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中国が利下げと人民元買い介入という矛盾する行為を同時に行うことの意味

 中国が、景気減速を食い止めるために利下げを行っていることはご承知のとおりです。

 直近では、10月23日に利下げを実施しました。1年弱で6回目の利下げだと言われています。
 
 景気が悪いから利下げをする。これ、まあ、常識みたいなものだと言っていいでしょう。

 利上げをすれば、借金をする企業にとっては金利負担の軽減につながり、投資を刺激する可能性があるし、さらに利下げによって自国通貨の価値が低下すれば、これまた輸出促進の可能性がある、と。

 だから、利下げをしつつ、為替介入して自国通貨の価値を高くすることなど通常考えられません。

 ですよね?

 しか〜し…

 中国は、今、その相矛盾することを同時に行っているのです。

 つまり、利下げの中で人民元の買い介入を行っている、と。

 どう思います?

 「なんのこっちゃいな」

 親父ギャグは止めて下さい!

 「資本逃避が起きているので、それを阻止したいのだろう?」

 まあ、そういうことなのでしょう。しかし、資本流出を阻止したいと言うのであれば、そもそも金利を下げること自体がおかしい。

 通常、資本逃避が起きている国は、金利を引き上げて資本逃避の流れを食い止めようとするもの。

 おかしいでしょ?

 では、何故そのような矛盾したことを中国はやっているのか?

 どう思います?

 それはですね、人民元の価値が上がっているように装うことによって、中国の景気はそれほど悪くはないのだと見せたいということなのです。

 中国の景気が減速している。そして、中国の当局もそれを認めているからこそ、利下げを行っている。そして、だからこそ海外の投資家も中国から資金を引き上げている。

 そうなると、人民元の価値が下がりますよね?

 しかし、人民元の価値が下がるということは、それによって中国の輸出が促進される効果が期待できるものの、他方で、やっぱり中国の景気悪化は相当に深刻だというイメージを植え付ける恐れがあるので、それは避けたいと考えているのではないでしょうか。

 要するに、実態よりも景気を良く見せたいがために、中国は人民元を買い支えているのだと思うのです。

 それにですね、人民元の価値の低下を放置すれば、輸入物価が上がることによって、国内物価の上昇に結び付く訳ですが…そうなってGDPデフレーターが上がると、実質成長率が低めに出てしまい、益々景気が悪いように見られてしまう恐れがあるのです。

 いずれにしても、そのようなうわべを糊塗するようなことをせざるを得ないことに、中国の景気減速の深刻さが表れていると思います。

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