで検索すると、「文化政策(ぶんかせいさく)とは、芸術・文化を対象とする公共政策である。(中略)狭義には芸術政策(中略)広義の文化政策には、芸術政策のほかに、言語政策・宗教政策が含まれる」とああります。

……分かったような分からないような。

では、2014年の衆議院選挙時の公約で、政権与党の挙げた文化政策を振り返ってみましょう。

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自民党は「日本が世界の文化芸術交流のハブ拠点となる『文化芸術立国』を実現」、公明党は「文化・芸術を新たな成長分野として振興するため、子どもの文化芸術体験機会の拡充、若手芸術家等の人材育成、文化財の保存・活用・継承などを通じ、わが国の文化芸術の基盤を強化」とあります。

文化政策について、何となくフワフワしたイメージは湧いてきました。

国の文化政策

平成26年度 文部科学白書」には「第9章 文化芸術立国の実現」が明記されていて、分野別予算から政策内容まで具体的に説明されています。

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平成26年度 文部科学白書より

予算配分を見ると、国の文化財保護関連が43.5%で一番割合が大きく、次に国立ミュージアム関連が31.7%、芸術文化の振興は21.8%となっています。

最も予算が割かれている文化財保護の分野は、歴史的、芸術的に価値の高い建築物や美術工芸品など有形のものを保存したり、修復したりすることと、いわゆる「人間国宝」の「わざ」ように無形文化財の認定制度などがありイメージしやすい。文部科学省サイトには特に以下の点が強調されています。
「無形文化遺産の保護については、文化財保護法(1950年)制定時に、無形文化財を法律上位置付けるなど、各国に先駆け無形文化遺産の保護制度を整備してきた」

日本の無形文化財保護制度は世界的に先進性があるようです。

文化庁メディア芸術祭や映画振興などはニュースで耳にしたこともありますが、これは芸術文化の振興の範囲であり、実は日本の文化政策は文化財保護と、国立ミュージアムに力が入っているというのが現状のようです。

地方の文化政策

次に地方自治体による文化政策はどうなっているかを調べるために「地方における文化行政の状況について(平成25年度)」という資料を見てみました。

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平成27年9月文化庁「地方における文化行政の状況について(平成25年度)」より

まず全体予算である文化関係費は、芸術文化経費と文化財保護経費に分かれています。ここでも文化財保護が独立した項目になっているのが特徴です。芸術文化経費はさらに芸術文化事業費、文化施設費、文化施設建設費の3つに分かれます。

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平成27年9月文化庁「地方における文化行政の状況について(平成25年度)」より

その3つの経費の推移を見てみると、文化施設の建設費が右肩下がりになっています。これは大型ミュージアムや劇場などが全国各地に建設されたものの、長引く不況や文化予算の縮小、ハコモノ行政への批判も相まって次第に下火になってきたことを表しているとみられます。

それでも、私が見てきたこれまでの地方選挙では、巨大文化施設の建設の是非が争点になることが時々ありました。そのたびに建設費に何百億円もかかることや、施設の運営方法、利便性、維持費、採算性などが問題になったりして、ハコモノ行政への批判材料となるのが常でした。

地方創生が叫ばれる中、都市再開発の目玉として、経済活性化の起爆剤としてこのような文化施設建設案が持ち上がるのは、その全てが悪いこととは思いません。ですが……。

文化政策の多様化

ここまで概要をなぞってきて、少しずつ文化政策のイメージが具体的になってきました。

そこでふと思い出したのが、私が以前、温泉旅行で訪れた大分県別符市の「別府現代芸術フェスティバル2015『混浴温泉世界』」のことです。このイベントはNPO法人BEPPU PROJECTが主催した、アートと別府の街の歴史を体験できるイベント。今年は6万人を超える(公式サイト)観客を動員したとのことです。

また同時期開催だった大分市主催の「おおいたトイレンナーレ2015」も、公園の公共トイレがいちごケーキ型になるなど意欲的な取り組みでインパクトがありました。

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ふないアクアパークの公共トイレ

これらの取り組みは現代アートで地域活性化を後押しする効果があり、アートでまち作り、アートで観光ツアー、アートで防犯対策など様々な可能性を感じました。いわゆる芸術振興的な従来の文化政策の範囲を超えた取り組みだと言えます。

人のため、まちのために文化芸術の力を活かして何ができるのかが、これからの文化政策に問われているのではないでしょうか。

幸本あかり

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