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人民元上昇の3つの理由

 人民元が10年ぶりの上昇率を示したと報じられています。

 「30日の上海外国為替市場で中国・人民元が急伸した。終値は1ドル=6.3175元と前日比0.62%上昇した。一日の上昇率としては中国が人民元改革に踏み切った2005年7月以来、約10年ぶりの水準」(日経)

 何故このように急上昇しているのかと言えば、「中国人民銀行(中央銀行)が上海と香港両市場で人民元買い・ドル売りの為替介入に踏み切った」からではないか、と。

 どう思います?

 人民元買い・ドル売りなんですって。

 あれっ、と思った人がいるかもしれません。

 何故かと言えば、中国は、輸出促進のために人民元を売って人民元レートが上がらないようにしているのではないか、と。

 中国経済が減速しているなかにあって、人民元を買い人民元の価値を上げるようなことがあるのか、と。

 どう思います?

 中国は、輸出が減少し、経済成長率が落ちてもやむを得ないと考えているのでしょうか?

 仮に、それが事実だとすれば、何故そのような判断に至ったのでしょうか?

 私は、それには3つの理由があると考えます。

 先ず、第一の理由としては、中国の景気減速を背景として資本の流出が止まらないことがあると思うのです。

 確かに、輸出を支えるために人民元のレートを低く保ちたいが、その一方で、資本の流出がこのまま続くことを見逃す訳にはいかない、と。

 第二の理由としては、人民元をSDRの構成通貨として認めさせるためである、と。

 中国は、人民元を国際通貨として育て上げ、将来的には基軸通貨として通用させる野望を有していると思われますが、そのために人民元のレートが市場実勢によって自由に変動するという証拠を見せつけたかったのではないでしょうか。

 しかし、理由はそれだけではありません。

 三つ目の理由があるのです。中国は、米国のFreedom of Navigation 、航行の自由作戦に対抗するために、為替介入したのではないでしょうか。

 では、何故人民元を買い、ドルを売ると米国への対抗策になるのでしょうか?

 人民元が強くなる一方で、ドルが弱くなれば…

 米国の輸出産業を支援することになる? つまり、米国に恩を売って、南シナ海の埋め立ては、見て見ない振りをしてもらう作戦なのでしょうか?

 その意味も少しはあるかもしれません。しかし、そうではないかもしれません。

 では、何故?

 それは中国が米国債を売っていることを臭わせているのではないか、と。中国が手持ちの米国債を売りに出せば、ドルの価値は下がる、と。この先も、米国債を売り続けていいのか、と米国を脅かす意味が含まれているのではないでしょうか?

 つまり、どちらにも受け取れる曲玉を投げた可能性があるのです。

 果たして、その曲玉を米国はどう処理するのか?

 やっぱり、軍事基地の工事は今後も続き、そして、その近くを米軍の駆逐艦がうろつくというおかしな光景が続くことになるだけではないでしょうか。

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